昨日の”前編”(要Click)では、暴徒化する香港デモを文化大革命や天安門事件と比較して述べました。今日は、かつて日本で暴徒化した学生運動である、全共闘運動と比較して、香港デモの明日と希望について述べたいと思います。
香港デモは日本の全共闘か?
マスクとヘルメットで決めた勇武派のファッションや、火炎瓶や投石を用いる街頭闘争のありかたなど外見の相似が大きいのが、1968~69年の日本の全共闘(全学共闘会議)運動だ。
特に、昨年11月の香港中文大と香港理工大の占拠行動は、同じく学生デモ隊が国家の最高学府に立てこもった、”安田講堂事件”(1969)を連想した日本の年配者もかなり多かった筈だ。
故に、日本のメディアでもそうした言及がされはじめてる。理工大の場合、学内に立てこもったデモ隊の大部分が学外の”外人部隊”だった点も、安田講堂事件とそっくりだ。
しかも、見た目だけではなく全体的な構図も近い。巨大な宗主国(アメリカ•中国)の言いなりに見える「傀儡」政府(日本政府•香港政府)の体制に、若者が無鉄砲かつ暴力的な反抗を行った図式によく似てる。
勿論、全共闘は”左”で、香港デモは”右”の運動だが、イデオロギーの”左と右”は単にその時代のその国の若者の流行という側面に過ぎない。
ただ違いがあるとすれば、一般市民の支持が1割未満だった全共闘に対し、香港デモは市民の約7割がデモ隊を支持してる点だ。事実、この民意は11月24日の区議会選で民主派の圧勝という形でも示されてた。
香港市民の感情は、勇武派による往年の全共闘以上の過激な闘争戦術への反発より、香港政府の現状への反発の方が上回ったのだ。
また香港デモ隊の場合、共産主義革命と比べ、主張が現実的で妥当であり、デモ隊内部の党派対立がかなり抑制されてる事。また、境界を接する”宗主国=中国”の介入の可能性が排除できない為、緊張感が強い事なども、往年の日本の学生運動との相違点だ。
とはいえ、東アジアにおける過去100年以上の革命や学生運動の中で、”香港デモ”と一番近い事例が日本の”全共闘運動”である事は、皮肉ではある。
エリートによる劇薬や爆弾の準備
香港理工大は11月第4週までにほぼ陥落したが、大量の投降者や逮捕者が出た一方、600人近くが逃走に成功した。
親中派の香港メディアが学内関係者の証言を紹介した所では、学内から大量の危険薬物が持ち出されたという。これは中文大も同様で、硫酸などの危険物を持ち出した形跡があったらしい。
中文大事件では警察の進撃を食い止める為、学校に繋がる橋の爆破が計画された。これらの爆弾も中文大生が作ったとされる。
勇武派には中高生やブルーカラーの若者もかなり参加してるが、強力な爆弾の製造は専門知識が必要なので、エリートが作ってるのは容易に納得できる。
中文大の立てこもりでは、学内の医療関連物資も大量に外部へと持ち出された。こちらも持ち出しにパスワードが必要な類の物資である為、学内の人物が手引きを行った可能性も高い。
香港デモは11月以降、警察とデモ隊双方の攻撃がより激化した。理工大事件で警察側は軍用小銃アーマーライト15を見せつけ、周囲にいたデモ隊以外の野次馬まで見境なく逮捕した。
これに対しデモ隊側も、走行中の警察装甲車両に多量の火炎瓶を投げて大炎上させた。それ以外にも、弓矢や投げ槍など殺傷力の高い武器を使用し、もはや警察側に死者が出る可能性を厭わない。
区議会選は民主派の圧勝に終わったが、明らかにデモは継続されていく。今後に香港政府が民主派議員の権利を制限したり、不当な逮捕を行ったりする悪手を踏めば、さらに過激な抗議行動が起きるだろう。
今後のデモ現場において、高性能の劇薬や爆弾が用いらる可能性も高い。
しかも、デモ隊側に大量の逮捕者が出た理工大事件は、全共闘でいう”安田講堂”の位置づけだけでは留まらない可能性がある。安田氏が最も懸念するのは、香港版の”大菩薩峠事件”にならないかという事だ。
香港デモと浅間山山荘事件の類似
