ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

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事情判決の法理に思う (tpennt)
2013-03-27 09:39:53
東京高裁の判断に際して私のブログに記載したところです。以下引用します。

東京高裁の選挙無効訴訟での、違憲、請求棄却判決は大方の予想通りだろうが、相変わらずの違和感が残る。
 元をただせば、最高裁が事情判決の法理なる崇高な理論を持ち出して、選挙の効力を維持して以来37年間、いまだに解決しないままここまで来てしまったということは、そもそもその最高裁の判断が誤っていたんだと思わざるを得ない。
 公職選挙法は、219条1項で、行政事件訴訟法31条の事情判決の準用を排している。にもかかわらず、あるいはだからこそと言うべきか、事情判決の背後には崇高な理念が存在するとして、公職選挙法自体に規定はなく、行政事件訴訟法からの準用も排する明文の規定に反してでもそれを援用して、請求を棄却しているのだ。
 そのいうところは、たとえ選挙無効として再選挙を行っても、それは無効な議員定数配分規定に基づく違法なもので、いつまでたっても正当に選挙された議員により構成される議会が成立せず、無駄なだけで、混乱を招くだけで、公共の福祉に反する。主文で違法宣言したうえで請求を棄却するのだから、請求人勝訴であると同時に被請求人も現状維持できるという、立法府、行政府双方の顔を立てた三方一両損の大岡裁きのようなものだ。
 しかし、そんな多事考慮は極めて違法不当な判断で、裁判所の役割ではない。裁判所からすれば、行政府は、専門技術的なプロの集団だから秋波を送り、対する議会は、しょせん素人の集団に過ぎないから適当にあしらっておくとでも言うかのようだ。
 一票の格差が是正されない事態もありうるからこそ、事情判決といった政治的配慮を排してドラスティック判断が求められるところだ。奇しくも、公職選挙法は、事情判決の法理のさらにむこうにあるべき国の政治を見据えているかのようだ。

最高裁が見解を改めるのかわかりませんが、国家権力の一翼を担い、憲法秩序の維持という極めて重要な職責を負う裁判所にあっても、他人事のように怠慢を論うだけではすまされないように思うのですが。
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