先日書いた「法要はペテンか?」の後編を書きたいと思ってるんですが、どうも(母方の)親族らに見張られてるみたいで嫌な予感がする。故に、もう少し時間をおいて紹介しようと。念には念をという事で、悪しからずです。
そこでお茶を濁す筈もないんですが、1ヶ月ほど前に見た変な夢の紹介です。
私はある警察署で、任意の事情徴収を受けている。
勿論、夢の中での話である。
”何か悪い事でもしたのだろうか?”
確かにそういう思いもなくはなかった。
私の目の前には人の良さそうな若い男がいたが、とても警官には見えない。
男は口をゆっくりと開いた。
”本当は、こんな事件は扱いたくないんだけどね。一応仕事だから・・・”
”でも、私が何をしでかしたっていうんですか?ここに連れてこられるような事は思い当たらないんですが”
男は私を遮った。
”いや何をヤッたかというより、何が積んであったかといった方が正解かな。つまり君の車のトランクの中の<ブツ>が問題なんだ”
”その荷物がどうかしたんですか?”
”ああ、その荷物が大きな問題で、こっちも困ってんだ”
その時、夢の舞台が変わった。
休憩室
私はある休憩室にいた。
その部屋には、窃盗犯や家出少女や不良女、それに娼婦らしき女もいた。
まるで、犯罪者か容疑者の寄せ集め的な集団部屋で、皆が皆口を固く閉ざしている。
私は自分の置かれてる立場を初めて理解した。
”私は疑われている”
その時、ある家出少女の家族が訪問してきて、飲み物の差し入れを持ってきた。
その家族の1人が私の座ってるテーブルに近づいてきて、一杯のお茶を差し出す。
若い女性は何気なく呟いた。
”あなたはどういう容疑でここにいるの?”
私は顔を上げ彼女を見た。どう見てもごく普通の女性であった。少なくとも家出少女の家族とは思えない。
”それが全く思い当たらないんです。午前中も色々と聞かれたけど、何も思い出せない。それに、トランクの中の荷物がどうのこうの言われても、見覚えがないんだから”
女は怪訝な顔を見せた。
”もしかして、運び屋?”
私は思わず笑った。
”アハハハ!そんなんだったら、こんな呑気な集団部屋にはいない筈だよ。もっと専門の捜査官が私を扱いてるね”
女も笑った。
”でも無視できないものが積んであったということよね”
”そう、その何かがわからないんだ。警官も教えてくれないし・・・”
その時、取り調べの男がやってきた。
”そろそろ午後からの取り調べに入ろうか”
私は目の前の男に訊ねた。
”その前にトイレは何処にあります?”
”この建物を出て、すぐ右側にある。俺は取調室にいるから、そこに来てくれ”
私は女に会釈して、建物を出てトイレに向かった。
ベテラン刑事?
建物の外は全くの別風景だった。
警察署にしては、きれいなトイレだった。私が用を足してると、1人のベテラン刑事風の男がやってきた。
”ここの食事は気に入ったかね?”
”意外にきれいな食堂で、ビックリしてます。それに、そこそこ美味しかったですよ”
中年男は笑った。
”ハッハッハ、美味しかったか!私はね、長年ここにいるけど、ここの食事にはいつもウンザリするんだよ。だからいつも文句ばかり言ってんだ”
私は午後からの取り調べの事を考えていた。
中年男は真顔に戻っていた。
”何でもそうだが、相手が警察だからといって、全て正直に話す事はないんだぜ。俺たち警察だって、陰じゃヤバイ事やってるからな”
”お互い様って事ですか”
男は頷く。
”まあ、互いの駆け引きってとこね”
”でも思い出せないんですよ。トランクにあった荷物なんて・・・”
”それはアンタのものだって証拠はあるのかな?”
