秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷早春点描  暮らしの春

2012年02月16日 | Weblog
二月をば半ばすぎ来し祖谷のさと春の兆しにさとびとうれし

春時雨ふり来るさとは温もりて雪げの速し高嶺ながめて

ぶなの木や雪間の見えて広ごりしいのち育み木々のよろこび

祖谷のさと寒さ防せぎし孤づつみ温もりありて幼な木そだつ


温もりを運んで来たり春時雨

雪解を広ごりをりて山太し

凍どけや雨の温もる大地かな

冱返ることも短き今日の宵

温もりを押しとどめをり冴え返る



見慣れない子

雪がふっていた、ただただ降っていた
あれ!気がつく、雨になったのかな 
薄ら寒い空から、明るい温もりの空

春時雨の音を、いつも聴いていた
いつもひとり、悲しみ喜びのおと
いつもすーと、土に吸い込まれた

いつもぼくは、こころをさがした
いつもぼくは、土を掘り起こした
見慣れない子、問うてみる名前は?

「ぼくは3.11生、セシューム137だよ
自然界にない、生みの親は原発だよ
生んでくれた、人間に孝行するんだ
世界のひとが、ぼくを愛してくれる
幼い子の身体に、入って一生懸命に
60年を働いて、幸せになるんだ」

春時雨の音は、ぼくを愕然とさせた
めまいとどうき、慌てて家に帰った
二歳半の孫の顔、あどけないねがお

春時雨の音を、聴いてぼくは何時か
身をゆだねて、そしていなくなる
人間が同じように、生んだ幼い子の
どちらが未来に、幸せになるのかな

















テラオ兄さん写真
















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