◆春日地区◆
こんにちは。今年度の市民レポーター、「かずさん」こと武田和巳(67才)です。
私は“健康のために甲府の街を散歩しながら、新しい発見をする”を目標に、
市のホームページに掲載されている『甲府市ウォーキングマップ』を見ながら31地区のコースを歩き、中高年の立場で各コースを紹介していきます。
・vol.1<東地区Aコース> ・vol.2<千塚地区北側コース> ・vol.3<大里地区アイメッセコース>
・vol.4<里垣地区西コース> ・vol.5<住吉地区全周コース> ・vol.6<玉諸地区>
・vol.7<北新地区> ・vol.8<湯田地区> ・番外編1<「米倉山太陽光発電所」と「ゆめソーラー館やまなし」>
****コースの紹介****
第9回は、<春日地区>です。
~春日地区~
明治6(1873)年に山梨県の権令(地方長官五等官=現在の知事)、翌年県令(地方長官四等官)となった藤村紫朗氏は、新時代にふさわしい県都甲府の街づくりをめざして甲府城の旧城郭内を市街地として整備し、春日町はじめ、桜町、錦町、常磐町、紅梅町、橘町といった新しい町ができました。それらの町は、昭和37(1962)年の町名変更(住居表示)で“丸の内”、“中央”という地名に変わり、現在の春日地区が誕生。旧町名は、今も自治会名として残っています。
藤村紫朗氏については、「藤村記念館」を参照ください
http://www.kitagucchi.com/fujimura.html
『甲府市ウォーキングマップ』p32に掲載
今回は、なんと『山梨日日新聞』社の取材を受けながらの散歩でした。
2020年9月25日(金)の紙面に取材のようすが掲載されたので、ぜひご覧ください!
①2020年9月11日、「中央公園」からスタートしました。
マップと飲み物を持っていざ出発!!
②平和通りを甲府駅方面に向かいます。官公庁街です。
「裁判所」、「甲府警察署」の前を通り、「甲府市役所」手前の交差点を右折し城東通りに入ります。
現在の甲府市庁舎は5代目で、平成25(2013)年から使用されています。
明治22(1889)年に建てられた初代庁舎は、藤村式建築の洋風木造2階建てだったそうです。
(初代甲府市長は若尾逸平氏。ちなみに10月17日は市制施行記念日で、今年で131周年を迎えます!)
③城東通りを東に向かい、途中、左側にあるオリオン通り(山梨中央銀行本店と岡島百貨店の間)に入ります。
④オリオンスクエアのアーケード手前で左折し、紅梅通りに入ります。
⑤紅梅通りを平和通りに向かって進みます。
⑥平和通り(甲府市役所の北側)に出たら、右折し、甲府駅をめざします。
「山梨県庁(防災新館や山梨県議会議事堂)」の前を通り、駅前ロータリーを、右手に、道なりに進みます。
⑦舞鶴城公園の標識が建つY字路に出たら、右側の道を進みます。
(舞鶴城の稲荷櫓<いなりやぐら>は左の道へ)
⑧旧山交百貨店裏のT字路に出たら、鋭角に左折し、「内松陰門(うちまつかげもん)」から城内に入ります。
⑨内松陰門をくぐったら右に曲がり、自由広場の方へ進みます。
程なく歩くと、右手に「武徳殿(山梨県警察本部道場)」という立派な建物があります。
屋根には「鯱瓦」が、軒丸瓦には「武」の文字が見られました。
自由広場に向かって階段を下りていきます。
手入れの行き届いた日本庭園を通り、自由広場に出ます。
※『広報こうふ』2019年6月号と、2019年5月のブログで、市民レポーターの三井さんが舞鶴城公園の見どころを紹介しています。
⑩舞鶴城内に掛かる「遊亀橋」を渡り、すぐに左折します。
数十メートル歩くと、お堀側に「庄城稲荷大明神」が現れます。
庄城稲荷大明神は、約800年前、一条小山(舞鶴城公園)に館を築いた甲斐源氏の一条忠頼が、守護神として祀ったお社だそうです。祀られた当初は城内にありました。
⑪桜町通りに出たら右折。あとはまっすぐ南下します。
⑫「桜通り中」の信号を渡り、さらに進みます。
ここから先の桜町通りや城東通りの商店街は、約100年の歴史があり、有名な老舗店が並んでいました。お店については、“見所紹介2”で紹介します。
⑬さらに進みます(途中、銀座通りを横切ります)。
⑭旧甲州街道に出たら右折。相生歩道橋に向かいます。
⑮平和通りに出たら、相生歩道橋を右折します。
「日本銀行甲府支店」を通り過ぎたら、「中央公園」にGOAL!
