夢の中で私はある疑惑をかけられ、それが元で命を狙われていた。
3億円ほどの遺産を不正に相続したという事で、ある者が依頼した殺し屋に狙われてるという。
しかし、私が相続したのは実家の家屋と広い庭だけで、他は何もない。
一応、警察にも相談し、潔白は証明されたかに思えた。
しかし夢の中ではだが、そうは行かなかったらしい。
警察も微妙で、”アンタの潔白は理解できたが、相手が相手なんだ。引き下がりそうにもない”と曖昧な対応に終始する。
私は我を失った。
”何だその対応は・・俺が潔白なのは証明済だし、何ら逆恨みされる筋合いはない。これじゃまるで、指名手配の男じゃないか!”
”そうは言ってない。こっちもどうしようもないんだ。法的には潔白でも、相手がアンタを本気で殺す気でいれば、話は変わってくる”
”無実の私が何故、殺されなきゃならないんだ。そんな濡れ衣を着せられた無実の国民を救い、悪とワルを逮捕するのが、アンタら警察の仕事だろ”
”でもね。濡れ衣って言うけど、アンタ怪しい所もあるんじゃないの?悪いけど、そういうのって庇いきれんのよ”
潔白は必ず勝利する?
私は腹を括り、警察に頼るのを諦めた。
自分の潔白だけを頼りに生きる事にした。不安は一切なかった。いや、そのつもりだった。
私は半ば自暴自棄に陥っていた。
”殺すなら殺してみろ。俺は何処にも逃げない。真実は必ず勝利する”
そう信じた私がバカだった。全ての事象には確固たる考察と証明が必要だ。が、私はそれを怠った。しかし、楽観主義的なムラ社会の幼稚な掟が私を励ましてくれた。
”成せば成る。いや、信じる者は救われる。ましてや、こんなド田舎に殺し屋なんている筈がない”
私は自分に何度も言い聞かせた。やがて、毎晩の様に飲み歩き、私は常にパラダイスの頂点に君臨していた。
しかし、全てには終わりが来る。
ある日、(勝利をほぼ確信した)私は真っ昼間から外人パブで呑んでいた。私はほろ酔い加減になり、命が狙われてる事をスッカリ忘れていた。
すると、ある中堅のホステスが複雑な表情を匂わせ、私に近づいてくる。
”アンタ、もしかしたらTVに映ってる人?”
大型のスクリーンを見ると、それは私そのものだった。私は指名手配の男みたいに全国に映し出されている。
私はパブを飛び出し、殺し屋を敢えて追う。奴の背後にまわり、決着をつけるつもりだった。
一方で、警察は殺し屋の情報を全て握っていた。あえて、私を指名手配の男として公表したのは、殺し屋から私を守る為でもあったのだ。
つまり、警察は本気で自分を助けようとしていた。でも私は、命を賭けて決着をつけようとしている。殺し屋を捕まえ、彼を雇った奴の正体を暴くつもりでいるのだ。
近くの行き慣れたスーパーに立ち寄ると、方方でざわめきが起こっていた。やがて店長がやってきて、私の耳元で囁く。
”不審な男が近くをウロウロしてるらしい。すぐにここから逃げた方がいい。とにかく迷ったら警察に駆け込む事だ”
私は首を振った。
”もうここまで来たんだ。多分逃げられやしないし、殺し屋だって私が逃げる事は想定内だろう。それに、私を嵌めた奴も逃げ道のルートは全て抑えてる筈だ。だったら、敢えて相手の懐に飛び込んでやる。とにかく、自分を罠に嵌めた奴を・・・”
その時、レジ打ちのオバさんが言い放つ。
”なに、平和ボンボンなこと言ってるの。そんな事したら簡単に殺されちゃうよ。とにかく、すぐにここを離れて警察に保護してもらうこったね”
私はスーパーを飛び出し、自宅の方へと向かおうとしたが、パトカーが停まっている。
警官は方方に散らばり捜査してるらしく、運良くパトカーの中には誰もいない。そこで無線から時折流れてくる情報を傍受し、殺し屋の跡を必死で追う。
案の定、100mほど先にある小さな橋の麓に殺し屋らしきの男がいた。
まるで「ゴルゴ13」に登場する様な、ド派手なライフルを構えた(定番の)黒いスーツの男ではないか。
”こいつは漫画の主人公か?それともバカか?”
