ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

F1ブラジルGP・かっとび最終戦

2007-10-22 15:13:25 | F1
度肝を抜かれました。
デビュー戦でいきなりピットクルー撥ねて病院送りにした中嶋一貴に。
…ではなくて。

ワールドチャンピオンおめでとうキミ!!!!

なったらいいな、でも多分無理だろうなと思っていたその「まさか」の展開が現実になりました。
予選でマッサがPPを取った辺りで何かが起きそうな気はしてたんですが。
ていうか、予選は流石に生では観てなくて、朝起きてさて結果はどうだったんだろうとネットで調べた時。アロンソ・ハミルトン・キミの三つ巴勝負、予選のグリッドは如何に?…という状況で、真ん中で満面の笑みを浮かべるマッサの写真を見た時のあの脱力感。

いやでもキミがタイトルを取れたのは良かったです。
元々ずっと「次期チャンピオン候補」と言われ続けてた訳ですしね。肝心な所でマクラーレンのマシンが壊れるもんだから中々上手くいかなくて、業を煮やしてフェラーリに移った途端にマクラーレンが壊れなくなったというこの皮肉。
それでも優勝回数は一番多かったし、レース終盤のスーパーラップはカミソリのようにキレキレで、王者に相応しい走りだったと思います。
キャラ的にはミカとは大分違うんだけど、やっぱりそういう所はフライング・フィンだなあと思うんですよね。なんか、ムラがあったりスキがあったりもするけど、速い時にはスカっと胸のすくような速さがある。
ていうかミカ、マクラーレンのピットに遊びに来てたね。イリヤ様と一緒に。

***

正直に言うと、マクラーレンの2人のどっちがチャンピオンになっても、後々まで引きずる物があっただろうと思われるので、さらっとキミがタイトルを攫ってめでたしめでたしだったような気がします。
スパイ疑惑の件もあるけど、それ以外もね。シーズン中盤以降、マクラーレンのチーム内の雰囲気が目に見えて悪くなっていったから、例えポイント的には有利であっても、チーム一丸で戦えるフェラーリと、チーム内で遺恨を抱えたマクラーレンでは、土壇場で強いのはフェラーリのような気もしてました。
何か、ロン・デニスって、建前は「平等」っていいながら、感情的には露骨に片びいきになるの、もしかして自覚してないんだろうか?と不思議に思ったんですが。
モントーヤといいアロンソといい、いくら本人に力があってもロンの好みじゃない=チームと上手くいかないでは、思うように実力を発揮できないだろうにと思うんですけどね。
アロンソはキャラ的には私の好みではありませんが(何せ私は面食いなもので)、走り自体は血肉が通ってる感じで嫌いではないです。

ていうか、それ以上にハミルトンが…最初に被ってた猫を最後まで被り通してれば、「新人なのによくがんばったね、偉いね」で済む所なんですが…。仮にも現役チャンピオンに向かって、いくら自分の方がポイントリードしてるからって「出て行って欲しい」とか普通思ってても言わんだろう。

***

これはハミルトンに限った話ではないんですが、私はどうしても、自分から「俺は強い」と言い出す人見ると、却ってそういう人ほど弱く見えちゃうんですよね。
だって本当に強い人は、自分で言う必要はないから。何も言わなくても、結果が強さを証明してくれる。結果を見れば、他人は勝手に評価してくれます。言葉で虚勢を張る必要なんてない。
(心理戦のひとつの手として、相手にプレッシャーをかけるためにハッタリをかます、というのはあるけど、それも余りにも空虚な言葉だと却って逆効果な気がするの、私だけ?)

まだタイトルも取らない内から「セナやプロストの仲間に入った」っていうのもなあ…そんなもん、それに相応しい結果を出し続けてれば勝手に他人が騒いでくれるのに。わざわざ自分から言う辺りに、却って小者なのかなと思ってしまいました(個人的には、「セナでもプロストでもない。自分は自分だ」って言うタイプの方が、大物になれそうな気がしますね)。
単純に、「言葉」から受ける印象の話です。実際のドライバーとしての能力を見て言ってる訳ではないので念のため。

