ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

器物損壊罪

2012年10月01日 22時48分27秒 | 刑法
刑法の演習書をやっているが、深い部分まで触れていました。



二人で金品を奪う目的で殺害、その後金品を奪った。
犯行発覚を恐れて腕時計を奪った。甲は乙に廃棄を依頼して去った。

依頼された乙は廃棄せずに後日質屋に売却。


廃棄をするために腕時計を奪った行為は何罪?



最初考えたのは、質屋に売ったから乙は遺失物等横領罪で、甲は抽象的事実の錯誤かと思ったが違うらしいです。

売った乙は詐欺罪。


持ち去った時に器物損壊罪が成立するか。


利用処分意思に欠けるから窃盗罪は成立しないか。

発覚を恐れて持ち去ったのは、利用処分意思とはいえないか。

経済用法に従った利用処分意思ならいえない。


また、器物損壊罪が成立すると、自己の犯罪の証拠の証拠隠滅は無罪との関係は?

保護法益が異なるから別問題。



遺失物等横領なら利欲犯であり責任が重いのに罪が軽く(1年以下)、器物損壊罪は効用を害したのに過ぎないが罪が重い(3年以下)のは不均衡ではないか。


器物損壊罪は、
占有侵害を伴う器物損壊と、
占有離脱物の損壊
が含まれ、占有を侵害し物の効用を害するのは遺失物等横領罪より不法が大きいが、占有離脱物の損壊は遺失物等横領罪の処断刑の上限は超えてはいけない。
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