スコット・ヘイワード…2043年3/23生まれ、15歳、A型、ジェイナスのキャプテン。(↑)
最年長という事で嫌々リーダーを任されるも、次第にキャプテンシーが覚醒、皆から信頼される様になる。
思うに登場キャラ中最も成長したのは彼じゃないかと。
生真面目で神経質で悲観的な性格から、出会った当初はケンツやバーツと対立したりもした。
クレアとは幼馴染の関係で、物語後半はまるで夫婦みたくなっていた。
しかしスタッフの対談記事を読むと、「クレアにふられてルチーナに求婚する」エピソードも考えられていたらしい。(笑)
「『大きくなったら結婚しようね』って、スコットが約束するんですよ(笑)」
「ちょっと待って!ルチーナが大きくなったらクレアになっちゃうよ!」
「描いた人(キャラデザ)が言ってるよ(笑)」
「だからドラマになるんですよ!それで大きくなったルチーナが、『貴方は私にクレアの影を見てるのね!』っつって…(笑)」
キャラデザを担当した芦田氏曰く、「奴の悲鳴は絶品だね(笑)」…良くも悪くも愛されてたらしい。(笑)
ファンの間でも最初は人気が無かったが、21話が放送されて以来鰻上り…以前公式サイトで行われた人気投票では、3位に着いててビックリした。
・第19話「もう一つの戦争、ジェイナスの小さなママ」脚本○ 演出○ 作画△ 総合○
ベルウィック星軌道を離脱して10日目になり、異星人の通信も傍受出来る様になった。
それはジェイナスが敵の勢力圏内に入りつつ有る事を示している。
そんな折ジェイナスの行く手に敵の飛行物体が観測され、緊張が高まった。
出撃しようとするロディとバーツ、だがスコットが引き止める、飛行物体はジェイナスに相対速度を合わせ、見かけ上静止して居た。
そのまま攻撃して来る気配を見せない、敵の不気味な行動に不安を募らせるブリッジ。
マ「あたいさァ、こういうの1番嫌なんだァ!来るんだか来ないんだか煮え切らなくってさァ!」
緊張が続いて疲れてるクルーを慮り、一時警戒態勢を解除するスコット。
ロディの提案を聞入れ交替で休む事を決めるも、責任感の強いスコットは引き続きブリッジに残った。
一方女子の中で最年長のクレアは、幼いマルロとルチーナの世話をしていた。
早く眠るよう諭すも、彼女を母親代りに思う2人は、甘えて離してくれない。
ブリッジの仕事が待ってる彼女は心中困り果てていた。
何とか2人を寝かせて駆け付けるクレア、しかし不安を感じて起きたマルロ&ルチーナが、彼女を追って来てしまう。
敵との睨み合いにピリピリしていたスコットは、ブリッジに入って来た幼い2人に激昂、監督不行き届きだとクレアに当り散らす。
「早く寝かし付けて仕事を手伝え」と言われた上、全員に温かい飲物を持って来るよう要求された彼女は、抑え難い怒りを胸に2人を連れてブリッジを出るのだった。
それでも彼の命令通り2人を寝かし付けた後、食堂で飲物を用意してた所、おねしょをしてしまったマルロが泣きながら現れる。
そこへタイミング悪く現れる他の女子(+フレッド)、中でもシャロンがおねしょをしたマルロをからかった事で、遂にクレアの怒りメーターが振り切れてしまう。
「笑い事じゃないわよ!!私の身にもなってちょうだい!!子供達の替えの下着はもう1枚しか無いのよ!!」
ヒステリックに叫ぶ彼女に唖然とした一同は、後でブリッジに交替で入る時、彼女の様子がおかしい事をスコットに話す。
シ「『私の身にもなってちょうだい!!』――ってこうだもんねェ~!」
その頃クレアは洗面所で、マルロが汚した服を洗っていた。
そこへルチーナが「マルロが赤い顔して苦しそう」と伝えに来る、だが不機嫌極まってた彼女は「恐い夢でも見たんでしょう」と素っ気無く応対してしまう。
「早く寝なさい!!」と厳しく叱られ、べそを掻いて部屋に戻るルチーナ…その姿を見ながらクレアは「私の方が泣きたいくらいよ…」と零すのだった。
そこへ泣きっ面に蜂でスコットから呼出が掛かる、「くだらない事は後回しにして早く来てくれ!」と怒鳴られ、再び堪忍袋の緒を切らすクレア。
その頃ブリッジではスコットとロディが、思い切って攻撃に出るか否かを討論していた。
ロディは「試しに打って出よう」と唱える、スコットは「いや待て、罠かも」と引止める。
侃々諤々意見を戦わしてたそこへ、ブチ切れたクレアがやって来た。
「私だって好きでやってる訳じゃない!!あの子達が懐いて来るから仕方なくママをやってるだけ!!なのにあれもこれもなんて…もう沢山よォ!!」
言うだけ言って去って行くクレアを、スコットは唖然として見送るのだった。
洗濯に戻ったクレアは、優しかった母親の事を、泣きながら思い返していた。
スコット達男の子に髪型の事を笑われ、大好きなママに抱き付いたあの日…戦争さえ起らなければママの傍に居て、甘えていられたのに…。
