The Japan News紙に転載されている
Washington Post紙のDino Grandoni氏による "Butterflies are vanishing out West"の記事を読みました。
記事はこちらでも読むことができます。
Butterflies are vanishing out West. Scientists say climate change is to blame.
As the climate in the American West grows hotter and drier, butterfly ...
Washington Post
気候変動のため、アメリカ西部で蝶(や蜂)が減少しているということが書かれています。
そのような現象を呼ぶ言葉として、"bug-pocalypse"(昆虫の黙示録)という言葉が使われています。
これは、"bug"(虫)と "apocalypse" (黙示録)を結び付けた言葉です。
ハイフン語とせず、"bug apocalypse"ということもあるようです。
ちなみに、"apocalypse"という語は、フランシス・コッポラ監督の映画『地獄の黙示録』(1979)の原題が、
Apocalypse Nowだったことから覚えました。
この映画の原作が、Joseph Conradの
Heart of Darknessであり、そのことは、大学院の授業でT. S. Eliotの
The Waste Landを読んだ際、この映画中に
The Waste Landからの引用があることを、後藤明生先生から教えていただきました。
また、それに関連してやはりこの映画でモチーフが使われているフレイザー(James Frazer)の『金枝篇』(
The Golden Bough)にも触れました。
後藤先生にはいろいろなことを教えていただいております。
岡山県立美術館のムーミン展鑑賞(2015年4月4日) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)
参照
話題がそれました。
昆虫の危機に話を戻します。
蝶の個体数の減少の一例として、記事ではオオカバマダラ蝶の数が減ったことが紹介されています。
ジョン・スタインベックがカリフォルニアのオオカバマダラ蝶の群れを描いたが、そのオオカバマダラも年々個体数が減少しているようです。
オオカバマダラ蝶については、以下の記事にも書いています。
The Migration of the Monarch Butterflies(渡りをする蝶オオカバマダラ) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)
また、昆虫の数が減ったことを表す現象として、昆虫学者(entomologists)は "windshield phenomenon" (フロントガラス現象)と呼んでいるそうです。
これは、高速道路などを走っていて飛んでいる虫による自動車のフロントガラスの汚れが、近年、減ってきているということだそうです。
(ただし、私見では、これは、車のライトがLED化していることにより虫が集まりにくくなっていることと関係しているかもしれないとも思います。)
この"bug-pocalypse"はアメリカだけの話ではないかと思います。
僕も細々とですが、日本の渡り蝶であるアサギマダラ蝶のために、フジバカマを植えています。
それから、"bug apocalypse"を調べていたら、"stink bug apocalypse" (カメムシによる地獄の黙示録)ということも出てきました。
これは、カメムシ(ハットウジ)が多い新見市近辺にお住いの方々は、経験があるかもしれませんね。