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文太噺の世界in堀江・ミロー寄席

2012年12月12日 08時46分31秒 | 落語・講談・お笑い
先週土曜は、堀江の文太の会へ。

西長堀から歩き、和光寺に寄ったりする。


会場のミローホールは「ホール」と言いつつ、
マンションの集会所のような、ごくこじんまりしたスペース。
幕などを吊って雰囲気を作っている。
「田辺寄席」に比べても、如何にも手作りの地域寄席。
50人も入れば満員の部屋で、ほぼ満員。
真ん中あたりにいたのだが、高座の声が少し聞こえにくい。

「開口0番」(文太)

年をとっても健康で生きていく「かきくけこ」など。


「手水廻し」(雀五郎):△+

例によって「手水」の説明を振る程度でネタへ。
前座なんだし、もう少し振っても、と思わなくもない。

さすがにこのキャリアの人がこのネタをやると手堅いが、
もう少し解放感は欲しい。
「手水を使うので、まわして欲しい」と大阪からの客が言い、
それに対して「手水を廻す」にシフトしていく台詞回し。
そこまで気を使うことはないと思うが、まあ、悪くはない。

和尚さんは出さず、
和尚さんが紙に書いて寄越してくれた、という形。
長い頭の絵を描いている、という設定は絵面が面白くて良い。

廻すところは割と普通に。
大阪で手水を飲むところはイマイチ。
もう少し徐々に傾け、洗面器の重みを感じさせる方が良いと思う。


「不動坊」(文太):△+

講釈に関する話を軽く振ってネタへ。

個々の台詞では興味深いものもあった。
例えば家主がお滝さんを利吉に世話するに際して、
利吉が不動坊が亡くなったことを知っていると思って声を掛けるとか。

全体に淡々とやっており、あまり華がなく、眠くなった。
徳さんに声を掛けられた利吉が「好きな、直し屋の徳さん」と
苦しい言い訳もせず、そのまま帰ってしまう。

サゲは「金で釣られたのか」「いや、ふんどしで吊られた」。
ふんどしの話を引っ張っているので、悪くはないサゲ。


「かぜうどん」(雀三郎):○+

売り声のマクラからネタへ。

登場人物が全員良い人なのが、雀三郎の「かぜうどん」の良いところ。
酔っ払いは枝雀と同じ台詞。
しかし、枝雀のを聞くと、
うどん屋に感情移入して時に不愉快になってしまうことがあるのだが、
全く不愉快にならなかった。
それは、台詞が先にあるのではなく、
酔っ払いの存在が先にあり、そこから台詞が自然に滲み出していること、
この酔っ払いがどこにでもいそうな酒好きとして描写されていること、
そしてこの酔っ払いに対して演者が好意的に見ていることが理由なのでは、と思う。
うどん屋も酔っ払いに振り回されながらも時にいじっており、
その手慣れた感じやそれに対して酔っ払いもさほど腹を立てていない様子が良かった。

バクチ打ちの兄貴分も自然にニンの良さがあった。

最後の客のうどんを食べる仕草などは、さほど丁寧にやっていないが、
それで良いだろう。
うどん屋が最後に一喜一憂するところは
若干、ウケを取るために誇張しているかな、という印象を持ってしまった。


「悋気の独楽」(文太):○

「こなから」の話、
髪を抜く話を振ってネタへ。
旦那の雰囲気、妾と本妻の雰囲気の違いが出ていて良い。

ネタは、特に何か手を入れている訳でもないのだが、
きっちり世界が作られており、安心して聞いていられる。
御寮人さんの焦って聞く様子、
店の連中の知りつつ御寮人さんに応えたり弄ったりする様子、
船場のお店のちょっとした日常が出ている感じ。
また、おなべが「所帯破れ」をした、という話に悔しさが出ていて、
手を繋いでいる場面や別れるに際しての手切れの話が明確に映像になっていた。

丁稚が御寮人さんに答えていく場面、
丁稚の教育が行き届いている感じと子どもらしさのバランスが良い。
このあたりがきっちり作れていないと、船場ネタの奥行きは出ないのだろうな。


この後抽選会。
若干、ダラダラした。
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