思い出の中のママが優しく笑う、「貴女の髪型は、貴女の笑顔に似合う様切ったものよ。泣き顔なんかには似合わないわ…だから笑って」。
思い出に耽っていた彼女の耳に水音が届く、不審を感じたクレアが窺ったそこには、タオルを濡らすルチーナの姿が在った。
驚いて事情を訊いた彼女は、マルロが熱を出したのを知る。
自分が怒った為にルチーナは独りで看病を……その事に気付いた彼女は深く悔んだ。
一方討論の結果、攻撃する策を選んだブリッジは、ロディとバーツを出撃させ、敵の出方を探った。
或る範囲まで離れた所でロディが突いてみる、すると敵は突如攻撃を開始した。
応戦する一方、探査ロケットを飛ばすブリッジ、敵の何機かがそれを追う。
撃ち落される瞬間、探査ロケットは敵の中継ステーションを捉えた。
この先戦いが避けられない事を覚り、スコットの胸に不安が渦巻く。
その頃クレアは自分が傍に居る事に安心し、大人しく眠る幼い2人の寝顔を見ながら、この船のママになる決意をするのだった……。
(感想)…★は付けてませんが、私はこの話良く出来てると思う。(←じゃ付けろよ)
「訳を知った皆が親身になり助けてあげる」パターンが多い所を、敢えてそんな展開にしなかった制作陣を褒めたい。
クレアが不満を持ちながらも、己の役目を担う決意をする話。
他の子供達は終いまでそれを知らないんですよ…けど悩みってそういうもんだと思う。
話を聞き慰めてはあげられても、理解して解消してやる事は出来ない。
ママに甘えたいのは自分もだけど、でもしょうがない、私はこの子達の中で1番のお姉ちゃんなんだから…そんな風に彼女が思うまでの成長物語なのですよ。
しかし観ていて兼業主婦の悲哀がひしひしと伝わって来るな~、クレアに甘えるスコットの姿は物の見事に旦那の「それ」だもの。(笑)
もっともスタッフは当初、この2人をカップルにする予定は無かったんではと。
始めは「ヒーローはヒロインと結ばれる鉄則(←この頃は未だ有った)」に則り、クレアはロディとカップルになる案も有ったんじゃないかな?
その根拠に原作者の星山氏はロディとクレアが恋人同士っつうパラレル小説を書いており、ビデオのおまけのパラレルミニ短編ではカチュアを加えたトライアングル関係を描いとった。(笑)
スコット役を演じてた鳥海勝美氏も、クレアは最終的にスコットをふって、ロディと恋仲になるんだと考えてたらしい。(←おいおい)
だが結局そうはならずクレアはスコットと纏まる形に…話が展開してく内、無理を感じて諦めたのかも。(笑)
それとクレアがヒロイン降格したってのも大きい…この件についてはまた改めて。
この回惜しむらくは作画、担当したアニメーターさんの絵は良く言えば個性的で直ぐ判る、てゆーかテロップ確認した限り原画を独りで描いてるもよう…だとしてむしろ褒めるべきかも。(汗)
★第20話「立てスコット!リーダーはきみだ」脚本○ 演出○ 作画△ 総合○
ジェイナスがタウト星に辿り着く為には、前方に立ち塞がる中継ステーションを突破しなければならない。
加えて突如敵が開始した不正確なビーム攻撃も有り、スコットの苛々は頂点に達していた。
「いっそ先手を打ってステーションを爆破しちまおう」とロディやバーツが進言するも、慎重派のスコットは「危険が多過ぎる」と首を横に振る。
彼を納得させる目的でステーション爆破のシミュレーションを行うロディとバーツ、作戦に加わるケンツとマキ。
出た結果は納得させるに不十分だったが、スコットに見せようと携えて来る4人。
だが碌に眠らず居たスコットの精神と体はボロボロで、とても話が聞ける状態ではなかった。
苛立ちを剥き出しにして喚くスコット、「皆どうして勝手な真似ばかりするんだ!!どうして僕の言葉を聞いてくれないんだ!!」、唖然とする皆の前で、彼は遂に倒れてしまう。
原因は過労から来る発熱だった、直ぐに医療室へ運ばれ、安静に寝かされるスコット。
ロディとバーツはクルーの中で最も冷静なカチュアにキャプテン代理を頼み、中継ステーションヘの攻撃を開始する。
ステーションの破壊には成功したものの、その帰路に敵軍から猛攻撃を受け、苦戦する作戦チーム。
不慣れなカチュアの指揮が、戦況を更に混乱させる。
その頃医療室で目を覚ましたスコットは、泣きながら心情を吐露していた。
「皆が好きなんだ…もう誰も死なせたくない…!」、彼の思いを聞いて宥めるクレア、「もう少し休んだ方が良い」…しかしそこへ危険な戦況を伝える放送が入る。
カチュアの指揮を耳に入れたスコットは、直ぐにブリッジへ駆け付け、替って指揮を取る。
彼の活躍のお陰で無事危機を回避出来たロディ達は、ヘトヘトに疲れて帰還した。
「今回ばかりは駄目かと思った…」、呟くロディとバーツの前に、2人を出迎えるスコットの姿。
「無事で良かった…だが『他に策が無かった』なんて言わないでくれよ!僕はこんな危険な作戦、二度とゴメンだからな!」
その言葉を聞いた2人は、やはりスコットこそリーダーに相応しいと再確認する。
