昨日の”デュランvsゴロフキン”ブログでは、80年代の黄金のミドル級と2010年代の凋落のミドル級の違いを大げさに描いたつもりだ。
実際に闘えば、そこまでの極端な差はないかもだが、満更外れてもいないと思う。
そこで今日は昨日に引き続き、ボクシングのそれもミドル級の話題です。
昨年の12月、WBAミドル級王者の村田諒太が同級8位スティーブン•バトラーに5回2分45秒TKO勝ちし、初防衛に成功した。
しかし試合後、見事なKO勝ちとは裏腹に意外なコメントを残した。
”(井上みたいに)強いのと戦いたい。でも、心のどこかに怖いという気持ちもある。だから帝拳に全てを任せている”
確かに、今回の相手は初防衛戦にしては??であった。80%のKO率を誇るという事で、多少は派手な殴り合いを期待したが、中国製のマスク同様に、相手も試合内容も”粗雑品”でもあった。
なぜミドル級はこんなにも凋落したのか?
このバトラーは、元々ミドルの下のSウエルターの選手だし、その上WBAの8位。通常、初防衛戦はトップコンデンダー(同級1位)と相場が決まっているのだが・・・。
しかし、村田の世界タイトル戦を見ると、エンダムやブラント、そして今回のバトラーといい、皆一階級下のSウエルターの選手だ。それも3人とも揃って非力でノーテクのボクサーだ。
ラスベガスでのブラント戦(2018年10月)だけは完敗(判定負け)だったが、力的に見れば村田が圧倒していた。それも彼ら(エンダム、ブラント)とは2回ずつ対戦してる。
なぜ、選手層の分厚いミドル級でこんな生温いマッチメイクが許されるのか?世界規模で見てもミドル級には、地球上に強いのはゴロゴロいる筈だ。それなのになぜ?弱い雑魚ばかりを日本に呼び寄せマッチメイクするのか?
野球界やサッカー界と同じように、ボクシング界も真のトップを目指すのであれば、海外へ進出する時代だ。日本を主戦場にしていては、強い奴は来ないし、海外だから負けたというのは今や言い訳にもならない。
それでも村田陣営は日本に拘り続ける。
1990年代までは、ボクサーは世界のベルトを一旦腰に巻けば、日本列島中にその名を知られるエリートスターになれた。
だが現在は違う。
事実、2017年には日本人現役世界チャンピオンが12人もいた。全員の名前を知ってい人がどれだけいる?多分いない。ボクシング好きな私だって、井上と村田しか知らない。
それにキックや総合には詳しいが、ボクシングは全く興味がないという若者も多いだろう。
ボブ•アラムの黒い影
ボクシングの世界王者になる事は今や、日本人メジャーと同様に、以前ほどのステータスをもたらしてはくれない。
つまり、真のスターボクサーになるには、世界チャンピオンになった上で、そこからどんなボクシングをするのか?どんなに凄い相手と闘うのか?が必要になっている。
これには、ボブ•アラムの黒い影が大きく立ちはだかってる様に思う。
ボブ•アラムと言えば、80年代”黄金のミドル”を演出した敏腕プロモーターだ。
しかし今や、メインスポンサーだったHBO局が離脱し、お陰でアラムは老いぼれ、多くのビッグネームは他の有力なプロモーションに移籍した。
アラムは仕方なく、アジア進出に活路を見出すも、既に陰りが見え始めてる。
トップランク社のCEOといっても、上述した様に一時の勢いは全くない。事実、ブラント戦でのファイトマネーは僅かに1100万円(今回は1000万)。億を超える額を稼ぎ出す井上尚弥の1/10以下である。
因みに、井上はドネア戦で10億を荒稼ぎし、軽いクラスでは最も稼ぎ出すボクサーである。
つまり、村田は軽いクラスの平均的ファイトマネーよりも低い額で、”雑魚”と戦ってきた事になる。
老アラムから離脱する事がベストオブベストだが、今や34歳でノーテクの村田にビックプロモートがつく筈もない。
しかしその村田にも、”リアル”が訪れつつあった。カネロやゴロフキンとのマッチメイクが大きく囁かれた時期があった。勿論私も期待したが、やはり二人には無視されてしまった。
中でもカネロは、1試合で40億近くを稼ぎ出す4階級制覇のラスベガスの王者だ。しかし私は、カネロが40億に見合うボクサーだとは思わないし、村田が倒せるボクサーだとも、倒せないボクサーだとも思わない。
全ては村田自身の問題だ。過去の5度の世界戦はボブ•アラムが用意した格下の相手だったが、確実に勝つ為に村田自身が望んだ相手でもあった。
最後に〜真の王者へ
村田が真の世界王者になる為には、自らの拳で真の強打者を格上の相手を撃沈する必要がある。
メディアにちやほやされ、リング上でユーモラスなコメントを撒き散らす村田に、果たしてその勇気があるのだろうか?
そして今年の3月、その”カネロ”サウル•アルバレスと、12月に日本で対戦する方向で合意した事が明らかになった。
この試合が村田の最後になるのか?村田の始まりになるのか?
しかし、この村田とカネロの待望のビッグブートだが、不思議と心に響くものがないのは何故だろうか?
アマ時代も勝ったり負けたりでパッとせんボクサーだった。
内山浩志がボディ打ちを教えんかったら、金メダルも世界のベルトもなかった。悪の権化と言われた山根明前日本ボクシング会長がいなかったら、今の村田はなかったね。
カネロもお遊び半分で来るだろうから、そこそこは面白い試合になるだろうけど。
キックで勝負して貰いたい
とにかくジャブを数多く繰り出して、距離を保つことですかね。
意外に接戦になりそうな気もしますが。勝敗は全くわかりません。
私は総合が面白いと。
村田は腕力が強いから、寝技が得意な気もしますが。プアカーオ闘っていい線いったら転向もありですかね。
村田だ〜サンはいつも馬鹿言ってますが、実はガチの極真空手ですね。村田選手にも実際に遭った事があるとか。
彼は当時オチブレタとはいえ
チャレンジ魂があったナ~
それにしても藤原は強かったネ~
それに今はプロモータの力が強いから、コミッショナーが対戦者を選べない。村田が弱くなるのもボクシングが衰退するのもうなずけます。
藤原と沢村を見たかったです。ベニーユキーデもいましたね。
1億総野球評論家と同じですね。
でもボクシングや空手となるとみんな本当に詳しい。お陰で色んなコラムで紹介され、とても勉強になります。