”いや、その荷物の中身がわからないし、教えてくれないから、思い出しようがないんですよ”
男は少し微笑んで、私の方を叩いて去っていく。
”とにかく、知らんふりを突き通すこったな”
私はトイレを出て、取調べ室へ向かおうとした。
そしてその時、再び夢の舞台が変わった。
野菜泥棒
私はある広場にいた。
そこには沢山の野菜が山のように積まれている。
どんな野菜だったかは記憶にないが、大きな一塊ずつがビニール袋に包まれ、山のように積まれていたし、比較的新鮮なものばかりだったように思う。
野菜大好きな私は周りを見た。真っ昼間なのに誰もいない。
2、3程の野菜の塊を車のトランクに載せようとしたが、あいにくトランクには白い袋の荷物で満杯であった。
後部座席に積み込むと、欲が出てしまい、もう何袋かの野菜を詰め込んだ。
もう一度周囲を確認し、車のエンジンを始動させようとした時、チョコレートの塊がバックミラーを通じて目に入った。
私はもう一度、”野菜の山”の方に向かった。すると、沢山のアーモンドチョコレートの箱が散らばってるではないか。
箱の中を開けて、口にしてみるととても香ばしく美味しかった。ひょっとしたら賞味期限を大きく切れてるのかと思いきや、そんな感じでもない。
1つ1つ拾うのも面倒なので、すぐ近くを見ると、大きなダンボールが目に入った。ダンボールの中はそのアーモンドチョコの箱がぎっしりと詰まっている。
”新鮮な野菜に大好物のチョコレートか。今日はツイてるな”と思い、チョコが詰まったダンボールを担ぎ上げ、車の助手席に放り込んだ。
私は不思議に思いながら、車を運転していた。
”確か俺は警察に捉えられ、取調室で絞られてた筈だ。でも、今はこうして自由の身で、それに野菜とチョコレートをただで手に入れる事が出来ている。
これも神のお恵みなのだろうか・・・”
自宅に戻ると、車庫の前に一人の若い女がいた。
”今日は何を積んできたの?趣味の悪いやつだったらゴメンだわ”
私は後部座席のドアを開け、大きな袋に包まった野菜の塊を取り出した。
女はうんざりする様な表情を浮かべる。
”野菜って何よ!こんなんじゃ一銭にもならないわ!”
”バカ言え!今は野菜が高騰してるんだ。これだけあれば、1ヶ月は余裕で持つ。我ながらラッキーな1日だったね”
女は助手席のダンボールを眺めていた。
”へえー、アーモンドチョコって食べるの何年ぶりかしら?”
私は自慢げに笑った。
”大したもんだろ!製造年月日からすれば、工場から出荷したままのやつだろうよ。足がつくと思ったのか、そのまま捨てていったんだろうな”
女は黙々とチョコレートを頬張っている。
”チョコは問題ないけど、トランクの中の(ヤバい)袋はどうするつもりなの?”
私は車の後ろに周り、トランクを開けた。
すると、白い袋がぎっしりと詰まっていた。
”まさか、俺はこれで警察に疑われたのか?”
私は白い袋を1つ取り出し、結び目を解こうとした。
その時、女が囁く。
”ここで解くのは、ヤバイんじゃない?”
私は女の顔を見た。全く見知らぬ女である。
”この女は何者?そして俺は誰?”
頭の中が混乱し始めた時に、夢から覚めた。
最後に〜”万引は泥棒の始まり”
不愉快なようで、愉快でもある夢だった。
でもその夢の中での私は、”野菜泥棒”だったのである。
勿論盗んだのは野菜だけじゃなく、チョコレートと白い袋である。
”万引は泥棒の始まり”というが、それを地で行くような夢物語である。
夢には、人間の本性が出ると思っている。
つまり、私の本性は泥棒なのかもしれない。
でも塞ぎ込んでた私には、こうした愉快な夢も必要なのかもしれない。
私が小さい頃、「ドーベルマンギャング」(1972)を観て、無性に銀行強盗になりたかった記憶がある。
人に最も忠実で賢いドーベルマンを飼いならし、銀行強盗を働くという奇想天外な強盗たちの物語だが、実に爽快で子供でも十分に楽しめる作品だった。
ただ、この映画で一番印象に残ったのが、リーダーの愛人で、大人の女っていろんな事考えてんだなって感心した記憶がある。
勿論万引は犯罪だが、頭の中で思い描くだけでもストレスや鬱憤を晴らすことはできる。
でも白い袋の中身って、やはりヤバイものだったんだろうか・・・
愛人は少しケバかった印象がありますが、あの頃はケバい金髪にゾッコンでした。
時代を感じます。
懐かしすぎる名作の一つでした。
ギャングのリーダーの愛人って結構美人だったですよね。
「パン屋再襲撃」と同じで、お金は盗まないんですよ。でも、トランクの中の白い袋がとても気になりますよね。
やはり夢って、何かを暗示してるんでしょうか?
あの短編も呪いを解くためにパン屋を二度襲うんですよね。
マクドナルドを襲うんだけど
実際にはビッグマック30個だけを注文するだけでした。でも女房はそこまでして呪いを絶ちたかったんですよね。
何も暗示はないと思うんですが。
ただ小さい頃(幼稚園)、ダンボール一杯のアーモンドチョコレートを食べた記憶があります。
ひょっとしたらそれが夢に出たのかな??