「いつから失業保険をもらえるか?どれだけもらえるか?」という問い合わせが
けっこう多い。
「会社都合だったら、早くもらえるし、金額も多くなる」のは理解されていることが多いが、
例えば「自己都合でも、早くもらえる場合がある」や
「雇止めだと、解雇と同じ扱いになる」と聞いてこられるケースもあり、
また昔の情報をそのまま使えない場合もある。
このあたりを少し整理してみた。
参考:ハローワークインターネットサービス - 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
【特定受給資格者】
・「特定受給資格者」は、倒産や解雇で退職した受給資格者。
「再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた」ので、
待期期間(7日間)満了後、失業保険を受給できる。
(※実際には、待期期間満了後、4週間に1度ずつ失業の認定を行い、その結果として給付されるので、
最初の入金まで1ヶ月以上かかることになります)
参考:ハローワークインターネットサービス - 雇用保険手続きのご案内
また、再就職の困難度合を考慮に入れて、
年齢等により給付日数の上限に差を設けている。(自己都合に比べて長い)
・いわゆる「雇止め」は原則として次の「特定理由離職者」にあたるが、
「期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において
当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者」や
「期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において
当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者」は
「特定受給資格者」に該当する。
・自己都合による退職は、原則として「特定受給資格者」には当たらないが、
例えば「賃金不払い・著しい低下」「長時間の時間外労働」「セクハラ」などにより退職した場合は、
「特定受給資格者」に該当する場合がある。
【特定理由離職者】
1.雇止め
2.正当な理由のある自己都合により離職した者
例えば「疾病など」「妊娠・出産・育児など」「介護」「通勤困難」等を理由として
離職した場合
この場合は「特定受給資格者」同様、「再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた」ので、
待期期間(7日間)満了後、失業保険を受給できる。
・但し、給付日数の上限は1.と2.で異なる。
1.は「解雇」同様、再就職の困難度合を考慮して
年齢等による給付日数の差を設定ている。
(※受給資格に係る離職の日が平成21年3月31日から平成34年3月31日までの間にある方に限り、
所定給付日数が特定受給資格者と同様となります。)
2.は、通常の「自己都合」の場合と同じ日数になる(短い)。
ただ、待期期間満了後、すぐに失業保険を受給することができる。
まとめると、
〈特定受給資格者〉
…すぐに受給開始でき、受給できる期間も長い。
〈特定理由離職者1〉(雇止め)
…すぐに受給開始でき、受給できる期間も長い。(但し平成34年3月31日までの時限立法)
〈特定理由離職者2〉(正当な理由のある自己都合退職)
…すぐに受給開始できるが、受給できる期間は短い。
〈比較:自己都合〉
…受給開始まで時間がかかるし、受給できる期間も短い。
ということになる。