**** 見所紹介1 「裏春日」、「弁天通り」の飲食歓楽街 ****
この界隈は、甲府の“新宿歌舞伎町”になるのでしょうか?
**** 見所紹介2 100年の歴史を誇る老舗街 ****
私の調べた範囲ですが、岡島百貨店付近および桜町通りを旧甲州街道方向に向かった商店街には、今も続く創業100年クラスの老舗がたくさんありました。いずれのお店も1945年7月6日の甲府空襲で全焼しましたが、再建し今日に至ります。
- 城東通り(コリドときわ町)
むかわ靴店…元禄時代(1688年)以降の質屋業から続く
岡島百貨店…天保14(1843)年、茶商から継続。昭和11(1936)年創業
凮月堂…明治27(1894)年創業
澤田屋…明治31(1898)年創業
武藤呉服店…大正9(1920)年創業
フカサワ宝石…大正9(1920)年創業
- 桜町通り(コリドさくら町)
三枝豆店…明治36(1903)年創業
早川ベーカリー…昭和4(1929)年創業
河野スポーツ…昭和23(1948)年創業
若荒井…創業100余年
- 桜通り近くの旧甲州街道
手打ちそば奥村本店…江戸寛文年間(1661年以降)創業
- 銀座通り
松林軒豊嶋家…天保5(1834)年創業
- エル西銀座
そば処奥義…大正10(1921)年創業
老舗各店舗の写真です。
**** コースのお楽しみ紹介 ****
桜町通りにある老舗の豆菓子店「三枝豆店」に伺い、4代目の三枝正明社長にお話を伺いました。店内には1,000種類のつまみや豆菓子が所狭しに陳列されています。100年近く続く秘訣は、「成功の秘訣は“変わる”こと」とのこと。日夜、息子さんと新商品の開発に余念がないそうです。
社長さんは気さくな方で、弁天通りや裏春日にあるおすすめのお店を数軒紹介してくれたほか、とっておきの情報を教えてくださいました。
三枝社長の話によると、世界的に人気のキャラクター“ハローキティ”でおなじみ、株式会社サンリオの創業者で現在代表取締役会長の辻慎太郎さんの生家が三枝豆店の向かいにあり、甲府空襲で焼失するまで住んでいたそう。昭和初期の地図を見せていただくと、確かに「辻 弥蔵」と記載されていました。今は別のお店になっていますが、キティちゃんの生みの親が生まれ育った場所、ここはまさに“聖地”ですね。
(ちなみに「サンリオ」の社名は、スペイン語の「聖なる河」を表す「San Rio」に由来するとされていますが、「山梨王(サンリオウ)」とか「山梨オゥ!(サンリオゥ)」から「サンリオ」になったとの俗説もあるようです)
以下の地図は、三枝豆店社長さんにいただきました。甲府の歴史を知る貴重な地図です。
**** コースの感想 ****
<春日地区コース>は、甲府駅前の地区なので官公庁の多いエリアでした。散歩コースだけでは4,800歩ですが、舞鶴城公園内での寄り道や、裏春日、エル銀座通りを散策したので、合計8,000歩になり大満足。舞鶴城公園の観光スポットのほか、「城東通り(コリドときわ町)」や「桜町通り(コリドさくら町)」の商店街には創業100年クラスの老舗が多くあることに驚きました。区画化された通りには趣のある名前が付いていて、聞きなれた通りがたくさんありますが、今回の街散歩で「通りの名称」と「通り」がやっと一致しました。
今回街散歩をして春日地区について調べたら、甲府市の発展を担った商業街が多いことや、世界的な実業家を輩出した地域だと知った街散歩でした。
最後に、今回紙面で取り上げていただいた山梨日日新聞社様に感謝いたします。これからも甲府市各地区を街散歩し、見所などをブログで紹介していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
****【かずさんの 勝手に5段階評価☆】****
※トイレ、駐車場は、必ず施設の許可を得てから使用してください
甲府市ウォーキングマップ
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenkoese/kenko/kenko/kehatsu/walking.html
<参考>
『こうふ 私の地域・歴史探訪 ~甲府を紐解く31地区の軌跡~』
https://kofu-tourism.com/news/77
甲府城について(甲府市観光課)
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/welcome/rekishi/kofujyou.html
舞鶴城公園のみどころ2(「富士の国やまなし」やまなし観光推進機構)https://www.yamanashi-kankou.jp/history/koufujo/midokoro2.html
武徳殿について(KOFU500 Heritaging)
https://kofu500.theblog.me/posts/6715663/