昨日はトリイホールの川柳・ブラック二人会へ。
開場15分くらい前に着いたのだが、
既に4階の入り口から階段を使って3階まで並んでいた。
結局ほぼ満員の入り。
ブラックの会では、20人足らず、といった入りを見ていたので一安心。
「小町」(ブラ坊):△
この人、初めて見た。
軽く芸名の由来を紹介してネタに入る。
下手に振った時がちと深く、目が泳ぐのが気になる。
考えてみると、目が泳ぐのは師匠にもあるな。
全体に間の取り方なども不安定で聞き辛いし、
人物の一貫性もイマイチ。
ただ、職人の表情付けなどに、この人のニンの良さが出ているので、
慣れてくるともっと良くなりそう。
ブラックの弟子ということで、場数が少なそうなのが心配だが。
「オマン公社」(ブラック):○
マクラどんなんだったかなあ。忘れた。
ネタは、今の政治状況も少し組み込んでいる。
野田財務大臣、とか、民主党の人気が落ちている、とか。
「大阪ではオメ公社、九州ではボボ公社」は初めて聞いたが、
これは良い入れ事と思う。
国営ソープに来る客の描写が良かった。
この客が「やりたがっている」ベースがあるので、
役人の対応に対する苛立ちを観客が共感しやすかったのだろう。
このあたり、以前に聞いた時より良かった。
ただ「意味なく振り回す」感じは「ぜんざい公社」より弱く、
「それならばあちこち行かされても仕方がないな」と感じる部分はあった。
これはこのネタの限界かも知れない。
役人が「ごくろうさま」だったか、客を労うようなことを言っているのだが、
ここには違和感がある。
もっとさも当然のようにあちこちに行かせるものだろう。
サゲのあたり、「ぜんざい公社」のパロディーの感じが強い。
そこからは離れて、オリジナルのサゲに持っていっても良いと思う。
あと、サゲの持っていき方は少しくどい。
「漫談」(テント):○-
至近距離で見ると、少し老いを感じた。
「忠臣蔵」の映画の筋をメインに進めていくもので、
「ギョッ」とか「どんなんやねん」「こんなんやねん」の繰り返しのギャグ、
といった面は弱かったように思う。
この人のずれた味は出ていたと思うが、
昔見た時に比べて、客席の空気を読んでいるように感じた。
個人的には、
客席を見ずに自分のペースで自分のやりたいようにするのが
この人の味だと思っていたので、
少し意外。
筋ではあまり盛り上がらなかったので、最後に人間パチンコ。
うーん、昔見た時ほど爆発力を感じられなかった。
「ガーコン」(川柳):○+
相変わらず元気に歌う。ブラ坊より声が通るのは流石。
ところどころの説明が不安定だったり、
「空の神兵」の音程が少し揺れたりと、
老いを感じるところはある。
だが以前に聞いた時より細かい説明が増えていたり、
「ラバウル小唄」を入れて金正日の話をしたり、と、
いろいろ手をつけているのは素晴らしい。
ジャズで楽器の真似をするところ、今まで気付かなかったのだが
演奏する形だけでなくベースで「うなり」を入れるなどしており、
非常に芸が細かい。
立ち上がっての乗るところ、脱穀機も流石。
本人も言っていたが、90まで出来そうだな。
「G&G」(雀三郎):△+
マクラは「歌手」をやっている噺家の話を少し。
個人的にはこのネタ、あまり出来が良いとも思えないのだが。
歌うまでの会話にしても、さして爆発力のあるギャグがある訳でもない。
「鹿田さん」という名前が出てくるが、これ、
故染語楼のことか?
替え歌にしても、そこまで弾けたものでもない。
程が良いネタだとは思うが、
このメンバー、このネタ並びの中では力不足。
「漫談」(元気いいぞう):○
雀三郎が終わって見台、座布団、メクリが片付けられる。
何だろう、と思っていると裸(パンツと靴下は履いている)に
腹巻を巻いて出てきた。
「バドガール」という設定らしいが、ずれて乳首が見える。
「痴漢の歌」やら気違いじみたことをいろいろやった挙句、
ずれるのを生かして「共産党に乳頭」。
…私は彼の突き抜けた感じが好きで満足したが、
あまり見慣れていない多くの客は引いていたように思う。
「ジャズ息子」(川柳):○
少しつっかえるところ、自分の言ったギャグで笑ってしまうところがあった。
それも含めて愛嬌になってはいたが。
義太夫もきちんとした雰囲気があって良いのだが、
やはりジャズが素晴らしい。
若い頃に繰り返し聞いていたものが、身からしみ出す感じ。
目を剥き、顔を真っ赤にして唸られたり歌われたりした日にゃ、
そりゃ笑わな仕方がない。
「演歌息子」(ブラック):○-
「最初負けているときはアメリカの軍歌は暗かった」というマクラは、
「ガーコン」のパロディなのだが、
そこがあまり伝わっていなかった気がする。
さすがに本編でギャグを入れていくと伝わっていた。
「吹き落とせ」に対する「唸り落とせ」は面白い。
父親の「(今挙げた歌手は)皆在日じゃないか」に対する倅の説明がクドく感じられ、
「八紘一宇です」がなかったのは残念。
個人的には、このギャグは不可欠だと思うんだけどなあ。
終演後、ブラックが「落としていった」CDを1500円出して拾った。
帰宅して「転校せえ!」を聞いたが、うん、これは普通は販売できねえや。
なぜか「落語天国」では扱っているようなので、とりあえず。
(画像をクリックすると「楽天」のページに飛びます)
