「消防団はいらない(前編)」でも書いたが、私が消防団にいた頃はとても辛かった。最初の1年間はそこそこ居心地は良かったが、それ以降は最悪だった。
元々、田舎では嫌われ者だったから、余計に地元消防団の中では嫌われた。まるで、映画「ランボー」に登場する薄汚い牢獄にいるようだった。
映画は1時間ほど我慢すれば、ハッピーエンドになるか、ジ・エンドになる。しかし現実はそこから逃れない限り、その苦痛は永遠と続く。
ランボーは”苦痛は無視できない”と、トラウトマン大佐に弱音を吐くが、弱音を吐いた所で聞いてくれる仲間もいない。
前回”その68”に登場した嫌な過去は、私1人の過去ではなかった。
同じ部員たちも皆同じ気持ちだった。だから、同じ苦痛でも分け合い、分かち合う事が出来た。それに地方の小さな大会だったが、優勝する事も出来たし、身体も強くなり、自信も精神力もそれなりにはついた。
勿論、失うものの方がずっとずっと多かったが、それは私だけではないだろう。
しかし、消防団での嫌な体験は特別だった。団員たちとの関係も最悪だったし、嫌がらせも沢山受けた。
とある居食屋にて
夢の舞台は、とある居食屋だった。
私はその場所がわからず、大きく遅刻してしまった。いつも通ってる店なのに、何かの都合で遠くに移転してたのだ。
おかしいな?こんな辺鄙な所に居食屋があったっけ?と思い、中に入ると、皆がみな揃っていて、彫刻のような怪訝な顔をしている。
地元消防団の部長らしき人が、いきなり私を怒鳴りつけた。
”今何時だと思ってんだ!いつもこの店で呑み食いしてんのに、それでも班長かぁ💢”
私は何も言葉を発する事が出来なかった。ただただ、頭を下げて謝るしかなかった。
部長も少しは悪いと思ったのか、食事が揃い、呑み始めると多少は機嫌が良くはなっていた。
私はある問題を抱えていた。仕事で懇意にしてた大元の取引先が潰れ、仕事の大半を失いつつあったのだ。
部長は白々しく表面上では心配してくれたが、内心は笑っていたのは明らかだった。この部長には見覚えがあったから、奴の黒い腹の中は見え透いてはいた。
全てが嫌になりそうだった。
すると会合が終わり、お開きになった。
私は車に戻り、自宅へ帰ろうとしたその時、後ろからある男がローラーボードに乗り、そのままの勢いで私に後ろからぶつかってきた。
私は咄嗟に身を翻し、ギリギリの所で衝突を免れた。しかし、私の肘が偶然にも男の顔にカウンター気味にまともに直撃し、仰向けに倒れ込んだ。
怒りが頂点に達した男は烈火の如く喚き散らし、私の方に勢いよく向かってくる。
この男も部長と同じで、私が知ってる嫌な男の1人だった。
ムシャクシャしてた私は、今度は謝る気はサラサラなかった。
男が文句を言おうと突っかかってきたその瞬間、右の拳が男の顔を貫いた。
ざわついてた周りの団員たちが、一気に静まり返った。
男は仰向けに倒れたままピクリもしない。流石に謝ろうとも思ったが、憎きその男の顔を眺めてたら、無性に腹が立った。
私は男に山乗りになり、肘を喉に突き刺し、とどめを刺した。
気がつくと、周りには誰もいなかった。そして、居食屋も消え去っていた。
その時、夢から覚めた。
夢から覚めて
とても嫌な夢だった。
2日続けて、人を殴ってしまったのだ。それも致命傷を追わせるほどの一撃を加えてしまった。
夢の中で人を殴った事は何度かあるが、大半がスローモーションである。それもふわふわの球体を殴ってる感覚で、殆ど感触はない。
しかし、前回も今回もリアルなガツンとした感触が拳に残っている。
長い期間の慢性化した自粛というものが、たとえそれが緩い要請だとしても、ここまで人の心を蝕むのだろうか?
特に田舎のイジメは権力と嫉妬です。
都心部なら様々な要因が絡み合うんでしょうが、田舎では私みたいな権力に露骨に反応する人種は除外される。
そういう意味では日本は基本的に貧国なのかもです。
部活の先輩といい、消防団の部長といい、最悪のコンビだな。
でも連チャンで撃破したんだから、気分は爽快よって感じもするけど・・・
ムラ社会のいじめは独特で単純だから、防ぎようがないかもな。
転んだ怒りの鉄拳シリーズはこれからも続く?
でも”真夜中の訪問#30”で岸信介と格闘した時は少し心躍りました。悪を倒したぞって誇り高き気分になったもんです。
でも、消防の部長や部活の先輩やローラーボードの男らは雑魚に過ぎません。やはりいい気持ちはしませんね。
それでも最初はよそ者には親切ですが、本性がバレちゃうともう最悪。
日本人の親切さってそんなもんで、所詮は最初だけなんですよ。
それに地域消防って都心部にも存在するから余計にたちが悪いですね。