象が転んだ

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ブタ親父の腐った物語〜映画「バイス」にみるチェイニーの悪徳と悪行

2020年02月02日 05時04分12秒 | 映画&ドラマ

 この映画を見て、全てが腐ってると思った。チェイニーは勿論、その家族もアメリカも。
 何時からアメリカは、こんな腐った旧帝国主義の旧大陸に成り下がったのか?まるで”腐ったブタ”という裸の王様を描いただけの作品に映った。

 しかし見方を変えれば、これがハリウッドのチェイニーを大コケにする為の策略だとしたら、専門家が評価する様に、”核心を突いてる”という事になる。
 そういう意味では、中途に腐ったコメディだが、ある仕掛け(ギミック)が効いた作品でもある。


”俺は絶対に謝らない”

 全てが良くも悪くも、チェイニー寄りの視点で描かれたコメディ系ドキュメントだ。チェイニーの行き過ぎた腐った正義はアメリカの正義であり、チェイニーの揺るぎない腐った信念はアメリカ白人の揺るぎない信念でもあった。
 最後に、チェイニーが”俺は絶対に謝らない”と言って幕を閉じるが、これは自らの犯罪をあからさまに認めてる様に映った。そうでなくとも、作品自体が”悪いのは全てお前だ”と語ってる様に思えた。

 原題の「VICE」とは、単独では”悪”や”悪徳”などの意味であるが、接頭語として頭に繋げ、”VICE−PRESIDENT”とすれば”副社長”や”副大統領”の意味となる。
 ディック•チェイニーはジョージWブッシュの下で副大統領を務め、心臓の持病を抱えながらも、”史上最強の副大統領”や”影の大統領”と評される程の影響力を発揮し、その影響力は今日の国際秩序にも及ぶ。
 その一方で、”史上最悪の副大統領”と指弾される事もあり、毀誉褒貶が著しい人物であるとも言える。
 本作はそんなチェイニーの実像を描き出す一つの試みである。以上ウィキから。


史上最醜のブタ親父•チェイニー

 ”史上最悪の副大統領チェイニーの実像と策謀〜信念という名の大量破壊兵器と〜”のブログでも書いたが(要クリック)、その時は少し褒め過ぎの感があったかな。
 しかしこの映画を見て、史上最悪というより史上最醜のブタ親父という事がはっきりした。”信念という名の大量破壊兵器”というよりも、腐ったブタが信念を持つと大量破壊兵器に変貌する事がよーく理解できた。

 このブタ親父には、最初から実像も策謀も戦略も、そして人生のプランもなかった。いやそんなのがある筈もない。コイツは単なる”腐ったブタ”なのだから。
 しかし、ハリウッドはコイツを一人の歪な政治屋として描いた。そこにそもそも無理がある。
 ウィキでもコメディドラマに分類してるが、奇怪な”スリラードキュメント”にも思えた。

 そういう私は、バートン•ゲルマンが書いた「策謀家チェイニー”Angler”」(2010)を読んで、チェイニーの悪徳と美徳を天秤にかけブログにした。その時は、”全ての日本人に読んで欲しい一冊”と一応の評価はした。
 そして、この映画を見た。見なきゃよかったと正直思った。
 「策謀家チェイニー」に関しては、チェイニー本人も自画自賛した様に、かなり脚色して書かれいてた。それにこの本に出てくるチェイニーは、腐ったブタなんかじゃなく、まさに有能な政治家であり釣り師”Angler”であり、正義と信念の塊の策謀家であった筈だ。


チェイニーの悪徳と悪行と

 しかし、映画「バイス」(2018)は本人の承諾を得ずに作られた。故に、チェイニー寄りとは言え、彼の悪徳と悪行ばかりが目立つ内容だ。
 私が”チェイニーの実像と策謀”ブログで書いた事は、満更間違ってはいないと思う。チェイニーを100%養護する立場で書いたとしても、そんなに不味くはない内容だったとは思う。
 しかし、映画「バイス」の中のチェイニーは、単なる腐ったブタ野郎に過ぎなかった。
 でも前述した様に、もしこれがハリウッドの策略だとしたら?チェイニーを貶める策謀だとしたら?これまたそう悪くはない映画とも言えなくもいない。

