ここんところ、新型コロナウイルスとやらの話でもちきりだが、さすがにウンザリしてきた。
ただ、ウイルスというヤツが一体何なのか、自分もよく分かっていなかったのでちょっと勉強してみた。
よく勘違いされるので始めに言っておこう。ウイルスは細菌ではない。ぜんぜん別物、例えるならばバナナと洗濯機くらい違う。菌類と細菌もよくいっしょくたにされちゃうけど、ウイルスと細菌の間にはそれよりもさら深い溝がある。
まず、ウイルスには
①細胞がない。細胞膜という風船の中に体液を満たした構造があらゆる生物の基本構造のはずなんだけど、ウイルスにはそれがない。
そして
②ウイルスは自力で増えられない。
ウイルスは自分の設計図以外、ほとんど何も持ってないので、他の生物の細胞に間借りして、一切合切を借りて自分のコピーを増やす。例えるならば、レシピだけ持った料理人が食材と包丁とナベとコンロと食器をよそから借りて料理してるようなものである。
さらに、これが重要!
③ウイルスは呼吸をしない。なにも食べない。
もちろん光合成もできない。
ていうか、こんなんで果たして生きてると言えるのか??
実際、ウイルスが生き物かそうでないかということには昔から論争があって、いまだに決着がついていない。生き物でなけりゃ何なのか?それはもうただの「物質」ということになる。
さて、それはさておき、ふつう「ウイルス」と聞くと、皆さんにはただ「悪いヤツ」という印象しかないかと思う。でもそれは先入観というもの。ほんとうは違うのだ。
確かにウイルスは、ほかの生き物の細胞に侵入してドロボーしないと生きていけないヤツらだし、そもそも生き物かどうかも怪しいエイリアンみたいに不気味な存在ではあるけれども、実は彼らなくして今の人類の進化はなかったはずなのだ。
それはなぜか。
ふつう、遺伝というと、DNAが親から子へ伝えられることを言う。ところが、ウイルスはその常識をくつがえす仕事をしてしまうのだ。
ウイルスが自分のコピーを作るとき、その生物の持つDNAから一部分をコピーし、持ち去ってしまうことがあるのだ。これがウッカリなのかワザとなのかよくわからんけれど・・・
さらに、自分のコピーをその生物のDNAに組み込んじゃうこともある。そのままウイルスを廃業して吸収されちゃったりとかも。
結果的に、ウイルスがいろんなDNAを抜き取ったり、あるいは割り込ませたりするおかげで、DNAがいろんな生物の間でシャッフルされ、赤の他人でしかない異なった生物が同じ遺伝情報を持つという現象が起きてしまう。
こうして、ダーウィンで知られるような、時間をかけて起こる自然選択とはまったく別の次元で、ありえないほど自由でドラマチックな形で進化が進んだのだ。
で、それでどうなったかというと・・・たとえば人間が持つゲノムのうち、じつに45%までもが、よそ(ウイルスだけに限らんけど)から運ばれたモノで占められていた、ということが最近になってわかったそうだ。
まあ45%と言っても、もとを正せば必要のないもの(俗称・ガラクタ遺伝子)だったので、そのほとんどは人間にとって重要度が高くないんだけどね。それでも、ガラクタはガラクタなりに役割を持っているし、中には進化の過程で変化して、ヒトをヒトたらしめることになった重要な遺伝情報も含まれている。
少なくとも、ウイルスなしに、今の形のヒトを作ることはできなかっただろう。
ウイルスは他にも病気への抵抗力を高めたり、寄生虫から身を守ったりするなど、生物の役に立っているものも多い。また、役には立たないまでも、ほぼ無害な形で生物と共存する例も多く知られている。
突然、凶暴な感染症を引き起こすのも確かにウイルスの仕業だが、それは彼らのある一面に過ぎないのだ。
・・・生物と無生物のあいだに立つもの。DNAからDNAへさすらいつつ、悪魔のような病気をはやらせたかと思えば、こんどは画期的な進化をもたらしたりもする。そんなウイルスの振る舞いは、共生したり寄生したり変幻自在にスキマに滑り込んでいく菌類の生き方とも少しかぶる。小さすぎて見ることすらできない厄介者だが、なかなかどうして目が離せない。
注:わかりやすくするために話を単純化しているので、かなりの不正確さを含むことを了承ください。ウイルスは超多様かつ複雑で、すべてを正しく伝えようと思っても、聞きかじりレベルの自分の手に負えるものじゃありません(^-^;
ただ、ウイルスというヤツが一体何なのか、自分もよく分かっていなかったのでちょっと勉強してみた。
よく勘違いされるので始めに言っておこう。ウイルスは細菌ではない。ぜんぜん別物、例えるならばバナナと洗濯機くらい違う。菌類と細菌もよくいっしょくたにされちゃうけど、ウイルスと細菌の間にはそれよりもさら深い溝がある。
まず、ウイルスには
①細胞がない。細胞膜という風船の中に体液を満たした構造があらゆる生物の基本構造のはずなんだけど、ウイルスにはそれがない。
そして
②ウイルスは自力で増えられない。
ウイルスは自分の設計図以外、ほとんど何も持ってないので、他の生物の細胞に間借りして、一切合切を借りて自分のコピーを増やす。例えるならば、レシピだけ持った料理人が食材と包丁とナベとコンロと食器をよそから借りて料理してるようなものである。
さらに、これが重要!