”大菩薩峠事件”とは、全共闘運動から生まれた過激党派の赤軍派が1969年11月、首相官邸や警視庁を鉄パイプ爆弾や火炎瓶で襲撃した。しかし、赤軍派が逮捕者の奪還を図る”11月戦争”計画の準備の為に山小屋で合宿をしていた所、警察側に踏み込まれ52人の逮捕者を出した事件だ。
つまり、当時の日本で一番危ない”勇武派”の精鋭部隊が、一網打尽にされた事件でもある。
しかし、事態はこれでめでたし・・・では、終わらなかった。
戦力の弱体化に焦った赤軍派の残党はより過激化し、銀行強盗で革命資金を奪うM作戦を多用した他、有名な”よど号ハイジャック事件”(1970/3/31)を引き起こした。
また、中心メンバーが逮捕され、2線級の人材だった森恒夫が最高指導者になった結果、後身組織である連合赤軍が暴走。内部の総括で同志12人を殺害した”山岳ベース事件”(1971−72)や、警官側に死者を出す銃撃戦になった”あさま山荘事件”(1972/2)を起こす事になる。
他にも1970年代の日本では、赤軍派の行動に刺激を受けたとも見られる他の新左翼諸派やノンセクト(党派に属さない過激派活動家)が、警官の個人宅に爆弾を送りつけ、夫人を死亡させる事件など、様々な爆弾闘争を行った。
こうした一連の事件が、市民の学生運動への支持を失わせた事は言うまでもない。普通のデモ活動にすら拒否感が強い現代日本の一般人の”常識”も、事実上はこの様な”拒絶感”によって成立してるのだ。
混乱はまだまだ続く
香港デモにおいても、理工大に立てこもった勢力は、勇武派の最精鋭部隊が多数含まれていたとされる。デモへの市民の支持はかなり強いものの、勇武派の人数は多くても1万人程度だが、高い戦闘力を持つ精鋭はおそらく数百~1000人程度である。
しかし、今回の理工大事件にともなう大量逮捕で、勇武派は少なからぬ兵力を無力化された事になる。
一方、関係者に聞いた話では、勇武派の精鋭チームの1つ”屠龍”は、理工大事件に先立つ中文大の攻防で負傷者が続出して戦線離脱し、結果的に勢力を温存したとされる。
また、警官の個人情報暴露などを行う反警察感情が強い別の勇武派チームも、理工大の落城から全員が逃げ延びたとされる。
兵力を減らしつつ、強力な武器を手に入れてしまった(可能性が高い)過激な勢力が、今後どういった闘争方針を選択するのか?ちょっと怖い想像も浮かぶ。
勿論、現在の香港で往年の日本の様に過激派が世論から浮き上がる状況は生まれてはいない。
11月に入り、やや暴発気味だったデモも、選挙前の数日間は衝突が一切起きず平穏な日々が戻った。これはデモ側が運動の暴走を十分にコントロールできる統率力や判断力を維持している証明だろうか。
しかし、騒動はまだまだ続きそうだ。今回の香港デモは少なからぬ面で”全共闘”と似た面を持つが、もちろん相違点もある。
この”異なる部分”が今後も活かされる事で、”全共闘のその後”と同じ末路を辿らない事を祈りたい。
以上、JPPressから長々と引用でした。
香港は今や戦場になった
今回の香港デモはいろんな論調が繰り広げられている。中国共産党からの視点では、共産党の危機を大げさに煽るし、香港政府の視点からは、香港独立を匂わせる。
勿論、暴動する若者の視点から見つめれば、日本の長〜い夏の”全共闘”を彷彿させる。
私自身、単なる若者の一時的な熱暴走と見下してたが。香港という二国(イギリスと中国)に支配された複雑奇怪な歴史が、単純にこの様な暴動を生んだとは言い切れない面もある。
力だけでは、共産党支配への永続的な賛同を得る事はできない。しかし、今の中国共産党には、力づくで抑えるしか他に方法がないのも、明確な事実ではある。
民衆の怒りか?大国の圧力か?香港の若者はどう動き、共産党幹部はどう対処するのか?世界中が熱い視線を送る中、隣国の日本は”対岸の火事”として見る事は出来ないだろう。
最後に、福島香織さんのコラム”日本人が香港デモに無関心のままではいけない理由”で締め括る。
米国は”香港人権と民主主義法”という立法をもって中国に圧力を掛ける方針だが、日本はこのまま無関心を貫いていいものか?
