前回の”その14”でも指摘したが、その不安が的中しそうな予感がしてきた。
突然、大谷の二刀流に黄色信号が灯りつつあるのだ。
因みに、先週初めに書い溜めてた記事なので、少し古いですが、悪しからずです。
まず、前回(5/20)の中7日空けての先発登板は、今季最悪の出来だった。
中5日空けての前々回(5/12)はメジャー4年目にして、最高の内容だったので、日本だけでなく、アメリカ国内も大いに期待した筈だ。
事実、前回の記事を書いた5/10以降の成績は、超人に匹敵するものでもあった。5/12の投球では、伸びがあり威力ある4シームを中心に強打のアストロズを力でねじ伏せた。
打っては、ここ10試合で4HRと連日の様に米メディアを騒がせている。
因みに5/30現在、本塁打15本はアリーグ2位、打点38は同7位と、松井やイチローですら成し得なかった偉業を早々と達成してるのには感服する。
正直、ここまで大ブレイクするとは思ってもいなかった。リアル二刀流の限界がもっと早く到来すると思っていた。
しかし、大谷のパワーがその不安を粉砕した。流石に私も自説を変えようかなと迷ってた時だった。
但しこの日(5/20)は、マウンドに上がった大谷の投球フォームが、いつもと違った様に見えた。
左の軸足が定まらず、前のめりになってたからだ。お陰で、160kを超える自慢の4シームは全て力なく失速し、驚異の被打率.049を誇る”悪魔のスプリット”も流石に浮いていた。
Maxは153kmだったが、完全にお辞儀し、スプリットと見間違うほどで、4シームの平均球速147kmも今季6回の登板の中ではダントツに遅い(5試合目までの平均は155km)。
三刀流は大谷の肩を潰す?
原因は明白だろう。
前々回(5/12)の登板の時に、(調子漕いて)三刀流を試みたからだ。
前回(5/20)の大谷は、7回88球を投げ終えた後にライトの守備についた。
”素晴らしかった。全ては上手く行った”と大谷をべた褒めした様に、明らかに監督の采配だった。
しかし誤算は、4失点した”8回裏の救援陣”ではなく、7回終了時に1−1の展開にも拘らず、8回まで大谷を投げさせなかった事にもある。
マドン監督は、もう1イニング投げさせる考えについて、”8回を投げさせる理由はなかった。彼は自分の仕事をした。もう1度、打席に立ち全てはうまくいった。8回裏が機能しなかっただけだ”と胸を張った。
しかし、9回の攻撃で大谷を打席に立たせて得点する監督のシナリオは、救援陣が潰した形となる。
つまり、大谷の肩と肘は固まったままだったのだ。筋肉はすぐに元に戻っても、一度冷えきり縮んだ靭帯は、中7日空けても元には戻らなかった。故に、全ての球種が浮いたままで、前々回絶好調だった4シームも力なくお辞儀した。
私は何度も”大谷の二刀流は危険すぎる”と書いてきた。そして、降板後に守備につかせるという三刀流はもっと危険なのは明白である。
前々回は肩が重いながらも、リラックスしたフォームで放たれた4シームは最高の威力を発揮した。しかし前回は、肩と肘が万全ではなかった。大谷本人はいけると思ったかもだが、キャッチボールの様な力の抜けた投球だった。
大谷は、”体が動かなかったという感じでした・・・疲労はやればやる程たまる。そんな中で上手く調整してやっていきたい”と試合後に語った。
ただ気になったのが、前回(5/20)登板時の5回途中で降板し、ライトの守備についた大谷だが、その守備からベンチに戻る時、少し苦痛の表情を浮かべた。次の打席でバットを振る事はないと思ってたら、案の定セフティーバンドだった。
肩か肘に違和感があったのかは判らないが、マドン監督の三刀流の采配には、頭を傾げざる負えない。
リアル三刀流の幻影と危険性
投手は、投げ終わった後に肩や肘の靭帯や筋肉が冷えて固くなるのを防ぐ為に、すぐにマッサージをして血行を良くし、次回の登板に向け万全の調整をするのが鉄則である。でないと、酷使し続ける肘や肩はすぐに壊れてしまう。
特に、元々柔らかな筋肉とは異なり、靭帯はひも状の非常に固い結合組織の束である。故に、筋肉の様にすぐには柔らかくはならない。つまり、筋肉はすぐに回復するが、靭帯はそうはいかないし、時間をかけて柔らかくする必要がある。
因みに、日本では当り前の様に行われてるアイシングだが、メジャーでは全く行われていない。つまり、筋肉や靭帯を冷やしても痛みを鈍化させ、重症化させるだけという事が報告されている。
