Liu Xiang Tea Salon

「リュウシャンティーサロン」での中国茶・台湾茶のレッスンの様子、季節ごとのインテリアの設えなどを綴っています。

2018春・台湾茶の旅1~大禹嶺

2018-05-23 | Tea Trip
今年の春も留香茶芸の李老師と茶友と共に、
茶の旅に出かけられたことに感謝。
笑いあり、珍道中ありの、素晴らしい旅となりました。

まずは旅の一番の目的、
大禹嶺の製茶。

今回は福寿山茶業の陳さんと葉さんにお世話になりました。

5月15日、李老師の誕生日に茶摘みをした茶葉で製茶をしました。
2450mの高山、大禹嶺の品種、青心烏龍種の茶葉。



天気は快晴、
日よけのシェードに空が美しく透けていて、
気持ちの良い製茶日和です。



室外(日光)萎凋を12~16時間してから、
室内萎凋を3~4時間します。
この時の温度は19℃、湿度70%になるよう加湿しながらの萎凋。
手で撹拌3回と静置を繰り返し発酵を進めます。
 


撹拌の最後に浪青。
ゆっくりと回る浪青機の穴から
香を確かめます。



浪青の最初は、青くわずかだった茶葉の香が、
時間が経つにつれ甘みが増し、
15分経過したときには、
蘭のような華やかで香高く、透き通った香に変わったのを確認して終了。
この時点で、一度味も確かめます。
 


思う香と味になったので、発酵を止める殺青をします。
この茶業では350℃の高温で8~9分と
短時間で一気に殺青を行います。



次に初揉をしてから圧縮。
圧縮は20~30回行い、茶葉の形を整えていきます。
圧縮を4~5回したら粘性が出てくるので、
乾燥も4~5回しながら圧縮を進めます。



圧縮が終わったら包揉と解塊を10回程繰り返し、
最終的にきれいな形に整えます。
  


最後に乾燥を4回します。
1回目は115℃で水分を蒸発させる。
2回目は110℃でゆっくり十分乾燥させる。
3回目は105℃で味を安定させる。
4回目は100℃で品質をコントロールする。
 


4回も乾燥することにより、しっかりと味や品質を安定させます。
そして1回乾燥するごとに、味を確かめます。


驚いたことに、
ここでは乾燥度0.6(~0.3)%まで乾燥させ仕上げるとのこと。
こうすることで焙煎のような作用も得られるとのことでした。


これで大禹嶺の完成です。
朝の茶摘みから始まり、
終わったのは夜中の12時。

機械化が進んだとはいえ、
お茶づくりはやはり、体力、気力、忍耐のいる作業。
そして大地の恵みに感謝。

福寿山茶業さんに感謝。



5月15日は李老師の誕生日。
少数民族の帽子をかぶってもらい、
みんなでお祝いして、記念の1日となりました!




次の日の道中で出会った
100k地点の唐明皇大禹嶺茶園にも立ち寄りました。



人の好さそうな茶農家さんが、
急斜面の小さな茶園を案内してくださいました。
作り手の違う大禹嶺の飲み比べが楽しみです。