さて、後半です。多少読み辛い点が登場すると思いますが、ご勘弁を。写真は、アーサーミラーとモンローの挙式です。ホント念願が叶ったという表情をしてます。一番幸せな瞬間だったんですね。歓びがここまで伝わってきそうですが。この後が散々です。これも、結構修正加えたので、日付を新しくしてます。悪しからずです。
モンローに関する本は、他にも沢山出てますが、これが最高傑作だと読み始めた瞬間に感じたもんです。まさにモンロー大全と言えますね。英国特有の紳士的でスクエアな表現と実直な執念がとても気に入りました。 読者の心臓をえぐる様な悍ましい描写は、この作品の中核を成します。
モンローと言えば、ジョーディマジオとの結婚が有名なんですが。この結婚はあくまで後の2年後のアーサーミラーとの結婚までの単なる"つなぎ"というか、ダミーみたいなものだった様です。製作会社と役柄やギャラについて大揉めし、気分転換とイメチェンが目的だったんでしょう。極秘の日本での新婚旅行が大きく話題になったんですが。
ただ、彼女は日本がとても好きになったんですね。貧しくとも慎ましい所が。敗戦後の健気な島国が、自分の悲惨な境遇に相通じたんですね。ホント、日本での彼女は美しかった。28歳のモンローは、生涯で一番輝いてたかもです。帰国したら、絶対本人のメイドを雇うわと言ったとか。
肝心のディマジオとの新婚生活ですが、初日から大荒れで、殆ど別居状態だったらしいです。日本に到着した時、既に彼女は手に怪我をしてましたから。何とディマジオに指をへし折られてたとか。モンローはそれすら隠してたんですね。朝鮮半島で戦ってる米軍基地への慰問が原因とされてますが、それ以前に衝突してたんですな。広島や福岡では、ホテルにたった独りで篭り、絶縁状態だったそうです。
実を言うと、モンローはディマジオと会う前に、ミラーを既に知ってたんですね。一目惚れした彼女は、彼を未来の旦那様よと親しい仲間に言いふらしてたんです。でも、ミラーの結婚生活も仕事同様、安定期にあったから、流石の彼女も手が出せなかった。ミラーも絶頂期にあるモンローに一目惚れしてた。
その彼女も、赤狩りで窮地に追い込まれてた、このユダヤ系作家を事ある毎に、裁判所で答弁し、資金援助もしてたというから、ディマジオと会う前に出来てたとも言えますね。
日本から帰国後、彼女はディマジオと別居し、離婚が成立するに1年程掛かってますが、ディマジオも結構粘ったんです。モンローにしてみれば、最初からこれっぽちも愛してもいない、用無し男に、とんだ迷惑だったでしょう。彼女は、学のある教養豊かな人が好みだった。"馬並みねよ、あなたの頭もアソコも"と言ったとか。
そういう訳で、ボンクラの"馬並み男"と別れ、理想の旦那である、アーサーミラーと念願の結婚をするのは、メデタシなんですが。これまた、新婚初夜からミラーは裏切られる。中絶や流産の繰返しで、アソコはボロボロだったんですね。"離婚した俺が馬鹿だった"と前女房に打ち明けたとか。モンローが30歳の頃で、世界を誘惑した、処女の様な寛容で無垢な優しさと、優雅で魅惑な美貌も下り坂になってたのでしょう。
モンローも地獄耳だから、その事は薄々感じていて、自暴自棄に成りかけた彼女は、ミラーと折角身籠った子供を死産する。私はこの死産こそがマリリンを最終的に追い詰めたと私は断言する。彼女はこの理想の男との結婚に全てを掛けてたのだ。案の定、この頃から睡眠薬や薬物に手を出し始め、精神を患い、精神病院に入り浸りする。破廉恥な奇行や狂乱、錯乱が目立ち、5年続いたミラー氏との結婚生活も破局する。
モンローの致命傷は、少しでもウンザリすると、全てを駄目にしちゃうんです。自分も周りも。直ぐに、感傷に逃げ込むんです。彼女程の才気溢れる女性にしては、ホント勿体ないですね。論理的に物事を組み立てて考えるという事を。思考を広げる事の大切さを、小さい頃に教わっていないのです。ま、ケネディ兄弟もディマジオも、同じ様なモンですが。そういう意味では、マフィアの方がずっと上を行ってたんですね。
という事で今日は、ここまで。(2/15)