来年春に予定される習近平主席の国賓としての訪日の影響が一番の問題だ(新型コロナ感染拡大により日程は延期)。予定では、習主席は天皇陛下との特別会見が設定される。
中国共産党の歴代政権が、日本の天皇陛下との会見を国内に向けての権威強化に利用してきた経緯は今さら繰り返す必要はない。
しかし、香港情勢がこのまま悪化し、解放軍を出動する最悪の事態になれば、天安門事件後の天皇陛下訪中と同様、軍によって学生デモを鎮圧した専制政治に対し、”日本の天皇陛下が権威付けを行った”と、国際社会から受け取られる場面も想定される。
香港の今の状況は、決して偶発的なものではない。100年に一度の時代の変わり目であり、世界の価値観と秩序再構築期に入るからこそ起こり得る現象だ。
大きく言えば、これまでルールメーカーであった米国と新たなルールメーカーになろうとする中国との価値観•秩序の衝突である。つまり、”開かれた自由主義”と”管理された全体主義”の対立。
この2つの対立は世界各地で起きているが、香港で激化し、解決が一層難しそうに見えるのは、”自由と民主”を尊びながらも、名目上は中国内の“漢族社会における対立”だからだ。
一方、香港問題を極東アジアにおける自由と専制の対立と見れば、香港がこのまま中国化されれば、東シナ海から南シナ海における自由主義陣営のプレゼンスにも影響する。
逆に、香港の自由主義的が守られれば、それは中国の閉じられた全体主義世界の中で、唯一西側世界と繋がる玄関になり、世界の完全な分断を防ぐ役割を担う事になるかもしれない。その存在が日本にとって、どれほど価値あるものかは言うまでもない。
アメリカの様に、”政治的に介入しろ”とは言わない。そんな外交力は今の安倍政権にはない。
しかし、日本人一人一人が香港問題に関心を持ち、香港問題の本質が自由主義と全体主義の衝突という時代の行方を左右する戦いとして見る事は、日本が過去に犯した過ちを繰り返さない為にも必要かもしれない。
米中お互いにバカップルになって、崩壊という事になれば、地球にはその方が優しいんでしょうか。
ホントどうなるんでしょうか?爆発感染が起きたら、米中も終わりそうです。
武漢ウィルスと呼んでいる
米中がコロナ戦争を仕掛け
米中共存の世界市場淘汰を
謀るかの如き様相だが
果たしてデカップリングの
行方は如何に
今でも夜な夜な高給クラブ通いしてたんでしょうね。芸能人の半分は感染者かも?
今の時期に夜桜を見る様なアホな連中があふれればロックダウンはあり得るかもです。
ヨーロッパ各国の信用も台無しになった訳ですから、WHOとの癒着が大きなマイナスイメージになりました。お陰で世界がパンデミックに対し、一挙団結しませんね。
結局、まだ世界はアメリカに右へ習えなんですかね。
注目されてるけど
あの時代だったら
安倍もギロチン台に
立たされていたかも
安保闘争で安倍の爺さんが
国会を取り巻くデモ隊に
命の危険を感じたそうだが
今はギロチンもゲバ棒もなく
コロナがその代わりか
だが岸のDNAを濃厚に受け継ぐ安倍は
ウィルスそのもので
今後もシブトク生き続けていくのかナ~
しかし、中国から伝搬した新型コロナ感染拡大の影響で、香港デモ隊と香港政府は一時休戦の状態になり、
これからの出方に注目されますね。
個人的な見方としては、新型コロナ感染拡大の影響で中国の”一路一体”が頓挫し、これが台湾独立や香港独立のひと刺しになりそうな気がします。