その頃ブリッジに居るカチュアは、戦闘中カーゴルームから妙な波が出てるのに気付いた事を、スコットに至急知らせるべきか悩んでいた。
察したシャロンが呑気に声を掛ける。
「気にすんなよ、今の所害は無ェんだし♪」
(感想)…此処で物語最初から敷き続けた1つの伏線が漸く解消されました。(笑)
始めは最年長ってだけでリーダーに任ぜられるも、今一馴染めずに居たスコットが皆から認められるようなったのに感動。
先ず皆の命を最優先にして考える…だから彼はリーダーに相応しいんだと。
その事を再確認して以来、バーツが彼相手に一歩退がる様なるんですよ。
結果やっと年長男組3人が結束するという…まぁそれには次の話も影響してるんですが。(笑)
他地味に気に入ったのがシャロンの言い様。
キャプテン代理に任ぜられるも自信が無いカチュアは指示が出せず、苛立ったバーツからハッチを開けろと言われ、
シ「『ハッチを開けろ』だと。どうする?キャプテン代理!」
バ「早く開けろォ!!」
シ「はいはい~♪――開けちゃったよ、キャプテン代理!」
…最後の台詞も含めて、ホント好い性格しとるわ。(笑)
★第21話「敵ビーム波状攻撃?僕たちに明日はある」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
中継ステーションを撃破してから3日後、敵の不正確な遠距離ビーム攻撃は相変らず続いていた。
カチュアは「例のカーゴルームから出ている、謎のエクストラ力線が関係しているのでは」とスコットに話す。
ビーム攻撃はエクストラ力線が確認されたのと同時に始まってるというのが、彼女の見解だった。
その頃RVの整備を終えたバーツとロディはバスルームでシャワーを浴びていた。
だが一緒に整備していたケンツは何故か入って来ず、誰も居なくなってから浴びようとするのを見て2人は不思議に思う。
ロ「そういやあいつ、今迄俺達と入ろうとしないな」
バ「尻尾でも生えてるとか♪」
少年2人笑って交わした冗談を、洗濯しに来たシャロンとペンチが真に受ける。
興味を持った少女2人はケンツの風呂を覗き、尻尾が生えてるかを確認しようと企んだ。
シ「なんだ、あいつのちっちぇーな」
ペ「あ…あれ尻尾じゃないわよ!(赤面)」
――とその時、敵ビームが掠って船体が揺れた。
慌てて風呂から飛出すケンツ、その時覗いてた乙女2人は見てしまう。
ケンツの秘密…それは尻尾ではなく、未だ尻に青痣が有る事だった。
その頃スコット・カチュア・ジミーは、カーゴルームから発するエクストラ力線を調査していた、そこへバーツとロディも加わる。
ジミーが言った、「この前と遺跡の様子が違っている」と…不思議にも遺跡の周りに生えてた筈の苔は枯れていた。
スコットが調査した結果、エクストラ力線は遺跡から放射されてる事が判明した、だが理由は結局判らず終い。
一旦お開きにしてブリッジに戻ると、ケンツが姿をくらました事で騒ぎになっていた。
斯く斯く然々訳を聞いたクレアは、「女の子が覗きなんてはしたない」と怒り、スコットも彼女に同調した。
ス「少しは他人の気持ちを考えろよ!誰だって知られたくない事が有るだろ!」
シ「だって他人の秘密って面白いじゃん!」
全く悪びれず言うシャロンを厳しく睨むスコット、その迫力に押され、流石の彼女もケンツに謝る事を約束する。
話はそこでビーム攻撃に移り、船外に出て外壁の調査をしたマキの報告から、当っても大して損傷を負わない事が判明した。
バ「またやられたら、ちょっとしたトラブルは有るかもしれねーぜ」
ス「トラブルって?」
バ「ドアが開かなくなるとか、そんな程度の故障だよ!」
取敢えずは一安心、そこへクレアから昼食の用意が出来たとの知らせを受け、食堂に集まる皆…だがケンツは姿を見せないままでいる。
此処に来て心配になったシャロンとペンチは探しに行こうとするが、「お前らだと却って喧嘩になる」とロディに止められ、彼に捜索を任せる事にした。
更にバーツとジミー、ペンチを気遣ってフレッドが捜しに向う――「大丈夫!ケンツの奴解ってくれるよ!」、ペンチを力付け出て来たフレッドは、尋ね人を倉庫の中で見付ける。
「皆心配してるから早く戻って来いよ」と告げるフレッドに、「倉庫に面白い物が有るから見に来いよ!」と誘うケンツ。
彼の言う面白い物――それは大量に積まれたエロ本だった――真っ赤になって慌てふためくフレッド。
ケ「いいか!?誰にも言うなよ!男と男の約束だぞ!!」
バ「ほほう、『男と男の約束』ねェ…」
そこへやって来たバーツに見付かり、事件は加速して転がり始める。
さて食堂に戻ったケンツは、皆の注目を浴びつつ、黙々と食事をしていた。
ペンチがお詫びの意味で自分の分を差出す、シャロンも謝りついでに慰める、だがその慰めは却って彼の怒りの炎に油を注いだ。
