つれづれに

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農薬入り餃子、どうして?

2008年02月01日 | Weblog
中国の工場で生産され、輸入された餃子などの食品による薬物中毒が発生したというニュースが、全国を駆け巡っています。

またかという思いと、急性薬物中毒という新しい事態への驚きが交錯します。

メタミドホスという神経系に作用するりん系の農薬による急性薬物中毒ですから、
これまで農作物に検出され、長期にわたって食べた時に被害が心配される抗生物質汚染というのとは、全く違っています。

それも状況的には、原材料の汚染ではなく、加工段階でのミスによる混入が考えられるようです。もしかすると袋についていたのではという可能性もあるようです。

普通、生産工程には、詳細なマニュアルが作られていて、それに従って生産していきます。
そのマニュアルがないということは考えにくいので、マニュアル無視か
勘違いがあった(これもマニュアルミスですが)のではないかと考えられます。
ただ餃子の生産過程にメタミドホスは必要でないでしょうから、どこにあったのか知りたいところです。

今回の事件に潜む問題点として

1.海外で生産される食品などについて、輸入する側の日本の会社には
検査する権限はないのでは。ーーつまり安全の確認ができないこと。

2.冷凍加工品が検査対象ではなかったために、水際ながら阻止するチャンスがなかったこと

3.中毒症が出てから、餃子の販売中止、注意喚起の情報が流れるまでの時間が適切だったかどうか。

4.原因についての納得いく検査結果が必要ですが、疑わしきはまずストップする場合の権限と責任(もし無実だった場合の損害補償など)の所在がはっきりしていない。

などが考えられます。

でも何より問題は、日本の農業が守られていないことだと思うのです。
今日本の農業は展望が持ちにくい状態で、後継者不足に悩まされています。
国は大規模化、企業農業を打ち出して、日本の小規模の家族内農業に支援の策をうちだしません。
主食のお米さえ、価格保障がなく、低下の一途をたどっているのです。
農産物全般しかりです。日本の食糧の自給率は40%と、きわめて低いのです。

日本は工業品の輸出でもうけた金で、農作物は輸入す入ればいいのだと豪語した政治家がいたのを思い出しました。名前が思い出せないのが残念ですが。

私たちは日本の農業を守ることと、低農薬・有機肥料でつくった安全でおいしい農作物を食べたいとの願いを結合して産直運動を続けてきました。
でもその分、価格は高いので家計的にはきびしくて、利用者を増やすのはなかなか厳しいものがあります。

安全なものは高くて仕方がないというだけではなく、日本の農産物を安価にする方策・支援策が必要だと痛感しています。

食べ物の安全は、命の安全につながるのですから。