ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

表現の自由への制約の言い回し

2013年02月22日 23時17分39秒 | 憲法
近時の最高裁判例でも絶対無制約とか言っていますね。


最高裁判例の事案での表現の自由への制約についての文言。

最高裁平成23年7月7日第一小法廷判決

【判示事項】
卒業式の開式直前に保護者らに対して大声で呼び掛けを行い、これを制止した教頭らに対して怒号するなどし、卒業式の円滑な遂行を妨げた行為をもって刑法234条の罪に問うことが、憲法21条1項に違反しないとされた事例


【裁判要旨】
 卒業式の開式直前に、式典会場である体育館において、主催者に無断で、保護者らに対して、国歌斉唱のときには着席してほしいなどと大声で呼び掛けを行い、これを制止した教頭らに対して怒号するなどし、その場を喧噪状態に陥れるなどして、卒業式の円滑な遂行に支障を生じさせた行為をもって、刑法234条の罪に問うことは、憲法21条1項に違反しない。
(補足意見がある。)

【抜粋】
「被告人Xがした行為の具体的態様は、上記のとおり、卒業式の開式直前という時期に、式典会場である体育館において、主催者に無断で、着席していた保護者らに対して大声で呼び掛けを行い、これを制止した教頭に対して怒号し、被告人Xに退場を求めた校長に対しても怒鳴り声を上げるなどし、粗野な言動でその場を喧噪状態に陥れるなどしたというものである。表現の自由は、民主主義社会において特に重要な権利として尊重されなければならないが、憲法21条1項も、表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであって、たとえ意見を外部に発表するための手段であっても、その手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されない。被告人Xの本件行為は、その場の状況にそぐわない不相当な態様で行われ、静穏な雰囲気の中で執り行われるべき卒業式の円滑な遂行に看過し得ない支障を生じさせたものであって、こうした行為が社会通念上許されず、違法性を欠くものでないことは明らかである。」