朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

我が落語週間(4)文太・噺の世界in高津の富亭

2010年07月05日 11時46分07秒 | 落語・講談・お笑い
1週間に4回の落語会、
最後は昨日「高津の富亭」の文太の会。

目当ては「黄金の大黒」。
個人的には、学生時代にやっていたネタで、
文太の音源(「上方落語を聞く会」かな?)6割で憶えたのだが、
見たことがなかった。
昔「寄合酒」か寄席のパンフか何かで
「好きなネタの一つ」(もう一つは「桑名舟」だったか)と
書かれていたこともあり、期待しつつ高津さんへ。

ざっと20人程度の入り。


「青菜」(文太):○-

夏を涼しくする「まみむめも」や戯歌からネタへ。

昔見たときは、あまり良いと思わなかったのだが、
昨日は楽しめた。
前半の隠居さんにしても、後半のタケにしても、
ツッコんでいく間・強弱が感情の流れに乗っており、自然。
違和感なく聞けるし、笑いやすい。

山葵を「大好物」と軽く言いつつ(別に言うことがプラスになる訳でもない)
食べて苦しむのは、科白として不自然だと感じる。
坊枝も言っていたような覚えがあるが、
これ、皆あまり気にしないものなのかな。

夫婦の会話など、ごく普通。

サゲはもっとスパッと切る方が好み。
「義経まで言うてしもたんかいな」も科白の流れに乗っているのだが、
サゲの科白が長くなってしまうのはマイナスと感じる。
「義経」まで言われて、「うっ」と詰まって「弁慶」で解放する、という
流れが良いと思う。


「黄金の大黒」(文太):○-

「三月裏」などのマクラからネタに入る。
「家賃」「羽織」「口上」
「火を消してしまう」「林檎」「寿司」「コノワタ」
ハメが入って「酔いながらのウダウダ」からサゲまで。

全体に、どこに特にアクセントを置く、というでなく、
長屋のある日の出来事を描写する、という感じ。
なるほどなあ。
私自身は「口上」と「コノワタ」メインで、
あとはそれに向けて盛り上げたりする、という位置付けで作っていたので、
そんな作為臭のない構成は参考になった。

マクラは「三月裏」などと、
「使たらええがな」を繰り返す小咄。
松鶴の「倍にして返してくれた」小咄を入れてもいいのかな、と
ふと思った。

「家賃」は特に流れを作るようでもなく。
「家賃って何」を特に押す訳でもない。
何となくの長屋の雰囲気を作って、「めでたいことがあった」話につなげていく。
「羽織」は間と強弱の調子でウケをとっていた。

「口上」は一人目は本当に上手くいって、
「長屋の衆呼んで参ります」で出ていく。
二人目がドモリなのだが、ドモリをリアルに表現する、といった志向ではない。
科白そのものは「そんなトチリ方しないだろう」と思うような不自然なものなのだが、
そこを自然にしようか、とか、論理的に組み立てられたものではない。
面白い音、声で生理的に楽しければそれで良い、という
作りのように思われる。
ここはあまり考えてもプラスにならんのかも知れない。

「火を消してしまう」は、まあ、普通。
「林檎」は楽しそうで良かった。
「寿司」は最初の2回も落とす方が好み。
やっぱり、「蛸喰う奴は助兵衛」って
ウケようがウケまいが言いたい科白なのだと思う。

「コノワタ」はけっこうあっさりと。
エラく長くずるずる啜っていた。
「そんなに長い訳ない」というツッコミはしても仕方がない。
演者がずるずる言いたいんだから。

ハメが入ってもいまいち宴会ムードが出なかった。
「豊年じゃ豊年じゃ」もトーンが低いしスローペースの印象。
ちと勿体ないな。

サゲは「戎を呼びに行く」。
まあ、「踏まえている2俵売りに行く」は分かりづらいので、仕方ないとは思いつつ、
長屋の衆が騒いでいる前で、米が安くなることを心配する大黒さん、という
絵面の面白さも捨て難いものがあるなあ。