開場15分くらい前に着いたのだが、
既に4階の入り口から階段を使って3階まで並んでいた。
結局ほぼ満員の入り。
ブラックの会では、20人足らず、といった入りを見ていたので一安心。
「小町」(ブラ坊):△
この人、初めて見た。
軽く芸名の由来を紹介してネタに入る。
下手に振った時がちと深く、目が泳ぐのが気になる。
考えてみると、目が泳ぐのは師匠にもあるな。
全体に間の取り方なども不安定で聞き辛いし、
人物の一貫性もイマイチ。
ただ、職人の表情付けなどに、この人のニンの良さが出ているので、
慣れてくるともっと良くなりそう。
ブラックの弟子ということで、場数が少なそうなのが心配だが。
「オマン公社」(ブラック):○
マクラどんなんだったかなあ。忘れた。
ネタは、今の政治状況も少し組み込んでいる。
野田財務大臣、とか、民主党の人気が落ちている、とか。
「大阪ではオメ公社、九州ではボボ公社」は初めて聞いたが、
これは良い入れ事と思う。
国営ソープに来る客の描写が良かった。
この客が「やりたがっている」ベースがあるので、
役人の対応に対する苛立ちを観客が共感しやすかったのだろう。
このあたり、以前に聞いた時より良かった。
ただ「意味なく振り回す」感じは「ぜんざい公社」より弱く、
「それならばあちこち行かされても仕方がないな」と感じる部分はあった。
これはこのネタの限界かも知れない。
役人が「ごくろうさま」だったか、客を労うようなことを言っているのだが、
ここには違和感がある。
もっとさも当然のようにあちこちに行かせるものだろう。
サゲのあたり、「ぜんざい公社」のパロディーの感じが強い。
そこからは離れて、オリジナルのサゲに持っていっても良いと思う。
あと、サゲの持っていき方は少しくどい。
「漫談」(テント):○-
至近距離で見ると、少し老いを感じた。
「忠臣蔵」の映画の筋をメインに進めていくもので、
「ギョッ」とか「どんなんやねん」「こんなんやねん」の繰り返しのギャグ、
といった面は弱かったように思う。
この人のずれた味は出ていたと思うが、
昔見た時に比べて、客席の空気を読んでいるように感じた。
個人的には、
客席を見ずに自分のペースで自分のやりたいようにするのが
この人の味だと思っていたので、
少し意外。
筋ではあまり盛り上がらなかったので、最後に人間パチンコ。
うーん、昔見た時ほど爆発力を感じられなかった。
「ガーコン」(川柳):○+
相変わらず元気に歌う。ブラ坊より声が通るのは流石。
ところどころの説明が不安定だったり、
「空の神兵」の音程が少し揺れたりと、
老いを感じるところはある。
だが以前に聞いた時より細かい説明が増えていたり、
「ラバウル小唄」を入れて金正日の話をしたり、と、
いろいろ手をつけているのは素晴らしい。
ジャズで楽器の真似をするところ、今まで気付かなかったのだが
演奏する形だけでなくベースで「うなり」を入れるなどしており、
非常に芸が細かい。
立ち上がっての乗るところ、脱穀機も流石。
本人も言っていたが、90まで出来そうだな。
「G&G」(雀三郎):△+
マクラは「歌手」をやっている噺家の話を少し。
個人的にはこのネタ、あまり出来が良いとも思えないのだが。
歌うまでの会話にしても、さして爆発力のあるギャグがある訳でもない。
「鹿田さん」という名前が出てくるが、これ、
故染語楼のことか?
替え歌にしても、そこまで弾けたものでもない。
程が良いネタだとは思うが、
このメンバー、このネタ並びの中では力不足。
「漫談」(元気いいぞう):○
雀三郎が終わって見台、座布団、メクリが片付けられる。
何だろう、と思っていると裸(パンツと靴下は履いている)に
腹巻を巻いて出てきた。
「バドガール」という設定らしいが、ずれて乳首が見える。
「痴漢の歌」やら気違いじみたことをいろいろやった挙句、
ずれるのを生かして「共産党に乳頭」。
…私は彼の突き抜けた感じが好きで満足したが、
あまり見慣れていない多くの客は引いていたように思う。
「ジャズ息子」(川柳):○
少しつっかえるところ、自分の言ったギャグで笑ってしまうところがあった。
それも含めて愛嬌になってはいたが。
義太夫もきちんとした雰囲気があって良いのだが、
やはりジャズが素晴らしい。
若い頃に繰り返し聞いていたものが、身からしみ出す感じ。
目を剥き、顔を真っ赤にして唸られたり歌われたりした日にゃ、
そりゃ笑わな仕方がない。
「演歌息子」(ブラック):○-
「最初負けているときはアメリカの軍歌は暗かった」というマクラは、
「ガーコン」のパロディなのだが、
そこがあまり伝わっていなかった気がする。
さすがに本編でギャグを入れていくと伝わっていた。
「吹き落とせ」に対する「唸り落とせ」は面白い。
父親の「(今挙げた歌手は)皆在日じゃないか」に対する倅の説明がクドく感じられ、
「八紘一宇です」がなかったのは残念。
個人的には、このギャグは不可欠だと思うんだけどなあ。
終演後、ブラックが「落としていった」CDを1500円出して拾った。
帰宅して「転校せえ!」を聞いたが、うん、これは普通は販売できねえや。
なぜか「落語天国」では扱っているようなので、とりあえず。
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