象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

こんな映画が見たかった〜「エレベーター」編

2023年04月01日 14時21分02秒 | 映画&ドラマ

 まるで、グレタ・トゥーンベリをエレベーター内に閉じ込めたら、こんな展開になるのだろうって映画だった。
 つまり、”エレベーターとクソガキ”を舞台にしたパニック系サスペンスである。
 アマプラのレビュー(2.6/5)こそ低いが、ヒッチコック監督の作品を見てる様で、知らず内に引き込まれてしまう。
 評価が分かれるのも、エレベーターが存在するビルの所有者である金満老人の孫の憎き我儘な行動のせいだが、この秀作とも言える作品を盛り上げたのも、このクソ娘であった。そういう意味では、助演女優賞に匹敵する存在とも言える。
 事実、ノルウェー出身の新進気鋭監督であるスティグ・スヴェンセンは、ヒッチコックの「救命艇」やルメットの「十二人の怒れる男」、ポランスキーの「テナント/恐怖を借りた男」などのクラシック・スリラーの名作を強く意識したという。

 当たり前の日常である“エレベーター"が突如止まったら?それも富を象徴する超高層ビル内の地上200Mの高さで・・・その時、乗客を運ぶ筈のエレベーターは乗客の命を奪う処刑台へと変わる・・(Amazon)
 閉塞感からパニックに追い込まれた9人の乗客らは、日常のストレスや不満も重なり、思い思いの自分をさらけ出す。
 特に、投資で失敗し、愛する主人を自殺で亡くした老婦人は、投資会社の会長に復讐しようとエレベーターに乗り、パーティー会場に向かうが、時限爆弾を身体に巻きつけたまま心臓発作で死んでしまう。
 何とか保たれてた密室内の均衡はすぐさま破られ、見知らぬ乗客への恐怖がエレベーター内に充満する。お互いに抱く疑心暗鬼に加え、経済格差や人種差別といった現代アメリカに漂う深刻な社会問題が浮き彫りなり、人間の内面に潜む狂気が露になる。
 彼ら彼女らは運命に切り捨てられるのか?それとも爆弾と共に吹っ飛ぶのか?

 ある投資会社のビルで行われるパーティーの階へ向かうエレベーターが、投資会社会長の孫のいたずらで緊急停止してしまう。復旧せず助けを待つ乗り合わせた9人のメンバーの中に、この投資会社のせいで一文無しになり自殺した男性の妻が乗り合わせていた・・・(Amazon)
 老会長と孫娘、投資会社の中堅社員が2人と人気TVアナウンサー、パーティーに呼ばれたコメディアンに若い白人の妊婦と先述した老婦人。そして最初から乗り合わせてる警備員。
 ここまで書けば、展開はほぼ読めるが、この作品のユニークさは、閉じ込められた乗客それぞれの会話にある。特に、コメディアンのアクセルロッドのウィットに富むジョークは笑えそうにもないが、最後には納得してしまう。

 パニックホラーと言うよりも、会話を楽しむ展開で、アクセルロッドのジョークだけでも見入ってしまう。
 まるで、ヒッチコックとスティーブン・キングを織り交ぜた様な感じで、最後まで飽く事なく気楽に楽しめた。
 これと言った盛り上がりもオチも、そして衝動も感動もないが、それが故に安心して見る事ができる。
 追い詰められても、こんなジョークが言える人間になりたいものだ。



2 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2023-04-02 06:27:12
人間を最後に救うものはユーモアというわけですね。私なら、まずトイレの心配をしてしまいますが、それもジョークにすればよいのかもですね。
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ビコさん (象が転んだ)
2023-04-02 10:18:19
そーなんですよね。
普通なら誰しもがトイレの心配をする筈ですが、この映画では妊婦の白人女性がハンドバックにオモラシをするシーンだけでした。

勿論、生理的シーンがメインでは緊迫した展開にならないから、そういう意味でうまく出来た作品だと思いました。

ビコさんも色々と大変でしょうが、エレベーターの中に閉じ込められてトイレの心配をするよるかはマシですかね。
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