秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷冬点描  暮らしの冬風景

2012年02月01日 | Weblog
深雪ふり興じてかまくら造りけり我と遊びし子等のなき里

さとびとは深雪のなかを物売りの車の来しを待つ日の長き

深々と寒き冬の夜ふろ沸かす薪火の音に情けありけり

さ夜更けて屋根の深雪はづり落ちし寝覚めて聞きし地響きの音


亡き母の昔かたぎや寒晒し

推敲に筆走らせて寒燈下

パソコンのマウスの音や寒燈下

梅津寺二輪咲きたり冬の梅








































久保に居た頃は、雪のふる日はのんびりしよう、朝寝、昼寝に夕寝に、ぼんやりふる雪眺めよう
積もった雪が夜中には轟音、地響き立てて屋根からずり落ちてゆっくり眠れません
朝になったらかき集め、かまくら作って遊びましょう、近所にゃ子等は居りませぬ
じいさん、ばあさん、たんと居る、話し相手に困りません、むかしの苦労話に花が咲き
日柄一日暮せます。

































冷蔵庫が空っぽになると、あとは近所からお裾分け、じいさん、ばあさんの
手づくり野菜がメーンになり、週に一度の移動コンビニを待つばかり
夕暮れ時には音楽鳴らして、やってきます、雪の日でも何時もの広場で店開き
近所の奥さんたち、財布片手に品定め、井戸端話しで賑やかです。















寒い冬には暖かい風呂が一番、ゆっくり暖まってじっくり熟睡、この至福のときを
過ごすには、準備万端何から何まで手作業で苦労します
街の暮らしじゃ、湯は勝手に沸いて、蛇口を捻りゃ湯船にいっぱい、ここではそうはいきません
引き水のホースを入り口から湯船に、溜まるまでに、たっぷり1時間あまり、時間はゆっくりと
流れます、水も時間に合わせてしわしわ流れます、それから薪火でしわしわ沸かせます
入れるまでに2時間ほど、やっとのことで至福のときを味わいます。
ときには、失敗することも、良い湯加減とばかり、裸になって入れば沸きすぎて入れません
水で埋めるに、裸で雪の戸外にある引き水のホースを引っ張ってきて埋めますが
しわしわ流れる水にはお手上げ、がたがた震えながら待ちます、埋まればホースを外に出し
まだあつければ引っ張ってきてと行ったり来たりで身も凍る
裸で彼方此方しても人に見られることもなし、なにしろ、近所といっても灯りの見える近所では
ありません、周りは真っ暗闇、ひと一人っ子居りません。