故に、リアル二刀流も三刀流も大谷の肩や肘を壊す直接の原因になるのは明白だろう。
私はコメント返しに、”今日のWヘッダーは休んで検査した方がいい。調子漕いて、三刀流なんてやるからアカン”と書いた。
事実、第一試合は欠場となった。今の大谷はモチベーションも異常なまでに高く、肩や肘の微妙な違和感には気付いてないのかもしれない。
そして、中8日おいた昨日(5/29)の登板だが、私的には今季最高に質の良い投球に見えた。
上体が前のめりになる事もなかったし、打たせて取る事を意識したせいか、四球も少なかった。この日は投球に専念する為に打席に入らなかったが故に、非常に安定していた。
ただ、90球を超えた途端、肩や肘のスタミナが途絶えた。
つまり、今の時期の中8日でも肩や肘は完全には回復はしてはいない。多分、中10日は開ける必要があるだろうか。
数試合休んで、一度精密検査をする必要があるとも思う。靭帯損傷の発見が遅れると、トミージョン手術をしても治らない可能性も高くなる。ダルビッシュが完全復活できたのは、初期の段階で手術に踏み切ったからだ。
因みに、松坂の時は靭帯そのものが消失してたらしい。
何度も言うが、リアル二刀流も三刀流も今すぐにやめた方がいい。
もし大谷の肘や肩が壊れたら、誰が責任を取るのか?
今や大谷は日本だけでなく、MLBのアメリカの宝でもある。
人間離れした超絶のパフォーマンスを披露するのは、誰が見てても興奮するもんだ。
しかしそれは、健全な肉体があっての話であり、過去に痛めた肘や肩を背負っては出来ない芸当である。
日本人は無理を押し通してでも前へ突き進む癖がある。
”絶対に諦めない”とか”勇気を与える為に”とか、聞こえはいいが、悲惨な結果は歴史が証明している。
メディアも解説者もそしてファンも、バカみたいに三刀流に浮かれてる場合じゃない!
日本人メジャーでここまで大騒ぎになったのは彼が初めてじゃないでしょうか。
本人もかなり無理してるような気もしますが、転んだサンの予想どおり、このままだとかなり心配ですね。
昨日も一気に崩れたから、少しびっくりしました。
志村・谷村の命題じゃないですが、予想が命題になりそうな気配ですね。
走る方では糖類と
投げる以外は何ら問題はないんですけどね。
マドン監督も別世界の生き物だと驚いてましたが、次の登板を考えると休ませてもと思うんですが。
なんだか6月は正念場になりそ〜
盗塁でした。
三刀流不可能説の予想が命題になるような気もしなくもないですが。
今の所、肘や肩に違和感がないようなので、単なる疲れみたいですね。
大谷も人間ですから、キツい時はキツいと監督に言うべきです。
無理というのは後々に来るもので、その時は気が張ってるから気づかないだけで・・・
6月をどう乗り切るか。
少しでも不調になったら、大谷は勇気を持って休息を申し出るべきです。
メディアも”大谷を休ませるべき”と言ってほしいですね。
特に投手としてのパフォーマンスが落ちるようで心配です。
でも、やはり漫画のような活躍は心躍らせます。
監督も私たちファンも、大谷選手に記録(本数・防御率など)を期待しすぎないことが大切な気がします。
とても悲しいのは、専門家やプロの評論家も含め、三刀流に浮かれっ放しという事です。
特に肘や肩への負担を警告するドクターがいないというのも、呆れますが。
確かにマンガ見てるみたいでスカッと爽快なんですが・・・
でも、他の誰もできなかったことをやった上での「太く短く」なら、本人も納得するのかなあ…などと思って見てはいますが…。
なまじ何人ぶんもの才能があると、こんな心配ごともあるということですね。
現時点での大谷さんの才能は、凄すぎます。
大谷のパフォーマーを最大限に発揮するには、外野を守り、年に6試合から10試合先発登板する。それでも立派な三刀流です。
ルースはBOS時代に5年間、三刀流を続け、最後は限界でした。それ以後NYへ移り、誰もが知る”太く強く長い”野球人生を送ります。
勿論、ニグロリーグでは内野でローテを回すのは当り前に行われてたから、大谷と過去のプレイヤーと比較するのは、少し可愛そうな気もしますが。
とにかく今年は用心深く様子を見ながら、大谷にマッチした起用法を見つけてほしいですね。
登板日を引き伸ばしてでも
スタメンで出るべきだった。
マドン監督の意図がイマイチ理解出来ない。
どう思います?