③ウイルスは呼吸をしない。なにも食べない。
もちろん光合成もできない。
ていうか、こんなんで果たして生きてると言えるのか??
実際、ウイルスが生き物かそうでないかということには昔から論争があって、いまだに決着がついていない。生き物でなけりゃ何なのか?それはもうただの「物質」ということになる。
さて、それはさておき、ふつう「ウイルス」と聞くと、皆さんにはただ「悪いヤツ」という印象しかないかと思う。でもそれは先入観というもの。ほんとうは違うのだ。
確かにウイルスは、ほかの生き物の細胞に侵入してドロボーしないと生きていけないヤツらだし、そもそも生き物かどうかも怪しいエイリアンみたいに不気味な存在ではあるけれども、実は彼らなくして今の人類の進化はなかったはずなのだ。
それはなぜか。
ふつう、遺伝というと、DNAが親から子へ伝えられることを言う。ところが、ウイルスはその常識をくつがえす仕事をしてしまうのだ。
ウイルスが自分のコピーを作るとき、その生物の持つDNAから一部分をコピーし、持ち去ってしまうことがあるのだ。これがウッカリなのかワザとなのかよくわからんけれど・・・
さらに、自分のコピーをその生物のDNAに組み込んじゃうこともある。そのままウイルスを廃業して吸収されちゃったりとかも。
結果的に、ウイルスがいろんなDNAを抜き取ったり、あるいは割り込ませたりするおかげで、DNAがいろんな生物の間でシャッフルされ、赤の他人でしかない異なった生物が同じ遺伝情報を持つという現象が起きてしまう。
こうして、ダーウィンで知られるような、時間をかけて起こる自然選択とはまったく別の次元で、ありえないほど自由でドラマチックな形で進化が進んだのだ。
で、それでどうなったかというと・・・たとえば人間が持つゲノムのうち、じつに45%までもが、よそ(ウイルスだけに限らんけど)から運ばれたモノで占められていた、ということが最近になってわかったそうだ。
まあ45%と言っても、もとを正せば必要のないもの(俗称・ガラクタ遺伝子)だったので、そのほとんどは人間にとって重要度が高くないんだけどね。それでも、ガラクタはガラクタなりに役割を持っているし、中には進化の過程で変化して、ヒトをヒトたらしめることになった重要な遺伝情報も含まれている。
少なくとも、ウイルスなしに、今の形のヒトを作ることはできなかっただろう。
ウイルスは他にも病気への抵抗力を高めたり、寄生虫から身を守ったりするなど、生物の役に立っているものも多い。また、役には立たないまでも、ほぼ無害な形で生物と共存する例も多く知られている。
突然、凶暴な感染症を引き起こすのも確かにウイルスの仕業だが、それは彼らのある一面に過ぎないのだ。
・・・生物と無生物のあいだに立つもの。DNAからDNAへさすらいつつ、悪魔のような病気をはやらせたかと思えば、こんどは画期的な進化をもたらしたりもする。そんなウイルスの振る舞いは、共生したり寄生したり変幻自在にスキマに滑り込んでいく菌類の生き方とも少しかぶる。小さすぎて見ることすらできない厄介者だが、なかなかどうして目が離せない。
注:わかりやすくするために話を単純化しているので、かなりの不正確さを含むことを了承ください。ウイルスは超多様かつ複雑で、すべてを正しく伝えようと思っても、聞きかじりレベルの自分の手に負えるものじゃありません(^-^;
ウイルスは際限なく新しい種類ができる(生まれるではない)し、ウイルスが感染した生き物にそれぞれのウイルスの抗原に対して抗体を作る能力がある以上、そのウイルスは必ずいつか消滅する。
なのでウイルスと共存するためにも症状の軽い若いうちに免疫をつけておくことがとても重要なのだけれど、高齢化社会で免疫力の落ちた人の割合が高い社会だと、ウイルスとどう戦ったらいいのか本当に難しい・・・
よく寝る、よく食う。努力できる範囲で免疫力を落とさない、もうこれしかないと思いますわ。