忽ち喧嘩になる2人、そこへジミーがケンツの腕を引っ張り、外へ連れ出す。
2人っきりの場でジミーは己の尻を見せた――そこにはケンツと同じく青い痣が――同じ痣を持つ者同士、固い友情の握手を交わすのだった。
一方食事を終えたバーツは、ロディを連れて倉庫へ向う、目的は勿論エロ本、「ほぅら、こういうの好きなんだろォ?」、「バ、バカ言え!」と否定するも、熱く滾る血潮は止められない、我を忘れてエロ本を読み耽る男2人。
一方フレッドから居場所を聞いたスコットは、倉庫へロディとバーツを捜しにやって来た。
スコットの声を聞いて慌てる2人、しかしバーツが或る企みを思い付く。
ス「お~~い!ロディーー!バー…………ツ」
彼が目を留めたそこには、1冊のエロ本が観音開きになって落ちていた。
すかさず前後左右確認、忍び足で駆け寄り、手に取って見る。
その光景を物陰に潜むロディ&バーツが、含み笑って観察していた。
気付かず読書に没頭し出すスコット、悪戯が成功して笑いながら出て行く2人。
――とそこへ第2の衝撃が船を襲った。
「いかん…ついうっかりしてしまった」
強震で正気に戻ったスコットは、ブリッジに戻ろうと出入口を振り返り気付いた――今の衝撃で扉が閉まって開かなくなった事に。
一方ブリッジに戻ったロディとバーツは、クレアからスコットの行方を知らないか尋ねられた。
ク「貴方達を捜しに出たのよ…会わなかった?」
バ「おい…!あいつまさか、あのまま……」
犯人2人ヒソヒソと話してるそこへ、件のスコットから連絡が入る。
曰く「ビームが当った衝撃で倉庫の扉が開かなくなり閉じ込められてしまった、ロディとバーツに助けに来るよう頼んでくれ!」…連絡を受けたクレアは、その妙に焦った口調と共に、何故2人に限定するのかを不審に思いつつ、指名された男達に伝えて救出に行って貰った。
その頃倉庫に閉じ込められたスコットは、2人が救出に向った事を聞き、ホッと安堵していた。
しかし手に持つエロ本に目が止った瞬間、このままでは非常にヤバイ事に気付く、慌てて振動で大量に転がったエロ本を隠してるそこへ、第3第4の衝撃が船を襲った――エロ本雪崩に埋められるスコット。
悲鳴を聞いて駆けつけたロディとバーツは、エロ本の山に囲まれ、ばつが悪そうに笑うスコットを発見した。
懸命に言い訳を考えるスコットに向い、姦計に嵌めた2人が笑って言う、「男の子、男の子!」――再びエロが結ぶ男の友情だった。
そこへ間の悪い事にシャロンがやって来る。
シ「へー!男は女の裸を見ても良いんだァ!」
「皆に言触らそう♪」とはしゃいで言うシャロンに、スコットが「内緒にしてくれ!」と必死で頼む。
意外にもシャロンは彼の懇願を聞き入れ、皆には黙ってる事を約束してくれた。
しかし以来スコットは、シャロンに弱みを握られ、苦労する破目に……。
(感想)…「バイファムで最も笑った話は?」と訊かれたら、恐らく1番に挙げられるだろう爆笑感動巨編。
「エクストラ力線」が話の本筋と見せ掛けて、その実「青尻」や「覗き」や「エロ本」が繋ぐ友情こそメインだという。(笑)
この話以降シャロンとペンチは仲良くつるむ様になった。
ジミーとケンツも和解し、特にケンツはジミーを気に入る様になった。
そしてロディとバーツとスコットの仲が固い絆で結ばれた。
親しくなるまでの経緯を知ってるからこそ、観ている方もキャラ同士の仲に納得出来るという。
奥深い演出に「天晴れ」を差し上げたい。
平野脚本で網野演出で芦田作監で、しかも原画に西島・渡辺、動画を近永・山内が担当…と来れば神回になるのも当然。(敬称略)
全編細かい所まで描かれていて楽しいったら。
挙げればバーツの珍しく下ろしてる前髪とか(シャワー浴びたから)、電車ごっこしたり床に落書きしたり(←後で叱られたと思われ)ウィンナーを巡って争ったりするマルロ&ルチーナとか、ケンツを捜しに出るまでのやり取りとか、ロディを誘って食堂を出て行くバーツを見るフレッドの焦点が合ってない目とか、エロ本を眺めるロディとバーツのリアル過ぎる表情とか…てゆーかあの本誰の所有物ですか?(笑)
聞いた話じゃあそこは本来艦長室で、つまりは艦長のコレクションだとか…あっさり殺された上、そんな疑いを掛けられる艦長があんまり可哀想です。(泣笑)
お色気担当のケイトさんが死んでしまい、潤いを求めたスタッフが考えた苦肉の策だったのでしょう、きっと。(笑)
ちなみにこの回でケンツが発掘した艦長服は、次回への伏線に活かされます。(細かいな~)
マルロとルチーナから「何でお尻が青いのか」訊かれ、マキが「きっとトマトと一緒なのよ。小さい頃は青いんだから!」と答えたのは名台詞だったと思う。
その後に言ったジミーへのフォローも含めて、この回のマキも地味に好い感じなのです。
しつこくもう1つ…倉庫でオルゴールを見付け、音色に聴き惚れるフレッド…何となく印象的で好いシーンに感じられた。
そんな訳で要必見!
