これで5日連続で夢を見た事になる。それも今回はハリウッドのTOP女優である。
舞台は、英国風の古い大きなお城の中に作られた映画用のセットであった。
小さな使用人部屋が幾つもあり、壮大な天井には照明が無数に散りばめられていた。
そこで私は照明係のスタッフとして働いている。
照明が一斉に落とされると、主人公の1人である黒いガウンを羽織った怪しげな魔女が登場する。
私は照明を一つだけオンにして、彼女に焦点を絞った。
まるで、映画「クルエラ」に出てくる様な露骨な黒塗りのメイクだが、どこか見たような気がした。
老いた黒い魔女
女をよく見ると、かのケイト・ベッキンセールではないか。歳は食ってたけど、彼女に間違いなかった。
夢に出てきたのは、3月初めの「その62」に続いて、これで2度目である。
往年の美しさは消え失せてたが、その風格と雰囲気は、場を支配する程のものを持ち合わせってはいた。
そして、もう1人の主人公が現れる。
私はもう1つの照明を若いイケメン風の男に合わせた。
しかしコイツは無能だった。力み過ぎて、演技のタイミングが台本と全く合わず、何度もテイクをやり直した。終いには、ケイト嬢がブチ切れ、セットを後にした。
もう彼女は戻ってこないだろう。そして撮影は一旦中止となった。
私は天井にぶら下がる様に準備されていた照明群のセットを片つけようとした。
監督は彼女を説得するからと、私がセットを片付けるのを止めた。
しばらくして、彼女が戻ってきた。
但し、条件がある。それは役立たずの若い男優をクビにする事だった。
しかしそれだと、オープニングのシーンは彼女のカットだけで作る事になる。
監督は私の方へ向かって叫んだ。
”君!脚本を書いた事があると言ってたな”
周りのスタッフは一斉に私の方に視線を集中する。
”脚本というよりゴースト(ライター)ですが”
監督は遮った。
”脚本もゴーストも同じよ。有名か無名かだけだ”
”まさか、台本を書き換えるんじゃないでしょうね?”
”そう、それをアンタにやってほしいんだ。早速取り掛かってくれ、時間がない”
”でもいきなりと言われても・・・”
”この豪華なセットには結構な予算が掛かってんだ。ここで潰す訳にはいかんのだよ”
”全ての脚本を書き換えるのなら、当然時間が掛かります。それに私は素人で、とても1人じゃ無理です。男優の代役はいないんですか?”
撮影再開
そこにケイト嬢が姿を表した。
”オープニングのシーンだけでいいのよ。でないなら、男の代役として私の相手でもやってみる?”
私は笑えなかった。
監督は台本を渡し、修正する部分を書き記した。
”時間がないんだ。このお城も今夜までしか借りれない。夜が明けたら借地権が切れる。頼むから急いでやってくれ”
ケイト嬢も心配になり、顔を近づけてきた。
”チョコチョコっと修正するだけでいいの。あとは私が演技でなんとかカバーするわ”
監督も少し安堵した。
”観客は台本なんか見ちゃいない。彼女を観る為に劇場へ足を運ぶんだ。何とかなるさ”
私はそれでも笑えなかった。
私は編集室に戻ると、急いで台本の修正に取り掛かった。魔女1人のオープニングになる。
当初は女がまず登場し、そこに若い男が乱入し、ひと悶着あるものの合体するというシナリオだったが、お陰でシンプルなシナリオが書けそうだ。
事実、「アンダーワールド」では男は邪魔だった。彼女だけの方がずっと出来は良かっただろう。
私は彼女をズームアップするシーンを長めに設定し、彼女と合体しようとする男をいきなり噛み殺してしまうという、少しショッキングなオープニングに纏めようとペンを走らせた。
監督は、修正しかけたばかりの台本を奪い去り、ケイト嬢に持っていった。
彼女も納得したらしく、すぐに撮影が再開された。しかし、殺され役の男を誰にするかが大きな問題となった。
主役の若い男優はクビにしたから使えないが、小道具係に若くてハンサムな長身の男がいたので、彼が”殺され役”に抜擢された。
男も私と同様、要領がわからず混乱してたが、私が台本を渡し、状況を説明すると多少は安心したようだった。
オープニングの撮影は、これといった混乱もなくスムーズに終了し、夜が開ける頃にはセットの片付けも終了しつつあった。
私は照明を全て片付け、大型のピックアップトラックに詰め込み、編集室で出来上がったフィルムを1人眺めていた。
”私が書いた台本が映画になる”
そう思うと、興奮が止まらなかった。
撮影が終わって
コンコン、コンコン
てっきり監督だと思った。
”いい感じですね。何とか第一関門突破ですよ。監督の選択は間違ってなかったですね”
”そうみたいね。アナタには感謝するわ”
私の目の前には、分厚いメイクままのケイト・ベッキンセールがいた。多少オバサンぽかったが、正真正銘の彼女だった。
