奥田英朗さんの「オリンピックの身代金」では、五輪開催を支える貧困層の格差に愕然とした地方出身の東大生が、警察に爆弾予告を仕掛ける。
1964年、この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていなかった。
しかし、一人の若者が反逆の狼煙を国家に対して挑んだのだ。
”オリンピック開催が決まってから、東京でどれだけの人夫が死んだのか?・・・それは東京を近代都市として取り繕う為の地方が差し出した生贄だ”
戦後の美しい東京を世界に見せびらかす為に、地方の貧困層を犠牲にしたオリンピック。その犠牲という生贄こそが身代金だったのだろうか。
そして今、これと全く同じ様な事が同じ東京で、再び行われようとしている。
しかし、この”オリンピックの身代金”を五輪開催に反対するものではなく、五輪の利権に関わる者が要求してたとしたら?
ワクチン提供という名の脅迫状
米製薬大手ファイザーと独ビオンテックは6日、日本を含む東京五輪パラリンピックの選手団向けに、新型コロナのワクチンを供与する事で国際オリンピック委員会(IOC)と合意したと発表した。
ファイザーのCEOアルバート氏は、”オリパラの開催は人類がウイルスに打ち勝った象徴になる。安全に開催する為のワクチンを選手の皆さんに提供できる事を誇りに思う”と話し、IOCのバッハ会長は”今回のワクチン供与は、東京五輪を全ての参加者にとって安全で確実なものにする”と語った(日本経済新聞)。
このワクチン提供こそが、”2021年版オリンピックの身代金”だとしたら?
私は「オリンピックの身代金」のAmazonレビューで、”「続・オリンピックの身代金」をぜひ期待したい”と書いた。そしてそれが、現実のものになろうとしている。
因みに、IOCには東京五輪開催に向け、日本政府から多額の賄賂が振り込まれてるという。
つまり、五輪が開催されようが中止になろうが、IOCの懐は潤ってるのだ。もし中止になれば、賠償金が入るから余計に潤う。
一方で、ファイザーとビオンテックは”人類がコロナに打ち勝つワクチン”としての宣伝にもなるし、五輪が中止になっても、日本とは21年中に1億4400万回(7200万人)分を供給する契約を結んでる?ファイザーは笑いが止まらんだろう。
もしこのまま、両者の誘導どおりに東京五輪が開催されれば、ワクチン供給が満たされたとしても、確実に医療は崩壊する。
それこそが今の日本に突きつけられた身代金なのだ。
”ワクチンをアスリート全員に供給する。そうすれば東京五輪は成功する”
IOCは、”自分たちは開催に向けてワクチンを用意した。もし開催できなかったら、コロナ対策を軽んじた日本政府の責任だ”と脅しにかかるだろう。
これこそが、「オリンピックの身代金」に登場する東大生の爆弾予告と全く同じ脅迫状である。
このワクチン提供という脅迫状に対し、日本政府は対抗策を準備してんだろうか?
多分、無能でお人好しな内閣府は、何らプランは持ち得てない。スポンサーからの差入れ金で会食するのが精一杯だろう。
いま医療崩壊という爆弾にスイッチを入れるかどうかは、ファイザーやIOCではなく、日本政府の決定に全てが掛かっている。
オリパラの選手か?国民の命か?
池江選手の感動の復活劇は、どうやら空回りに終わりそうな気配がしないでもない。
彼女の兄が電通の社員で、彼女のスポンサーが電通である事がバレた以上、政府との癒着は明白だった。
故に、彼女に火の粉が降り注ぐ事もある程度は想定できたろうか。
オジサン連中は、”全くけしからん!批判は政府に向けるべきだ”と息巻くが、既に後の祭りである。
「五輪強硬派の陰謀」でも書いたが、池江選手の驚異の復活劇はともかく、(電通の息の掛かった)組織委が彼女を起用して作ったメッセージ動画は、あまりにもワザとらしかった。
本当に五輪開催に漕ぎ着ける気なら、もっと用意周到に事を進めるべきだった。少なくともメッセージ動画は必要なかった。
如何に、政府と電通と組織委が無能であるかをさらけ出した様なもんだ。
”国民の健康と命とオリンピック開催は、どちらが大切なのか”という問いに、菅首相の答えは、”国民”と”オリンピック”と”どちらも(両方)”の、3通りしかなかった筈だ。
しかし、参議院予算委員会で答弁した首相は、そのどれをも選ばなかった。
こんな質問が来るのは、最初から明白だった筈だ。
勿論、”国民の命”と答えれば、オリンピックは中止となる。しかし、”何が何でも開催”と口にすれば、”国民の命よりもオリンピックを優先するのか”と取られ、信用はガタ落ちになる。
”間違った答弁原稿”とSNSでは揶揄されたが、単に結論を濁しただけである。
これが数ヶ月前なら、胸を張って、”国民の命と五輪開催は、私が全てを賭けてでも保証する”と言い放ったろう。
でも、今はそれが言えないでいる。
これは、菅首相だけの問題ではなく、安倍前首相から続くマンネリ化した”丸投げ”の致命的欠陥でもある。
五輪開催が絶望となった時、安倍前首相と同じく”心が折れました”と、静かに内閣府から消え去るのだろうか?
まさに、”老兵は死なず、ただ消えゆくのみ”の再現である。
組織委が200人程募集した五輪ボランティア・ドクターに、約280人の応募があったとされる(共同通信)。
彼らは整形外科や歯科医が中心とされるが、それだけの意欲が大阪に向けられてたなら、医療崩壊は防げたのではないだろうか?
結局彼らも、”五輪開催ありき”の上での命なのだろう。それに、”超一流アスリートの命を守る”となれば、聞こえはいい。
選手か?国民の命か?
彼らは紛れもなく、国民の命ではなく選手の命を選択したのだろうか。
局アナが弁護士になれる時代、政治家と同様に弁護士も質の低下が止まりませんね。
それはともかく、五輪中止の著名活動が行われました。開催まであと70日。IOCはどう動くんでしょうか。
イタリアでテニス大会が普通に行わてて、東京では行われないのかと。
支離滅裂なことを普段から言う人ですが、これで弁護士になれたものだと呆れてしまいます。
茨城県の町長のワクチン接種にしても、首長は真っ先にワクチンを打つべきだと喚き散らしてます。
あえて反論を述べてるつもりでしょうが、反論というよりも愚論ですよね。
そんな中で準備をするメダル候補のアスリートはとても辛いですよね。医療崩壊と国民の命という時限爆弾を抱えてるわけですから。
それでも菅首相は”やる”と言ってます。
でもそこに具体的な対抗策はない。ただ”やる”と言ってるだけ。まさに自分の事だけしか考えてないんですよね。
オリンピック開催のために医療もアスリートも国民も犠牲になるってことに日本政府は気付いてんのかしら
自分たちさえ潤えばって人種だから
現場のことは何一つ考えてないのよね💢