最年長という事で嫌々リーダーを任されるも、次第にキャプテンシーが覚醒、皆から信頼される様になる。
思うに登場キャラ中最も成長したのは彼じゃないかと。
生真面目で神経質で悲観的な性格から、出会った当初はケンツやバーツと対立したりもした。
クレアとは幼馴染の関係で、物語後半はまるで夫婦みたくなっていた。
しかしスタッフの対談記事を読むと、「クレアにふられてルチーナに求婚する」エピソードも考えられていたらしい。(笑)
「『大きくなったら結婚しようね』って、スコットが約束するんですよ(笑)」
「ちょっと待って!ルチーナが大きくなったらクレアになっちゃうよ!」
「描いた人(キャラデザ)が言ってるよ(笑)」
「だからドラマになるんですよ!それで大きくなったルチーナが、『貴方は私にクレアの影を見てるのね!』っつって…(笑)」
キャラデザを担当した芦田氏曰く、「奴の悲鳴は絶品だね(笑)」…良くも悪くも愛されてたらしい。(笑)
ファンの間でも最初は人気が無かったが、21話が放送されて以来鰻上り…以前公式サイトで行われた人気投票では、3位に着いててビックリした。
・第19話「もう一つの戦争、ジェイナスの小さなママ」脚本○ 演出○ 作画△ 総合○
ベルウィック星軌道を離脱して10日目になり、異星人の通信も傍受出来る様になった。
それはジェイナスが敵の勢力圏内に入りつつ有る事を示している。
そんな折ジェイナスの行く手に敵の飛行物体が観測され、緊張が高まった。
出撃しようとするロディとバーツ、だがスコットが引き止める、飛行物体はジェイナスに相対速度を合わせ、見かけ上静止して居た。
そのまま攻撃して来る気配を見せない、敵の不気味な行動に不安を募らせるブリッジ。
マ「あたいさァ、こういうの1番嫌なんだァ!来るんだか来ないんだか煮え切らなくってさァ!」
緊張が続いて疲れてるクルーを慮り、一時警戒態勢を解除するスコット。
ロディの提案を聞入れ交替で休む事を決めるも、責任感の強いスコットは引き続きブリッジに残った。
一方女子の中で最年長のクレアは、幼いマルロとルチーナの世話をしていた。
早く眠るよう諭すも、彼女を母親代りに思う2人は、甘えて離してくれない。
ブリッジの仕事が待ってる彼女は心中困り果てていた。
何とか2人を寝かせて駆け付けるクレア、しかし不安を感じて起きたマルロ&ルチーナが、彼女を追って来てしまう。
敵との睨み合いにピリピリしていたスコットは、ブリッジに入って来た幼い2人に激昂、監督不行き届きだとクレアに当り散らす。
「早く寝かし付けて仕事を手伝え」と言われた上、全員に温かい飲物を持って来るよう要求された彼女は、抑え難い怒りを胸に2人を連れてブリッジを出るのだった。
それでも彼の命令通り2人を寝かし付けた後、食堂で飲物を用意してた所、おねしょをしてしまったマルロが泣きながら現れる。
そこへタイミング悪く現れる他の女子(+フレッド)、中でもシャロンがおねしょをしたマルロをからかった事で、遂にクレアの怒りメーターが振り切れてしまう。
「笑い事じゃないわよ!!私の身にもなってちょうだい!!子供達の替えの下着はもう1枚しか無いのよ!!」
ヒステリックに叫ぶ彼女に唖然とした一同は、後でブリッジに交替で入る時、彼女の様子がおかしい事をスコットに話す。
シ「『私の身にもなってちょうだい!!』――ってこうだもんねェ~!」
その頃クレアは洗面所で、マルロが汚した服を洗っていた。
そこへルチーナが「マルロが赤い顔して苦しそう」と伝えに来る、だが不機嫌極まってた彼女は「恐い夢でも見たんでしょう」と素っ気無く応対してしまう。
「早く寝なさい!!」と厳しく叱られ、べそを掻いて部屋に戻るルチーナ…その姿を見ながらクレアは「私の方が泣きたいくらいよ…」と零すのだった。
そこへ泣きっ面に蜂でスコットから呼出が掛かる、「くだらない事は後回しにして早く来てくれ!」と怒鳴られ、再び堪忍袋の緒を切らすクレア。
その頃ブリッジではスコットとロディが、思い切って攻撃に出るか否かを討論していた。
ロディは「試しに打って出よう」と唱える、スコットは「いや待て、罠かも」と引止める。
侃々諤々意見を戦わしてたそこへ、ブチ切れたクレアがやって来た。
「私だって好きでやってる訳じゃない!!あの子達が懐いて来るから仕方なくママをやってるだけ!!なのにあれもこれもなんて…もう沢山よォ!!」
言うだけ言って去って行くクレアを、スコットは唖然として見送るのだった。
洗濯に戻ったクレアは、優しかった母親の事を、泣きながら思い返していた。
スコット達男の子に髪型の事を笑われ、大好きなママに抱き付いたあの日…戦争さえ起らなければママの傍に居て、甘えていられたのに…。
思い出の中のママが優しく笑う、「貴女の髪型は、貴女の笑顔に似合う様切ったものよ。泣き顔なんかには似合わないわ…だから笑って」。