 しかし、醜悪路線に走りすぎたせいか、逆にチェイニーを持ち上げる結果となってしまった感がある。勿論、腐ったブタ親父のチェイニーを僅か2時間で描けっていうのが無理な話で、軽めのコミカル系にしないと、とても収まりきれないのも十分理解できる。
 もし、チェイニーが有能な釣り師(angler)でなかったら、単なる無能なブタだったとしたら?そういった視点で、思い切りミステリアスに描いても面白かった様に思う。

 事実、ブッシュを超の付く”アホ殿”に描いたマイケル•ムーア監督の「華氏911」(2004)はアメリカは勿論、世界でも大受けし、全世界で2億2千万ドルを稼いだ。勿論、ドキュメント映画としては世界記録である。
 故に、チェイニーを必要悪の釣師(Angler)ではなく、絶対悪のブタ親父に描くべきだったとは思うが。皆さんはどう思われますかな?
 事実、興行はたったの?760万ドル。評価も批評家で64%、加重平均点は61点となった。大衆はいつの世も正直な生き物だ。腐ったブタを描いても、大衆は劇場には足を運ばない。

 一方、批評家の見解は、”焦点が定まっていない嫌いがあるが、アダム•マッケイ監督は物事の核心は掴んではいる。それ以上に、クリスチャン•ベールの変身ぶりは観客の目を釘付けにするものである”というありきたりなものだ。


最後に

 結局、作るだけ予算(600万ドル)の無駄だったという事か。私が監督なら、「腐ったブタ」というタイトルにするだろうか。
 因みに、製作のアンナプルナ•ピクチャーズは本作のタイトルを「Backseat」から「VICE」に変更した。バックシートとは後部座席という意味だが、”余計なお節介”という意味もある。
 という事はタイトルは、「腐ったブタ」よりも「お節介なブタ」でもよかったか。

 つまり、悪徳”VICE”で済むものを自らのエゴとお節介”BackSeat”のせいで、悪行にしてしまった哀れなブタ親父の物語でもある。
 少しヘイト的なブログになってしまいましたが、悪しからずです。



6 コメント

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Fat Fuck^^; (HooRoo)
2020-02-02 08:21:47
腐ったブタ親父と
同性愛のバカ娘のお似合いのコンビ
遺伝子的にもお似合いだわね(^o^)

Angler釣り師というより
Fat fuckでデブ野郎ってこと👋👋
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Re.FatFuck (象が転んだ)
2020-02-02 10:47:45
いきなりスラングですねぇ
でもAnglerよりも似合ってますかな。
ブッシュといいチェイニーといい
そしてトランプのように
政治家は悪玉の方が丁度良いんですかね。

Hoo嬢も悪玉に染まらない様に👋
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チェイニーの功績 (paulkuroneko)
2020-02-02 21:42:40
としては副大統領の権限を下院にまで広げた事だそうですが。あくまでも映画の上ですかね。
もしそれが現実に可能なら、上院を大統領権限で牛耳れば、政権は全てホワイトハウスの権限下になります。

今の安倍政権と全く同じ縮図になってますが、ホワイトハウス内でもチェイニーの独裁ぶりは際立ってました。

そして今回のトランプの弾劾裁判でも同じような事が行われようとしてます。このままトランプが無罪になったら、アメリカの自由は誰が為にあるという事になりますね。
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paulさんへ (象が転んだ)
2020-02-02 23:02:50
アメリカには最初から自由というものはなかった。所詮は、移民のプロテスタントが作った虚像の自由です。

トランプは多分無罪になるでしょうね。これこそがアメリカの自由の真の正体です。悲しい現実ですが、アメリカはこれを受け入れるしかないのです。
つまり、アメリカには最初から民主主義なんて存在しないんですよ。

でもアメリカを分断させるにはトランプを無罪にするしかないのかな?
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アメリカに自由はない (#114)
2020-02-03 21:14:25
今のアメリカは歪んでるね
先住民を追い出した時点で
この国には矛盾があったんだ
歪んだ国の老いぼれがトランプよ

転んだの言う通り
自由も民主主義もこの国には
最初から存在しなかったのさ
インディアンは嘘をつかないんだ

アンタはいい事言うよ
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#114さん (象が転んだ)
2020-02-04 05:36:07
インディアンは嘘を突きませんね。
アメリカがこうなる事を最初から予想してたのかもしれません。

#114さんもいい事を言いますね。
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