肩透かしを食らった感じで少し笑ってしまったが、あまりにも目立つので遠くからでもはっきりと認識できる。
”こいつなら簡単にオトせる”
私は殺し屋の背後に巧く回り込んだつもりでいた。男からライフルを奪い返し、銃座で頭に一撃を加え、私を罠に嵌めた奴を誘い出す気でいた。
だが私は強引すぎた。私の位置情報もバレバレだった。つまり、相手が一枚も二枚も上だったのだ。
私が何かの影に気づいた時には、既に遅かった。そしてその時、夢から覚めた。
最後に〜「ゴルゴ13」とデューク東郷
正直いうと、人を殺す夢よりも殺される夢の方が気楽である。そういう意味では、漫画みたいな夢だった。
金髪の美女が登場してくれればもっと楽しめたのだが、「ゴルゴ13」風の男だけで良しとしよう。
因みに、漫画「ゴルゴ13」だが、作品の殆どには狙撃の依頼者がいて、コードネーム”ゴルゴ13”ことデューク東郷に特殊な依頼ルートを経由して接触する。
単行本の刊行数は単一漫画としては世界一となる207巻を数え、ギネスにも認定されている。また、連載期間は52年11か月となり、同一作家による連載漫画としては日本で4番目の長さとなる(ウィキ)。
作家のさいとうたかお氏だが、私と同じ母子家庭の出である。女手1人で5人の子を育てたお袋は、さいとう氏の漫画を(死ぬまで)職業として認めなかったという。
長寿系漫画の流れとして、”いつも変わらない”というのがある。よく言えば、時代に流されない。悪く言えば、ワンパターン。
それでも、デューク東郷は53年近くも超一流のスナイパーを演じた。まるで男みたいな線の描写の金髪女?を好きなだけ抱き、自慢の飾りっ気のない無機質な角刈りは時代をも風靡したと言える。
そんなレジェンドな殺し屋と共演できた夢を見たんだから、とても光栄なことである。
しかし、夢の中に登場したデューク東郷っぽい男は、2次元平面上に描かれた薄っぺらな男に過ぎなかった。
さいとう氏も語る様に、漫画の偉大さは”平ペッたい紙だけで映画が出来る”事にある。同じ様に夢の偉大さは、眠ってる脳内だけで短編映画が作れる事にある。
私の場合、夢の中だとしても3億という遺産相続がトラブルの本質であって、そういう意味では単純な逆恨みとも受け取れます。
しかし、ビコさんの場合、なぜここまで拗れたかがよくわからない。
ビコさん側の視点で判断するからでしょうが、トラブルの本質が不透明なんですよね。
精神病薬についての意見が食い違ったのも一因でしょうが、精神病薬で苦しんでる人もいれば、逆に助かってる人もいる。故に、それが原因だとは考えられない。
私に言えるのはここまでですが、ビコさんの一番身近な旦那さんも心配しておられると思います。
今の警察も裁判も世間の顔色を伺いながら・・ですから、旦那さんを信じてデーンと構えてるのが一番のような気もしますが。
答えになって無くてスミマセン。
精神病薬を常用してる人は時としてキレる傾向にありますよね。
昔、私のフォロワーさんで二人ほど精神病薬を常用されてる人がいましたが、突然キレて空中分解されました(笑)。
多分、ビコさんを追い詰めた人は自分で自分をコントロール出来なくなってると思います。
それだけ、心が折れそうな人達が微妙なバランスでネット上の仲間を形成する。
”灯台もと暗し”の如く、SNSも所詮はネクラ人間の集団かもですね。
そういう意味では、ビコさんはネアカだから、嫉妬されるのかもです。
これまた、答えになってなくてスンマセン。