思い出に耽っていた彼女の耳に水音が届く、不審を感じたクレアが窺ったそこには、タオルを濡らすルチーナの姿が在った。
驚いて事情を訊いた彼女は、マルロが熱を出したのを知る。
自分が怒った為にルチーナは独りで看病を……その事に気付いた彼女は深く悔んだ。
一方討論の結果、攻撃する策を選んだブリッジは、ロディとバーツを出撃させ、敵の出方を探った。
或る範囲まで離れた所でロディが突いてみる、すると敵は突如攻撃を開始した。
応戦する一方、探査ロケットを飛ばすブリッジ、敵の何機かがそれを追う。
撃ち落される瞬間、探査ロケットは敵の中継ステーションを捉えた。
この先戦いが避けられない事を覚り、スコットの胸に不安が渦巻く。
その頃クレアは自分が傍に居る事に安心し、大人しく眠る幼い2人の寝顔を見ながら、この船のママになる決意をするのだった……。
(感想)…★は付けてませんが、私はこの話良く出来てると思う。(←じゃ付けろよ)
「訳を知った皆が親身になり助けてあげる」パターンが多い所を、敢えてそんな展開にしなかった制作陣を褒めたい。
クレアが不満を持ちながらも、己の役目を担う決意をする話。
他の子供達は終いまでそれを知らないんですよ…けど悩みってそういうもんだと思う。
話を聞き慰めてはあげられても、理解して解消してやる事は出来ない。
ママに甘えたいのは自分もだけど、でもしょうがない、私はこの子達の中で1番のお姉ちゃんなんだから…そんな風に彼女が思うまでの成長物語なのですよ。
しかし観ていて兼業主婦の悲哀がひしひしと伝わって来るな~、クレアに甘えるスコットの姿は物の見事に旦那の「それ」だもの。(笑)
もっともスタッフは当初、この2人をカップルにする予定は無かったんではと。
始めは「ヒーローはヒロインと結ばれる鉄則(←この頃は未だ有った)」に則り、クレアはロディとカップルになる案も有ったんじゃないかな?
その根拠に原作者の星山氏はロディとクレアが恋人同士っつうパラレル小説を書いており、ビデオのおまけのパラレルミニ短編ではカチュアを加えたトライアングル関係を描いとった。(笑)
スコット役を演じてた鳥海勝美氏も、クレアは最終的にスコットをふって、ロディと恋仲になるんだと考えてたらしい。(←おいおい)
だが結局そうはならずクレアはスコットと纏まる形に…話が展開してく内、無理を感じて諦めたのかも。(笑)
それとクレアがヒロイン降格したってのも大きい…この件についてはまた改めて。
この回惜しむらくは作画、担当したアニメーターさんの絵は良く言えば個性的で直ぐ判る、てゆーかテロップ確認した限り原画を独りで描いてるもよう…だとしてむしろ褒めるべきかも。(汗)
★第20話「立てスコット!リーダーはきみだ」脚本○ 演出○ 作画△ 総合○
ジェイナスがタウト星に辿り着く為には、前方に立ち塞がる中継ステーションを突破しなければならない。
加えて突如敵が開始した不正確なビーム攻撃も有り、スコットの苛々は頂点に達していた。
「いっそ先手を打ってステーションを爆破しちまおう」とロディやバーツが進言するも、慎重派のスコットは「危険が多過ぎる」と首を横に振る。
彼を納得させる目的でステーション爆破のシミュレーションを行うロディとバーツ、作戦に加わるケンツとマキ。
出た結果は納得させるに不十分だったが、スコットに見せようと携えて来る4人。
だが碌に眠らず居たスコットの精神と体はボロボロで、とても話が聞ける状態ではなかった。
苛立ちを剥き出しにして喚くスコット、「皆どうして勝手な真似ばかりするんだ!!どうして僕の言葉を聞いてくれないんだ!!」、唖然とする皆の前で、彼は遂に倒れてしまう。
原因は過労から来る発熱だった、直ぐに医療室へ運ばれ、安静に寝かされるスコット。
ロディとバーツはクルーの中で最も冷静なカチュアにキャプテン代理を頼み、中継ステーションヘの攻撃を開始する。
ステーションの破壊には成功したものの、その帰路に敵軍から猛攻撃を受け、苦戦する作戦チーム。
不慣れなカチュアの指揮が、戦況を更に混乱させる。
その頃医療室で目を覚ましたスコットは、泣きながら心情を吐露していた。
「皆が好きなんだ…もう誰も死なせたくない…!」、彼の思いを聞いて宥めるクレア、「もう少し休んだ方が良い」…しかしそこへ危険な戦況を伝える放送が入る。
カチュアの指揮を耳に入れたスコットは、直ぐにブリッジへ駆け付け、替って指揮を取る。
彼の活躍のお陰で無事危機を回避出来たロディ達は、ヘトヘトに疲れて帰還した。
「今回ばかりは駄目かと思った…」、呟くロディとバーツの前に、2人を出迎えるスコットの姿。
「無事で良かった…だが『他に策が無かった』なんて言わないでくれよ!僕はこんな危険な作戦、二度とゴメンだからな!」
その言葉を聞いた2人は、やはりスコットこそリーダーに相応しいと再確認する。
