月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

やこうたけ

2021-05-27 15:09:25 | キノコ
この日は、とある神社を訪れていた。

古くからの鎮守の森が保たれており、ちょっと他の里山とはキノコの種類が異なる、お気に入りの場所だ。時期も他の里山とは違い、梅雨入り前の4月5月に不思議な魅力がある。

この日の1番のお目当てはシイの巨木に生えるカンゾウタケなんだが、ゴロゴロと転がる朽木にも小さなキノコが多く、意外な発見があるので、怠らず観察しながら進む。

ふと、ウラベニガサが目に入った。ん?気になったのはその隣。



んーーーー??
このきれいな長い条線と灰色のグラデーション&ぬめり。どっかで見たような?
あっ、柄の根元が吸盤みたいになっとる!これって・・・

ヤコウタケやん!!

ヤコウタケとは、日本でもっとも明るく光る発光キノコで、八丈島などの亜熱帯の島に自生するフェニックスや竹に生え、観光ツアーも企画されることで有名である。九州や四国、本州でも、温暖な地域なら多少は発生するが、近年、温暖からは程遠いような場所でも、ちらほらと観察記録が出ている、とは聞いていた。まさかここで見つかるとは。

残念ながら、本州で見つかるヤコウタケの大半は、発光する力があまりないらしい。栄養をたんまり与えれば光るという説もあるそうだが果たして・・・。

できればこれが本当に光らないのかどうか、確かめてみたいが、採取する気にはならないし、夜ここに来るのも無理そうなので、写真を撮るだけにしておこう。