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らくご道(2013年3月楽日)

2013年03月08日 14時45分59秒 | 落語・講談・お笑い


前日に引き続き、火曜もワッハの「らくご道」へ。
前の日よりは若干少なめだが、それでも40人以上は入っていた。


「平林」(生寿):△+

私がこの会に通い始めてからは生喬か南天の「前説」だったのだが、
それより前は3年ほど、彼が前座を務めていたらしい。
来週にここで落語会をやる、と軽くアナウンスし、
少し思い出話からネタへ。

表情付け(口の曲げ方)など、如何にも生喬の弟子らしい。
丁稚は少し「女の子」っぽい感じ。
「一八十の木木」以降は教える側が「イチビって言っている」ことが明確であり、
それはそれで悪くなかった。

最初に旦那が丁稚に「本町の平林さんの所」に行ってこい、と言うのに対して
「よう知ってます」と丁稚が答えるのは違和感がある。
知っていたら名前を間違うことはないと思うのだけどなあ。


「長短+こうもり」(生喬):○-

料理の話などをマクラで振ってネタへ。

気の短い男は良いが、気の長い男が難しいなあ。
気の長い男をどのように捉えるか、
個人的には「なかなか決められない」「失敗を恐れる」慎重な人間、という印象で、
それが例えば二つに割った饅頭のどちらを食べるか、とか、
火玉が入ったのをすぐに注意せず、怒らないかを確認する、とか。
無論「反射神経の鈍い奴」の側面もあるだろうが、
このあたりのベースがあり、結果科白のスピードが落ちたり、
間が空いたりすることで表現するのでは、と思う。

入ってきてなかなか履物を脱げない、
饅頭のどちらが大きいか見比べてなかなか食べない、なんてのは良かった。
お茶を飲む際の猫舌の様子は少し繰り返し過ぎかな。
饅頭で口の中が甘くなったときに、饅頭を食べ続けるかお茶を飲むか迷う、
なんて加薬はあっても良かったかも知れない。

気の短い男の火玉が懐に飛び込んだのに対して、
気の長い男が言おうか言うまいか迷う様子を見せる。
「その着物は誂えたのか」と気の長い男が訊くのだが、
それに対して気の短い男が袖口を摘んで広げて見せると、
このタイミングで火球が入っていることに気付くのでは?と一瞬感じてしまった。
まあ、煙が出てくるのはさらに話を進めた時であり、
袖口を摘んで広げて見せた際にはまだ煙が上がっていなかった、
というのは一つの整理かもしれないが。
「とも切れ」の話まですると少しクドくなるかな、と思ったのだが、
「だからとも切れがあるか聞いたのか」と怒る気の短い男にウケが来たから
良くハマッたのだと思う。

「長短」の後、軽く「こうもり」という踊り。
昔、馬桜で見たかも知れない。
ごくシャレたもの。


「どうらんの幸助」(南天):○-

生喬の、奥さんとの馴れ初め話。
普通に喋ってきっちり面白い話。

ネタは、1月末に見た時よりも整理されていた。
今回も上下が狂ったり、科白を飛ばして後に戻る
(長右衛門の年齢を尋ねるところなど)部分は散見されたが、
リズム良く進んでいた。
「いさかえ」は一度言っていただけで特に強調せず。
個人的にはこの方が聞き易い。

おやっさんの背が低い、というのが全体にあり、
喧嘩を止める場面、稽古屋の中を覗けないところに入れていた。
あと、やはり喧嘩の場面の本気度合い、
店に上がってのアホの説明の訳の分からなさは良い。
ただここは1月に聞いた時の方が、
無秩序な話の混じり具合で面白かったような気がする。

稽古屋のお師匠さんが恐過ぎるのだが、
「わてここ嫌いでんねん」でさっと落とすためには仕方ないのかなあ。
ちょっと引いてしまうところがあった。
歌木さんの「親じゃわやい」は最初はそれでも上手くなく、
徐々に上手く聞かせていくんやね。

「三十石」と「汽車」の話、ないに越したことはない、という感覚があるのだが、
伏見に着いて道案内の人(当然お半長右衛門を知っている)に
「大阪の人は面白い人」と背中をどやされる
(後で帯屋で繰り返しがある)場面を入れると、
まあ、三十石でやってくる設定にしても良いのかな、と思う。

帯屋で番頭に絡み、
実際に出てきたお内儀を「お絹さん」と呼んで手を握り、
入ってきた客を「お登勢」と思って首を絞め、
その息子(これも客)を「儀兵衛」と思って絡むとどつかれる。
「儀兵衛」まで登場させるのは初めて見た。
うーん、かなり誇張して面白くやっているのだが、
割木屋のおやっさんの年齢や
「店の者を4,5人も使う」主人である、という格、
といったことはあまり気にしていないのだろう、と思う。
個人的にはおやっさんよりも、
浄瑠璃を知らないおやっさんに振り回されて
首を絞められたり客を返されたりしてしまう側に感情移入してしまい、
「難儀で嫌なおやっさんやな」と感じてしまうところがあったので、
あまり心から楽しめなかった。
まあそれを言うと、このネタを面白がるのは無理なんだけどねえ。


対談「夕焼け日記」(生喬・南天)

昔住んでいたアパートでの思い出話。
近所の人や、自分たちの生活のことなど。
世に出る前の青春時代に住んでいた場所、ということで、
「まんが道」に対する「らくご道」に合っている内容かな。

最後は大阪締めで。
説明も練習もなしできっちり合う、という客層でした。

ワッハが閉鎖してしまうのでいったん休むが、
良い会場があればまた再開される様子。
それも楽しみ、ではある。
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