その頃ブリッジに居るカチュアは、戦闘中カーゴルームから妙な波が出てるのに気付いた事を、スコットに至急知らせるべきか悩んでいた。
察したシャロンが呑気に声を掛ける。
「気にすんなよ、今の所害は無ェんだし♪」
(感想)…此処で物語最初から敷き続けた1つの伏線が漸く解消されました。(笑)
始めは最年長ってだけでリーダーに任ぜられるも、今一馴染めずに居たスコットが皆から認められるようなったのに感動。
先ず皆の命を最優先にして考える…だから彼はリーダーに相応しいんだと。
その事を再確認して以来、バーツが彼相手に一歩退がる様なるんですよ。
結果やっと年長男組3人が結束するという…まぁそれには次の話も影響してるんですが。(笑)
他地味に気に入ったのがシャロンの言い様。
キャプテン代理に任ぜられるも自信が無いカチュアは指示が出せず、苛立ったバーツからハッチを開けろと言われ、
シ「『ハッチを開けろ』だと。どうする?キャプテン代理!」
バ「早く開けろォ!!」
シ「はいはい~♪――開けちゃったよ、キャプテン代理!」
…最後の台詞も含めて、ホント好い性格しとるわ。(笑)
★第21話「敵ビーム波状攻撃?僕たちに明日はある」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
中継ステーションを撃破してから3日後、敵の不正確な遠距離ビーム攻撃は相変らず続いていた。
カチュアは「例のカーゴルームから出ている、謎のエクストラ力線が関係しているのでは」とスコットに話す。
ビーム攻撃はエクストラ力線が確認されたのと同時に始まってるというのが、彼女の見解だった。
その頃RVの整備を終えたバーツとロディはバスルームでシャワーを浴びていた。
だが一緒に整備していたケンツは何故か入って来ず、誰も居なくなってから浴びようとするのを見て2人は不思議に思う。
ロ「そういやあいつ、今迄俺達と入ろうとしないな」
バ「尻尾でも生えてるとか♪」
少年2人笑って交わした冗談を、洗濯しに来たシャロンとペンチが真に受ける。
興味を持った少女2人はケンツの風呂を覗き、尻尾が生えてるかを確認しようと企んだ。
シ「なんだ、あいつのちっちぇーな」
ペ「あ…あれ尻尾じゃないわよ!(赤面)」
――とその時、敵ビームが掠って船体が揺れた。
慌てて風呂から飛出すケンツ、その時覗いてた乙女2人は見てしまう。
ケンツの秘密…それは尻尾ではなく、未だ尻に青痣が有る事だった。
その頃スコット・カチュア・ジミーは、カーゴルームから発するエクストラ力線を調査していた、そこへバーツとロディも加わる。
ジミーが言った、「この前と遺跡の様子が違っている」と…不思議にも遺跡の周りに生えてた筈の苔は枯れていた。
スコットが調査した結果、エクストラ力線は遺跡から放射されてる事が判明した、だが理由は結局判らず終い。
一旦お開きにしてブリッジに戻ると、ケンツが姿をくらました事で騒ぎになっていた。
斯く斯く然々訳を聞いたクレアは、「女の子が覗きなんてはしたない」と怒り、スコットも彼女に同調した。
ス「少しは他人の気持ちを考えろよ!誰だって知られたくない事が有るだろ!」
シ「だって他人の秘密って面白いじゃん!」
全く悪びれず言うシャロンを厳しく睨むスコット、その迫力に押され、流石の彼女もケンツに謝る事を約束する。
話はそこでビーム攻撃に移り、船外に出て外壁の調査をしたマキの報告から、当っても大して損傷を負わない事が判明した。
バ「またやられたら、ちょっとしたトラブルは有るかもしれねーぜ」
ス「トラブルって?」
バ「ドアが開かなくなるとか、そんな程度の故障だよ!」
取敢えずは一安心、そこへクレアから昼食の用意が出来たとの知らせを受け、食堂に集まる皆…だがケンツは姿を見せないままでいる。
此処に来て心配になったシャロンとペンチは探しに行こうとするが、「お前らだと却って喧嘩になる」とロディに止められ、彼に捜索を任せる事にした。
更にバーツとジミー、ペンチを気遣ってフレッドが捜しに向う――「大丈夫!ケンツの奴解ってくれるよ!」、ペンチを力付け出て来たフレッドは、尋ね人を倉庫の中で見付ける。
「皆心配してるから早く戻って来いよ」と告げるフレッドに、「倉庫に面白い物が有るから見に来いよ!」と誘うケンツ。
彼の言う面白い物――それは大量に積まれたエロ本だった――真っ赤になって慌てふためくフレッド。
ケ「いいか!?誰にも言うなよ!男と男の約束だぞ!!」
バ「ほほう、『男と男の約束』ねェ…」
そこへやって来たバーツに見付かり、事件は加速して転がり始める。
さて食堂に戻ったケンツは、皆の注目を浴びつつ、黙々と食事をしていた。
ペンチがお詫びの意味で自分の分を差出す、シャロンも謝りついでに慰める、だがその慰めは却って彼の怒りの炎に油を注いだ。
忽ち喧嘩になる2人、そこへジミーがケンツの腕を引っ張り、外へ連れ出す。