「笠碁」(福矢):△-

マクラは自身のバクチの話。別に相撲の話を正面から取り上げる訳ではない。
この人の「やたけた」なイメージに合うお話だった。
途中から「笠碁」に付き物と思われる「親の死に目に遭えない」話に入るのだが、
付き物マクラになった途端、語尾や口調ががらっと変わってしまい、違和感がある。
そこも自分の言葉で消化して喋るべきだと思うのだが。

ネタは、江戸(馬生イメージだが)を聞き慣れている者としては
根本的にダメだと感じてしまう。
このネタ、いい年をした「ご隠居さん」レベルの主が、
普段は分別もあり、きちんとした人なのだが
「碁」となるとバカみたいに2人して意地を張り合う、というのが
面白さのベースになると思うのだが、
主人が2人とも若過ぎるように感じた。
最大の要因は、言葉遣いの荒さ。
この年恰好の商人がそんな乱暴な言葉を使う訳がない、と思う。

いきなり「切られた」ところから入る。
「待ったなしでやりましょう」という仕込もなし。
まあ、入れるに越したことはないが、省略する可能性もあるかな、という感じ。

待ったを認めてもらう方の「手替え品替え」感、
必死になって3年前の話を持ち出すところ、など
感情や考えの遷移が全く感じられない。喋っているだけ。

「待った」をしようとする側が、
待ってくれないからと言って「ヘボ」というのは無茶だろう。
あと、「ヘボ」と言われるのが屈辱だ、という感じを表現しておかないと、
最後に「ヘボ」と言われて上がってくるところが分かりづらいと思う。

前を往復したりするところもよく分からん。
目線は動かしていたけど、
ハラがなかったり感情の動きを表現していないのに
形だけ模してもウケや拍手がくるわけがない。

そもそもこの人に大して期待していないから、
まあ、どうでもいいのだが、
「笠碁」というのが単に訳の分からないネタだ、と
知らないお客さんに思わせるのは宜しくない。


「きゃいのう」(文太):△+

マクラは子どもの頃の芝居小屋の話など。
以前に聞いたものもあったが、初めて聞く話もあり。
普通に喋っており、ウケにつながらなかったものもあったが、
全体には面白かった。

ネタは、小咄みたいな、というか小咄そのもの。
鬘の場面とか、別に入れなくてもいいだろう。

出てくる女形がそれっぽくて可笑しい。
せっかく並べているので、
「干支ばっかり」のツッコミは入れて拾って欲しかったなあ。

サゲはそのまま過ぎる、と感じた。(「行きゃいのう」を使っている)
もう少し距離がある言葉で何かないかな、と思う。


1時間半程度で終わり。
あっさりした落語会だった。
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7月4日(日)のつぶやき

2010年07月05日 00時17分31秒 | つぶやき
10:23 from movatwitter
起きてマクド。今日は国年の選択とテキスト読みを終わらせること。
12:48 from movatwitter
天満橋。30分から早い。イラチやなあ。
13:22 from movatwitter
高津さん。意外に涼しい。
16:15 from movatwitter
ちょいと疲れたので飲みに入る。ここで選択を6分の4までやって、残りは帰宅してから、という腹積り。
17:09 from movatwitter
「高津の富亭」で文太「黄金の大黒」を見た。俺、このネタについてはスレてしまってるわ。私のは、ウケを取るための作りになってしまっている。ちょっと見直して演ってみたい。
17:59 from movatwitter
飲みながら(笑)ではあるが、国年の選択6分の5まで終了。帰宅したら、また来週以降のスケジュールを立てねばならんが、選択問題集の位置付けは考えねばなるまい。1日宛てるべきなのか、移動時間にやることにして予定からは外すべきなのか。
18:05 from movatwitter
覚書。「番町皿屋敷」を落語にできないか、と思っているが、寿海(さすがに2代目左団次はねえだろう)の映像が手元にあるかも知れん。ちと探してみるか。
by kkmaru on Twitter
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