お宮掃除の老人と血圧計と粘着ラップ

ムラ社会の老人ほどシブトイ

　このクソ暑いのに､隣組慣例のお宮掃除である。無視したいが､”出不足”との名目で3000円を搾取されるから､仕方なく参加する。
　たかが3000円の為に､腐れ果てたお宮を掃除する私も情けないが､お袋が生きてた頃はこうした面倒な事は全て任せていた。
　一方で､”脱隣組”を密かにはかる私は､お宮掃除の免除を申し出たいが､今の隣組にはそんな空気は殆どない。”たかが年に2回なのにだ”って声も聞こえそうだが､そのたかが2回が私には苦痛なのだ。
　更に”熱中症対策は各自でお願いします”とあるが､言い換えれば､高齢者が熱中症で死んでも責任は持ちませぬって事だ。事実､かなりヘバッてる老人も目立っていた。
　記事でも書いたが､高齢者は熱中症で簡単に死ぬ。が故に､”各自で”というのは無責任すぎるのだ。

　冷静に考えれば､こうした無駄な行事は無視すればそれだけで済む事だが､一応は私も村社会の住人である。どうも微妙な情けが邪魔してしまう。つまり､隣組の空気を読み過ぎるのだろうか？”右へ習い”型の日本人の協調性というのも､時として罪で悪なものである。
　結局は､村社会の高齢者は皆､お宮掃除という行事が大好きらしい。いい歳して出会い系に群がる糞オヤジと同じで､クソ暑い中の草むしりもお祭りに思えるのだろう。全く目出度い事である。
　勿論､何人かは若いのがいるが､”不都合な果実”状態なのは言うまでもない。

　ただ一番悲しいのは､このクソ暑いのに誰も不平不満を漏らさない事にある。お宮掃除の矛盾に気付いていないのか？気付いてるのに知らんふりしてるのか？それとも痴呆症が進み”崩れ落ちる老人”に過ぎないのか？
　老いた背中を見れば明白なのに､誰も愚痴の1つも発しない。戦後生まれの私には､ムラ社会の老人のシブとさには頭が下がる。1億総玉砕とは､そんなシブとすぎる精神が生んだ悲劇でもあろうか。
　ロバート･キャパが今に生きてたら､こうしたムラ社会の哀れな老人の姿をどう切り取るのだろう。悲劇として切り取るのか？奇劇としてせせら笑うのか？

血圧計を落としてもた

　健康診断で”高血圧らしい”と判断され､毎日血圧を測った方がいいと言われた。が､数万円も出して国産医療メーカーの血圧計を買う余裕はない。
　しかし､(旧年式の)型落ち品で検索すると､結構安いのがヒットした。最近の血圧計は電池式のコンパクトな持ち運び型が多く､ヤフオクで探しても､血圧計の殆どが電池式である。
　勿論､AC電源式もあるが､ACアダプターは別売りで､中古でも2千円近くするし､ヤフオクでもACアダプター付きは限られる。
　但し､単3乾電池だけでも測定できるが､血圧計は上腕に巻いたカフに空気を送り込む為､結構な電力を必要とする。故に､電池だけではパワーが十分ではなく､正確な測定が成されない事の方が多いと聞く。

　因みに､血圧計の国産メーカーには､オムロンやテルモにタニタ､モリタやA&Dなどがあるが､今回私が選択した上腕式血圧計は､ACアダプター付きの新品でも3~4千円台で売られてるA&D社の”UA-654 PlusAND”(2021年製)の中古をヤフオクで検索した。
　千円ほどで手に入るのなら､すぐに落としたかったので､即決980円の送料520円で出品されていたのを迷わずにポチる。というのも､いち早く血圧を測りたかったので”善は急げ”､いや”買いは急げ”という事で､落札した日の翌日には血圧計が届いた。

　確認を兼ねて早速､血圧を測ってみる。
　モノは新品に近かった。メモリーを確かめると7件ほどが記録されれてたが､カフも殆ど草臥れも汚れもなく､空気を送り込むゴムチューブも殆ど新しいままだ。不整脈検知も付いてるから､機能的には最低限満足行くものである。
　ただ､真っ昼間に測ったせいか､最初の表示は上が180で下が97と異常なまでの高血圧を示したが､更に何度か測るうちに155ー88という正常値高血圧に落ち着く。
　因みに､翌日の早朝に4度ほど測ったら､上が170〜150で下が95〜85と､健康診断時よりやや低い結果となった。

　結論から言えば､買って正解だった。勿論､測り方によってそれなりの誤差が出るが､何もしないよりも､ずっと有効な血圧対策になる。いや､そう思う事にしよう。少なくとも､何もしないで”崩れ落ちる老人”にはなりたくはない。
　

最後に〜粘着ラップ

　厳密には”プレスンシール”と呼ばれ､粘着性がある事から､従来のサランラップに比べ､食材や食品を密閉に近い状態で包む事ができ､より良い状態で保存する事が出来るとある。
　実際に試してみると､スーパーで見かける肉や魚をパックする業務用ラップみたいに､ハリがありピタリとひっつく。更に､伸び縮みがあり､貼り直しが効くから､無駄がない。
　CFなどでよく見かけるが､ジュースを入れたコップに張れば､逆さにしても溢れない。特に夏場は､密閉性を良くしないと冷蔵庫に入れた食材はすぐに痛むから､大助かりである。
　更に､信心深い？私は､仏壇や神棚に毎晩の様にお供え物を上げるのだが､小ネズミが喰い漁るので一々ラップで包む必要がある。だが､通常のラップは粘着性がない為に隙間が空き､そこから喰い荒らされる。
　お陰で､お供え物に群がる小ネズミがに悩まされる事もない。　
　地元のスーパーでは､22cm×50mで159円で売られてたが､普通のラップが同サイズで118円だから､まさに”買いは急げ”である。

　という事で､お宮掃除以外は”善は急げ”であるが､隣組やお宮掃除という慣例の悪害が日本の島国から消え去るのは､何時の事になるのだろう。
　多分､私が死んだ後も､この悪しき慣例は続きそうな勢いだが､悪害はその時点で潰さないと､しつこく蔓延る。
　まるで､お宮掃除にしつこく群がるムラ社会の老人みたいに・・・