象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

イヤ〜な親戚一同がやってきた〜真夜中の訪問者”その131”

2023年08月24日 05時27分27秒 | 真夜中の訪問者

 盆と正月という祝日は、子供の頃から私にとっては鬼門であった。特に、亡き母方の親戚は未だに天敵である。
 過去のブログでも何度も書いたが、ウクライナにとってロシアが天敵である様に、私にとっては(母が他界した今でも)母方の親戚は”運命の地雷”と言ってもいい程の存在である。

 子供の頃の私に、現代兵器のシャベリンやハイマースみたいな迎撃システムがあれば、迷いなく撃墜してるだろうが、多分奴らはそれをも掻い潜り、我が敷地に侵入したであろうか。
 いや、子供の私に優秀な弁護士がついてたら、奴らが100M以内に近づいた時点で”不法侵入”で逮捕するとか・・・
 奴らの冠婚葬祭での来訪、いや侵略は、映画「インベーダーズ」(2010)に登場するB級な作りの宇宙人を見てるみたいで、いつも嫌な思いをしたもんだ。

 昔も今も相変わらず嫌味しか口にしない奴らは、私にとっては永遠の悪夢でもあった。しかし亡き母は、それに関しては何も言わなかった。
 僅か5歳にも満たない幼い息子が親戚に虐められてると言うのに、イヤがってるのは明らかなのに、母は何にも言わなかった。
 大人になってその事を蒸し返すと、”貧しかったから仕方がなかった”と突っぱねるだけであった。

 という訳で、母が亡くなった時は”これで母方の親戚との付き合いはなくなる”と、ホッと胸を撫でおろしたものだが、その後も奇妙なトラブルは続いた。奴らは最初から私が嫌ってた事を見抜いてたのだ。
 とにかく奴らは、私が嫌がる所を徹底的についてくる。何かに理由を付けては、我が家の敷居を跨(また)ごうとする。 
 因みに、”嫌がらせ”は名誉毀損罪が成立し、3年以下の懲役または禁錮か50万円以下の罰金が科される可能性がある。
 親戚と言っても、度を過ぎた来訪や振る舞いは立派な犯罪です。皆さん気をつけましょうね。


インベーダーズ襲来

 今年の夏はやけにバカ暑いが、お袋が大切にしていた庭を、モルタルと2色の砂利を敷き詰め、百均ガーデンライトを絶妙にレイアウトし、日本庭園みたいに綺麗に整備した(ウソ)。お陰で、毎晩の様にその光景にウットリしながら独り晩酌をする。
 ”今年のお盆は1人でゆっくりできそうだ”など思いを巡らしてる内に、ウトウトと眠りに落ちた。

 目が覚めると、玄関を叩く音がする。
 ”今頃に誰だ”と思い、仕方なく玄関を開けた。
 何と目の前に現れたのは、亡き母方の親戚一同であった。”冗談だろぉ〜、こんな時間に・・”
 悪夢が現実になった瞬間である。

 私は目を疑った。こんな夜中に集団でズケズケとやってきて、皆同じ様に薄笑いを浮かべている。
 私は何とか冷静に振る舞おうと、”あぁ〜これも運命だ”と観念し、仕方なく奴らをお座敷の中へと招き入れた。
 10人ほどはいただろうか、奴らはインベーダーズの如く、ズケズケと我が家に侵入してきたのだ。

 開いたままの玄関を閉めようとした時、ある異変に気付いた。せっかく整備した庭が滅茶苦茶に荒らされてるではないか・・・
 私は激高した。
 ”お前ら不法侵入と器物破損で訴えるぞ!直ちにここから出ていけ!”
 しかし、奴らはヘナヘナと無機質な薄笑いを浮かべてるだけである。
 ”出ていかないと、警察を呼ぶぞ”
 それでも奴らは笑ったままでいる。
 ”こうなったら徹底抗戦だ”
 私は落ち着きを取り戻し、奴ら一人一人の顔を確認した。
 その中には見た事がある人もいたが、多くは見覚えのない人たちだった。少なくとも、これでもかとやってくる亡き母の嫌味な姉妹ではない。
 ”まさか、母の葬儀に参列できなかった人たちがここに集まってるのか・・・”

 怒りが少し後悔に変わった。
 奴らは亡き母に会いに来たのだ。
 私は慌てて、台所へ行き、お茶を入れた。
 ”先程は失礼しました。せっかくお参りして下さってるのに、犯罪者扱いしてしまって、身勝手をどうかお許し下さい”
 が、奴らの反応はなく、ただただ無表情な顔つきで笑ってるだけである。
 しかし、いくらお盆とはいえ、夜中に訪問するというのはどう判断すべきか?
 ”まさか・・・こいつらは幽霊か?・・・”
 その時、夢から覚めた。


お墓参り

 昨年10月のお袋の一周忌以来、久しぶりにお墓参りをした。”夕方は縁起が悪い”というが、昼は暑すぎるし、多く人で賑わってるだろうから、涼しくなりかけた夕方に出かける。
 しかしお盆だからか、夕方の6時過ぎでも来訪客で賑わっていた。
 霊園の一番隅にある我が家のお墓だが、単に砂利を敷いただけの敷地なので、長く放置すると結構な雑草が蔓延ってしまう。
 日本のお墓は西洋のそれとは異なり、どれもこれも殆ど同じ型であり、その没個性さにはウンザリする。こんなお墓の形を考えた日本人は知能が緩いと見るべきか。

 ただ、日本人は几帳面で綺麗好きなせいか、多くの人がお墓を丁寧に掃除していた。
 いつもなら掃除などをする事なく、線香を灯して、手の平を合わせるだけで帰るのだが、曇り気味で涼しかった事もあり、汚れてた墓石を掃除し、造花だが花を添えた。
 お墓にナンボの価値があるかは私には分からない。霊からすれば、単なる石の塊かもしれない。
 ただいつも思うのだが、お墓を掃除したり、お墓近くの雑草を取ったりすると不思議と心が和らぐのである。線香やローソクを灯しても何も思わないし何も感じない私だが、お墓にも魂が宿っていて、手の平で触れてやるとその魂も和らぐのだろうか。

 結局、お盆とて特別に何をする訳でもなかったが、今度からはお墓掃除だけは必須としよう。お布施や法要みたいに大したお金が掛かる訳でもないし、嫌な親戚を相手にする訳でもない。
 という事で、今年のお盆の変な体験でした。



2 コメント

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異人たちの夏 (HooRoo)
2023-08-24 17:44:53
お墓に手を触れると
魂を感じるって
転んだサンらしい感性よ

日本人って形式ばかり重視するから
故人の魂が軽視されがちだけど
両親もお兄さんも喜んでたんじゃないのかな

でもお盆の季節に
インベーダーズ襲来というのもユニークな表現かもね 
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Hooさん (象が転んだ)
2023-08-24 21:05:40
生理的にというか
お盆や墓参りなんていう
表面上の薄っぺらな行事が好きになれないんですよ。
これと言ってやる事もないし、結局は親戚中が集まって、暗に嫌味を言うだけ。
会話は盛り上がらないし、酒はまずい。

まさにB級映画に登場するインベーダーズみたいで、見ててウンザリする。
言われる通り、”異人たち”が集まる夏なんですよ。
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