仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

窓の外の灯りに照らされてⅤ

2008年06月06日 17時36分23秒 | Weblog
 その夜から二人は一つの布団で寝るようになった。家着のミサキがヒカルを出迎え、二人で風呂に入った。食事が終わると、どちらからでもなく明りを消して寄り添った。窓の外を眺め、触れ合い、時間の流れるのを感じた。ミサキは必ずヒカルの左側に座った。肩の重みを感じ、ゆっくりと掌を重ねるとミサキの掌から電気のような快感がヒカルの魂にまで届いた。ヒカルはミサキを抱きしめ、簡単な家着を脱がせた。ミサキもヒカルのパジャマを脱がせた。身体のすべての部分を触れ合った。時に快感はヒカル自身を征服の欲望に引き込んだ。しかし、身体を一つにすることはなかった。ミサキの唇が、右手が、舌先が、とろける様な快感をともなってヒカルを慰めた。その後の時間が好きだった。その営みは「ベース」の初期の行為に似ていた、不特定多数と関わるのではなく二人の行為ということ以外は。