昨日、”カルロス・ゴーン”ブログにアクセ頂いた方有難うです。でも何だか最近は興味薄れましたな。レバノンのハゲ親父を絞っても不正以外に何が出るんかいなって感じで。民事で総資産をぶん取り、リオのスラム街に放り出して、ハイ終わりっていう事で。
さてと、2017年版の「オリエント急行殺人事件」を見た。これと言って借りたいビデオがなかったので、仕方なく借りた。そして案の定、期待ハズレだった。 駄作と言える程に脱線する事はなかったが。豪華オールスターキャストの割には、凡作中の凡作に思えた。事実専門家の評価も賛否両論で、100点満点中50点前後という感じで、当然かなと・・・
主役を張るジョニー・デップは、マンネリ化した新鮮味のない悪役を演じ、存在感以前の問題に思えた。ミシェル・ファイファーも唯の老婆に見えたし、監督を兼ねた探偵ポアロ役のケネス・プラナーは少し出来過ぎに思えた。
宣教師役のペネロペ・クルスに至っては単なる婆さんに映ったし(笑)。ウィレム・デフォーも往年の名女優ジュディ・デンチも、全くやる気が見えてこない。唯一、家庭教師役のデイジー・リドリーが非常に魅惑的にブリリアントに輝いてた。唯一彼女だけが救いだった、”凡作”という名のオリエント急行でもあった。
特典を見れば、大掛かりなCGが使われてるようだが、その必要は殆どなかったように思う。長年使い古された”寅さん的”ネタだけに、脚色のしようがないのだろう。
制作に携わったリドリー・スコットも流石にお手上げだったか。こういうのを”名作疲れ”とでも言うのか。
個人的には、アガサ・クリスティーの古臭い腐ったネタを、新たな視点と角度で掘り起こして欲しかった。いくら人気ある伝統ある探偵ネタも、時代が変われば錆つき腐敗する。
チャンドラー程に個性とアクが強ければ、古くなっても味わいと深みが増すが。クリスティーの推理モノは平坦化過ぎて、どうもマンネリ化が目立つ。少しキツイ言い方ですかな。
彼女の小説は悪く言えば平坦でワンパターン、良く言えばエレガントで大衆的。ハーレクイーンロマンスや西村京太郎の鉄道モノ同様に、安直で幼稚な造りに思えなくもない。大衆的で言えば、団鬼六の官能モノが、オレ的にはずっと斬新に思えるが(笑)。
一方で、スターキャストを揃え、高級感溢れる豪華列車、美術、映像など細部までゴージャスにかつヴィジュアルも楽しめるエレガントな映画であるとして、女性受けする名作との声もある。ホントかな?
事実、こんな凡作でも興行収入は3億5千万㌦を超えた(金額間違ってました)。興行の世界では、凡作程に成功するのは鉄則だろうか。
だが原作は原作のまま、名作を守れるのか?ゴージャスなだけで、伝統という面影だけで、傑作で有り続けれるのか?
ゲノム操作ではないが、映画の世界でも原作のゲノム操作という”テクノロジー革命”も必要かなと思わなくもない。時代にマッチした遺伝子組換えというかね。
これこそがパンドラの箱であり、ハリウッドを復活させるか死滅させるかの境界なのかもしれない。
この作品はエレガントさばかりが先行してしまい、作品の質とか脚本の出来というのが、蔑ろにされてるように思います。
この件に関しては、転んださんと同意見です。原作にしても少し出来すぎの感がありますものね。
でも興行的にはメガヒットという事で、転んださん言うように、名作とヒット作は別物なんですかね。
でも、5500万㌦の制作費で3億5千万㌦ですから、やはりメガヒットですかね。
でもこんな凡作でも、興行的には大ヒットするんですから、ハリウッドって余程宣伝が上手いんでしょうね。