***

その他。
・マッサはある意味、今回一番活躍したドライバーと言えるかも。
・なにげに日本人が3人も走ってた。
・琢磨は我慢のレースだったけど、よく粘ってたと思います。来年もがんばって下さい。応援してます。
・ホンダがド派手なエンジンブローと共に消えていた…来年はがんばって下さい。お願いだから。
・クビサ&ニコ&ニックの終盤のバトルすごかった。でも正直レース中は、クラッシュしないかと冷や冷やしてました(笑)。

***

そんなこんなで今年のF1も何とか終わりましたが、富士におけるトヨタの所業は忘れてはなりません。
ということで、貼っておきます。

AUTO SPORTSが集めた声
http://news2.as-web.jp/mail/07fuji_a40.html?w8G4=1&b6Ec=1
こっちは怒ってる人たちのブログ↓
F1日本GPをファンの手に取り戻せ!
2007日本GPの被害者立ち上がろう。
他にも探せばいっぱい出て来るんですが、キリがないので。

私は富士での日本GPには行っていないので、余り声高に言う資格はないのかも知れませんが。
去年の鈴鹿の時点で、既に異様なものを感じていました。
あれは予選の時。日本でのラストランを見に来たシューマッハやフェラーリのファン、日本でも大人気なキミのファン、ハンガリーで念願の1勝を上げたホンダのファンや、出来たばかりのチームで母国凱旋を果たした琢磨&スーパーアグリのファン、そして私のように、F1そのものを楽しみに来たファン。その他様々な“ファン”たちでごったがえす中、明らかに浮いてる集団がありました。
揃いのトヨタグッズに身を固め、変な鳴りものを鳴らしながら歩く人たち。普通F1の応援というと、若い男性を中心に老若男女が集まっているものなんですが、その集団はほとんどが中年男性。しかも皆一様に冷めた顔。正直、怖かったです。
F1の観客は皆“ファン”だし、日本GPは年に一度の「お祭り」なんだから、普通は多かれ少なかれ浮かれた顔をしているもんです。増して集団での応援活動ともなれば、集団心理も手伝ってノリノリになるもんなんですが。
私はこの時初めてサーキットで「業務命令を受けて動員された人たち」を見たような気がしました。「この会社は、何かおかしい。他のメーカーとは明らかに違う」そう思ったこともあり、富士には絶対に行くまいと心に誓った訳です。

今年の富士の失敗(あれで成功とは言わせない)の理由。
それは根本的な動機の不純さによるものだと思います。
本来、世界最高峰の「モータースポーツ」の祭典であるF1を、自社の宣伝活動と勘違いしていた。
世界中から集まって来るお客さんに楽しんで貰いたい、という気持ちが根本にあれば、バス問題にしろ観客席の問題にしろ、最初から違う結果が出ていたはずだと思います。
枝葉の部分をいくら「改善」した所で、根本が腐ってるんだからどうしようもない。
私は今後も富士には行かないし、「富士ではF1を開催すべきでない」という主張もやめません。

***

以上、今年のF1の総括でした。
なにはともあれキミおめでとう。

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2 コメント

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Unknown (トーノ)
2007-10-23 16:48:19
初めてコメントさせていただきます。
高橋選手の情報を求めてさまよってこちらに辿りついて以来、ちょくちょくお邪魔させて頂いていたのですが、思わずF1の記事の方に引き寄せられてしまいました。
キミの優勝もさることながら、自分が一昨年鈴鹿に行った時のトヨタサイドの応援集団を思い出してしまいました。
確かにあの白け気味のオジサマ連中にはいささかビックリした記憶が。
興奮気味の世界中の老若男女に中では浮きますよね、あれは。
何はともあれ、キミおめでとう!ですね。
唐突なコメントですみません。
これからもブログ更新楽しみにさせていただきます。
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Unknown (虹川 章)
2007-10-24 00:18:58
>>トーノさんはじめましてこんにちは。
ブラジルGP、すごかったですね。キミのタイトルは嬉しいオドロキでした。
そしてトヨタ応援団に違和感を感じていたのが、自分だけでないと思って安心しました。
「好きで来てる訳じゃない」と顔にかいてあるみたいでしたもんね。ファン不在のF1。富士ではその歪みが一気に表面化してしまったような気がします。
こんな所で良かったら、またいつでも遊びに来て下さい。それでは。
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