2人っきりの場でジミーは己の尻を見せた――そこにはケンツと同じく青い痣が――同じ痣を持つ者同士、固い友情の握手を交わすのだった。
一方食事を終えたバーツは、ロディを連れて倉庫へ向う、目的は勿論エロ本、「ほぅら、こういうの好きなんだろォ?」、「バ、バカ言え!」と否定するも、熱く滾る血潮は止められない、我を忘れてエロ本を読み耽る男2人。
一方フレッドから居場所を聞いたスコットは、倉庫へロディとバーツを捜しにやって来た。
スコットの声を聞いて慌てる2人、しかしバーツが或る企みを思い付く。
ス「お~~い!ロディーー!バー…………ツ」
彼が目を留めたそこには、1冊のエロ本が観音開きになって落ちていた。
すかさず前後左右確認、忍び足で駆け寄り、手に取って見る。
その光景を物陰に潜むロディ&バーツが、含み笑って観察していた。
気付かず読書に没頭し出すスコット、悪戯が成功して笑いながら出て行く2人。
――とそこへ第2の衝撃が船を襲った。
「いかん…ついうっかりしてしまった」
強震で正気に戻ったスコットは、ブリッジに戻ろうと出入口を振り返り気付いた――今の衝撃で扉が閉まって開かなくなった事に。
一方ブリッジに戻ったロディとバーツは、クレアからスコットの行方を知らないか尋ねられた。
ク「貴方達を捜しに出たのよ…会わなかった?」
バ「おい…!あいつまさか、あのまま……」
犯人2人ヒソヒソと話してるそこへ、件のスコットから連絡が入る。
曰く「ビームが当った衝撃で倉庫の扉が開かなくなり閉じ込められてしまった、ロディとバーツに助けに来るよう頼んでくれ!」…連絡を受けたクレアは、その妙に焦った口調と共に、何故2人に限定するのかを不審に思いつつ、指名された男達に伝えて救出に行って貰った。
その頃倉庫に閉じ込められたスコットは、2人が救出に向った事を聞き、ホッと安堵していた。
しかし手に持つエロ本に目が止った瞬間、このままでは非常にヤバイ事に気付く、慌てて振動で大量に転がったエロ本を隠してるそこへ、第3第4の衝撃が船を襲った――エロ本雪崩に埋められるスコット。
悲鳴を聞いて駆けつけたロディとバーツは、エロ本の山に囲まれ、ばつが悪そうに笑うスコットを発見した。
懸命に言い訳を考えるスコットに向い、姦計に嵌めた2人が笑って言う、「男の子、男の子!」――再びエロが結ぶ男の友情だった。
そこへ間の悪い事にシャロンがやって来る。
シ「へー!男は女の裸を見ても良いんだァ!」
「皆に言触らそう♪」とはしゃいで言うシャロンに、スコットが「内緒にしてくれ!」と必死で頼む。
意外にもシャロンは彼の懇願を聞き入れ、皆には黙ってる事を約束してくれた。
しかし以来スコットは、シャロンに弱みを握られ、苦労する破目に……。
(感想)…「バイファムで最も笑った話は?」と訊かれたら、恐らく1番に挙げられるだろう爆笑感動巨編。
「エクストラ力線」が話の本筋と見せ掛けて、その実「青尻」や「覗き」や「エロ本」が繋ぐ友情こそメインだという。(笑)
この話以降シャロンとペンチは仲良くつるむ様になった。
ジミーとケンツも和解し、特にケンツはジミーを気に入る様になった。
そしてロディとバーツとスコットの仲が固い絆で結ばれた。
親しくなるまでの経緯を知ってるからこそ、観ている方もキャラ同士の仲に納得出来るという。
奥深い演出に「天晴れ」を差し上げたい。
平野脚本で網野演出で芦田作監で、しかも原画に西島・渡辺、動画を近永・山内が担当…と来れば神回になるのも当然。(敬称略)
全編細かい所まで描かれていて楽しいったら。
挙げればバーツの珍しく下ろしてる前髪とか(シャワー浴びたから)、電車ごっこしたり床に落書きしたり(←後で叱られたと思われ)ウィンナーを巡って争ったりするマルロ&ルチーナとか、ケンツを捜しに出るまでのやり取りとか、ロディを誘って食堂を出て行くバーツを見るフレッドの焦点が合ってない目とか、エロ本を眺めるロディとバーツのリアル過ぎる表情とか…てゆーかあの本誰の所有物ですか?(笑)
聞いた話じゃあそこは本来艦長室で、つまりは艦長のコレクションだとか…あっさり殺された上、そんな疑いを掛けられる艦長があんまり可哀想です。(泣笑)
お色気担当のケイトさんが死んでしまい、潤いを求めたスタッフが考えた苦肉の策だったのでしょう、きっと。(笑)
ちなみにこの回でケンツが発掘した艦長服は、次回への伏線に活かされます。(細かいな~)
マルロとルチーナから「何でお尻が青いのか」訊かれ、マキが「きっとトマトと一緒なのよ。小さい頃は青いんだから!」と答えたのは名台詞だったと思う。
その後に言ったジミーへのフォローも含めて、この回のマキも地味に好い感じなのです。
しつこくもう1つ…倉庫でオルゴールを見付け、音色に聴き惚れるフレッド…何となく印象的で好いシーンに感じられた。
そんな訳で要必見!