今回のは、問題文がかなり長いです。
少し検討してみました。以下は、10分ほどで考えた内容です。
設問1では、条件の附与の有無、認可基準として裁量権の有無を検討し、裁量権があることを前提として裁量権の逸脱濫用がないか、裁量としての範囲内の解釈などが考えられそうです。
条件の検討とするには、必要最小限か、不当な義務かも解釈を論ずる必要がありそうです。
さらに、認可の条件が、認可するに際し、認可した後の条件を付与するのか、認可をする前提の条件とするのかも明らかにする必要があると思います。
すなわち、認可後なのか、認可前なのかという意味です。おそらく通常は、前者だと思います。
また、保証は不要とする反論、他県では実施されていないところもあるとする反論もありそうです。
いずれにしても認可の要件として、保証証書の添付を付加したことへの可否を論ずる必要があります。
論じやすいのは、問題文にあるように、
採取計画と保証書が一体としているのであり、これは認可における専門技術的な裁量権の範囲、つまり、認可のために画一的かつ合理的に判断するために、保証書を求めているものであり、裁量権の範囲である、として、裁量基準を設けたのは適法である。
しかし、今回の事案では、資本金額や事業規模が大きく、経営状況の良好な会社であり、資金確保があるので、保証書は不要とすることが合理的であり、画一的に判断するのは裁量権の逸脱濫用である、と流してもいいと思います。
設問2は、条件とした場合は、条件に反すれば職権取消ができるのか、裁量権の範囲内とした場合には、保証が無くなった場合に職権取消ができるのかが問題になりそうです。前提として、設問1の拒否処分が適法なので、取り消しもできることを述べ、認可した後の取消しなどの処分ができるのかも述べる必要がありそうです。
さらに、候補の処分の要件が当てはまるかも考えつつ記述する必要がありそうです。つまり、いきなり取消しができるのか、とか、段階を踏む必要があるのか、とかです。
なお、緊急措置命令は、できなさそうですね。
設問3は、非申請型義務付け訴訟です。条文は行訴法3条6項1号、37条の2です。
メインは、原告適格で法律上の利益を有する者への当てはめがポイントです。行訴法37条の2第4項、5項、9条2項です。
「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り」もポイントです。
全体的には、例年通りの難易度だと思います。
国家賠償が出ると予想されていましたが、今年も出ませんでしたね。
補足(2014/06/29)
平成23年度の行政法では、モーターボード競争法第4条5項の「許可に期限又は条件を附することができる。」
とあり、この附款である「条件」をどう考えるかという問題もありました。設問2の要求措置、取消措置との関係です。
ただ、この文言に絡めるのは少数派だったと思います。
平成26年度の行政法では、採石法第33条の7第1項「第33条の認可(中略)には、条件を附することができる。」
とあり、
同法第33条の7第2項「前項の条件は、認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない」
とあることから、附款であり、認可の前提条件となるものと考えることもできますし、認可後の条件とも考えることができそうです。
少し検討してみました。以下は、10分ほどで考えた内容です。
設問1では、条件の附与の有無、認可基準として裁量権の有無を検討し、裁量権があることを前提として裁量権の逸脱濫用がないか、裁量としての範囲内の解釈などが考えられそうです。
条件の検討とするには、必要最小限か、不当な義務かも解釈を論ずる必要がありそうです。
さらに、認可の条件が、認可するに際し、認可した後の条件を付与するのか、認可をする前提の条件とするのかも明らかにする必要があると思います。
すなわち、認可後なのか、認可前なのかという意味です。おそらく通常は、前者だと思います。
また、保証は不要とする反論、他県では実施されていないところもあるとする反論もありそうです。
いずれにしても認可の要件として、保証証書の添付を付加したことへの可否を論ずる必要があります。
論じやすいのは、問題文にあるように、
採取計画と保証書が一体としているのであり、これは認可における専門技術的な裁量権の範囲、つまり、認可のために画一的かつ合理的に判断するために、保証書を求めているものであり、裁量権の範囲である、として、裁量基準を設けたのは適法である。
しかし、今回の事案では、資本金額や事業規模が大きく、経営状況の良好な会社であり、資金確保があるので、保証書は不要とすることが合理的であり、画一的に判断するのは裁量権の逸脱濫用である、と流してもいいと思います。
設問2は、条件とした場合は、条件に反すれば職権取消ができるのか、裁量権の範囲内とした場合には、保証が無くなった場合に職権取消ができるのかが問題になりそうです。前提として、設問1の拒否処分が適法なので、取り消しもできることを述べ、認可した後の取消しなどの処分ができるのかも述べる必要がありそうです。
さらに、候補の処分の要件が当てはまるかも考えつつ記述する必要がありそうです。つまり、いきなり取消しができるのか、とか、段階を踏む必要があるのか、とかです。
なお、緊急措置命令は、できなさそうですね。
設問3は、非申請型義務付け訴訟です。条文は行訴法3条6項1号、37条の2です。
メインは、原告適格で法律上の利益を有する者への当てはめがポイントです。行訴法37条の2第4項、5項、9条2項です。
「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り」もポイントです。
全体的には、例年通りの難易度だと思います。
国家賠償が出ると予想されていましたが、今年も出ませんでしたね。
補足(2014/06/29)
平成23年度の行政法では、モーターボード競争法第4条5項の「許可に期限又は条件を附することができる。」
とあり、この附款である「条件」をどう考えるかという問題もありました。設問2の要求措置、取消措置との関係です。
ただ、この文言に絡めるのは少数派だったと思います。
平成26年度の行政法では、採石法第33条の7第1項「第33条の認可(中略)には、条件を附することができる。」
とあり、
同法第33条の7第2項「前項の条件は、認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない」
とあることから、附款であり、認可の前提条件となるものと考えることもできますし、認可後の条件とも考えることができそうです。