私はしばらく声を発する事が出来なかった。
彼女は愚痴っぽく語った。
”あの男優ね、若いだけで魂も脳みそも空っぽなのよ。いくら私が若い男を好きだといっても、あんなのを送りつけるなんて、私もナメられたもんだわ”
私は戸惑いながらもクビを振った。
”でもいい俳優さんでしたよ。一生懸命に演技してたし、ただ結果に繋がらなかっただけで。こういうのも含め、全て勉強なんですよ”
”脚本家って、皆そういう言い方をするのよ。でも貴方には魂があるわ。魔女のハートを押し潰す程のね”
彼女はそう囁くと、強引に私に迫ってきた。
私は我を忘れそうになった。もし彼女が若かったなら、その場で犯してたであろうか。
しかし私は冷静だった。彼女が私にしっかりと押し付けた、大きく膨らんだ胸は明らかにシリコンだった。
よく見ると、彼女の顔もリフトアップ用の度重なるボトックス注射の為か、老婆のようでもあった。
私は黒魔女の呪いから逃げ去る様にして、彼女から離れた。
その時、夢の舞台が変わった。
夢の舞台は、あるビジネスホテルだった。
私は必死で何かを探していた。照明用のケーブルと絶縁用のスニーカを探していたのだ。どの部屋を探しても私が用意してきたケーブルとスニーカが見当たらない。
途方に暮れてると、またまたケイト・ベッキンセールが登場したではないか。
彼女は少し若返ってはいた。怪しげな媚態を振りまくと、私は興奮した。
今度は私の方から唇を合わせた。私は彼女を支配したくなった。
そこで夢から覚めた。
夢から覚めて
かつては、ハリウッドNo.1と謳われた美人女優が夢に出てきてくれたんだから、喜ぶべき事かもしれないが、今回だけは手放しでは喜べなかった。
悪魔のメイクを施した彼女はどこか異様な感じがした。美女も腐敗すると、ここまで堕ちるのか?
事実、今やケイト・ベッキンセールは”最も醜い胸を持つハリウッドセレブ”としても有名だ。
元夫であるディレクターのレン・ワイズマンは、”最近娘のリリーはアメリカに越して以来、母親の容姿が変わったと思ってるみたいだ”と発言した。
実際に愛娘からは、”ママは(昔は)お姫様だったのに、なんで今はJ.Loみたいな顔をしてるの?”と指摘される始末。
彼女本人は、整形については否定してるが、”最近の彼女は整形のしすぎだよ、悲惨だ”と周囲は語る(JUGEM)。
しかし今年47歳になる彼女は、顔を除けば?抜群のプロポーションを維持している。インスタで確認しても、とても40代後半の女性の肉体ではない。まるで悪魔女にならない限り、保てない程の完成度の高さである。
夢に出てきた彼女は、インスタで紹介されてる様な整形を繰り返す悲惨な女優には見えなかった。しかし、世界のTOP女優の風格はあるものの、年相応の中年女性に過ぎなかった。
そんな彼女も2016年にワイズマンと離婚し、悲しい境遇にあるのかもしれない。
元々、才気あふれる女性だから、文筆の才能を活かし、脚本家にでもなれば大成するだろう。
今回の夢には、そういう思いも含まれてたような気がする。
そういう意味では、日本の女性を娶ることのできる日本男性は幸せですね。
転象さんは、それでも白人女性崇拝?
その女優さんのことはこれから調べてみます。
顔はいくら老けてもごまかせるけど
あの胸だけはいただけないわ
もう少しまともな整形医っていなかったのかしら
それとも度重なる整形にうんざりだったかもね
転んだ先生のご指摘とおり
文才を活かして台本でも書いてればよかったのよ
そっちのほうが美貌を保ててたかもしんない
色々と噂も絶えないです。
娘も元旦那も言うほどですから、信憑性は高いですかね。
女優というのも洋の東西を問わず、年齢という大きな壁は超えられないんでしょうか。
夢自体はパッとしなかったんですが、台本を書かせてもらっただけでも有り難かったです。
何でもそうですが、弄くりすぎると取り返しがつかなくなる。
せっかくの親からもらった美貌が台無しになってしまった。
彼女は女優より脚本家になってた方が全てにおいて良かった。女優として輝ける時期って短いですから。そんな彼女の思いが夢に出たとしたら・・・
40代後半にしては若すぎません?
夢の中では落ち着いてられるみたいですが、これは明らかに夢だと思うことはないんですかね。
私だったら、彼女が夢に出てきたら、ウギャっとなり夢からいっぺんに冷めそうですが(^.^;
だから夢の中の自分はほぼ等身大の自分なんでしょうね。
多分、現実の中でも彼女が現れたら、同じ様な行動をとるでしょうか。
でも夢ってホント短いんですよ。時間にして3分から5分くらい。でもかなり早回しで、記憶に留めるのが難しいです。
枕元に紙と鉛筆をおいてるんですが、全てを思い起こすなんて無可能で、印象に残ったとこだけを物語にしてます。