旅行の最終日は、
私のお気に入りのお茶の一つでもある碧螺春の産地、
江蘇省呉県西南太湖洞庭へ。
洞庭には東山と西山があり、
風光明媚で年中花の香りが漂い、
果物が豊富に実るため花果山とも呼ばれています。
気候が温暖で湿度が高くお茶には最適な土地です。
今回は東山の茶農家を訪ねました。
碧螺春の茶樹は果物の果樹と交互に植えられていて、
枝が重なり合い、根も接しているため、
花の香、果物の香、茶の香りを併せ持つお茶です。
ここの茶園もオレンジや琵琶などの果樹が
茶樹に交じって植えられていました。
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下の方からも新芽が出てくるのが特徴的な碧螺春の茶樹。
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早速製茶の方法を見せて頂きました。
一芯一葉~一芯二葉で茶摘みした茶葉、
1斤(500g)の1/4の量を
まずざるを揺すって(篩分)
新芽のない軽い葉っぱだけをより分けます。
私もトライしましたが、
私がすると新芽もたくさん落ちてしまい、
拾うのがかえって大変でした。
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篩分した茶葉を、今度はひとつずつ丁寧に
一芯一葉になるよう手で分けていきます。
触った感触は赤ちゃんのように柔らかい新芽です。
新芽と一葉以外は手でちぎって捨ててしまいます。
今年は天気が悪いため黒っぽい葉が多いそうです。
そういう葉も全てより分ける
この抜茎という作業を製茶の前にするのは、
碧螺春の特徴的な方法です。
取り除いた二葉や茎をこの茶農家は捨ててしまいますが、
この茶葉で安いお茶を作る茶農家もあります。
この時期は明前で最高級品を作りますが、
5月以降に作る碧螺春の6倍の値がするそうです。
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抜茎した茶葉を釜で製茶していきます。
最初は70-80℃に熱した釜で茶葉を混ぜ返し、
100℃ぐらいまで温度を上げて10~15分程殺青します。
ここでしっかりと混ぜ返さないと焦げてしまいます。
50℃ほどに温度を下げて、
炒りながら、手と手を合わせて丸くなるよう揉んでいきます。
また揉みながら炒るを繰り返し行います。
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強い揉捻(揉む)と軽い揉捻を交互にしていきます。
揉捻は常に同じ方向に回さないといけません。
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揉捻して粘り気が出てきた茶葉を
解きほぐします(解塊)。
揉捻と解塊を繰り返し行います。
こうして1斤半(750g)が250gになります。
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軍手も外し、手と手をこすり合わせて
丸い形に整型していきます。
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しばらく丁寧に精揉(丁寧に揉むこと)をしていると、
不思議と白い新芽が際立ってきます。
最後に釜に紙を敷いて茶葉を置き
乾燥させて出来上がりです。
全部の行程は45分程です。
5月以降の茶葉は新芽が硬くて大きいので
1時間以上かかるそうです。
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次に我々も釜での製茶を行い、
自分で製茶した碧螺春をお持ち帰りさせて頂きました。
茶師の方のご指導のもと、
茶葉を焦がさないように
常に混ぜながら製茶をしていく作業は当然熱く、
上手く揉捻するのもとても難しかったです。
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精揉からは軍手も外して素手の感覚で
手と手をすり合わせて丸くなるよう揉んでいきます。
碧螺春は揉捻が長いので(重揉捻)、
龍井茶などに比べて色の濃い茶葉に仕上がります。
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みんながそれぞれ製茶した明前碧螺春。
乾茶は果物の香が華やかに広がり、
茶湯は柔らかい春の日差しを感じる
甘く優しいお味のお茶に仕上がりました。
ご一緒した生徒さんのお茶との飲み比べが楽しみです。
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今回の充実した旅行のご手配を頂きました留香茶芸の李自強宗師、
ご同行頂きました茶友の皆さま、
明前の繁盛期にご協力頂きました茶農家の皆さまに
心より感謝申し上げます。
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私のお気に入りのお茶の一つでもある碧螺春の産地、
江蘇省呉県西南太湖洞庭へ。
洞庭には東山と西山があり、
風光明媚で年中花の香りが漂い、
果物が豊富に実るため花果山とも呼ばれています。
気候が温暖で湿度が高くお茶には最適な土地です。
今回は東山の茶農家を訪ねました。
碧螺春の茶樹は果物の果樹と交互に植えられていて、
枝が重なり合い、根も接しているため、
花の香、果物の香、茶の香りを併せ持つお茶です。
ここの茶園もオレンジや琵琶などの果樹が
茶樹に交じって植えられていました。
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下の方からも新芽が出てくるのが特徴的な碧螺春の茶樹。
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早速製茶の方法を見せて頂きました。
一芯一葉~一芯二葉で茶摘みした茶葉、
1斤(500g)の1/4の量を
まずざるを揺すって(篩分)
新芽のない軽い葉っぱだけをより分けます。
私もトライしましたが、
私がすると新芽もたくさん落ちてしまい、
拾うのがかえって大変でした。
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篩分した茶葉を、今度はひとつずつ丁寧に
一芯一葉になるよう手で分けていきます。
触った感触は赤ちゃんのように柔らかい新芽です。
新芽と一葉以外は手でちぎって捨ててしまいます。
今年は天気が悪いため黒っぽい葉が多いそうです。
そういう葉も全てより分ける
この抜茎という作業を製茶の前にするのは、
碧螺春の特徴的な方法です。
取り除いた二葉や茎をこの茶農家は捨ててしまいますが、
この茶葉で安いお茶を作る茶農家もあります。
この時期は明前で最高級品を作りますが、
5月以降に作る碧螺春の6倍の値がするそうです。
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抜茎した茶葉を釜で製茶していきます。
最初は70-80℃に熱した釜で茶葉を混ぜ返し、
100℃ぐらいまで温度を上げて10~15分程殺青します。
ここでしっかりと混ぜ返さないと焦げてしまいます。
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50℃ほどに温度を下げて、
炒りながら、手と手を合わせて丸くなるよう揉んでいきます。
また揉みながら炒るを繰り返し行います。
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強い揉捻(揉む)と軽い揉捻を交互にしていきます。
揉捻は常に同じ方向に回さないといけません。
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揉捻して粘り気が出てきた茶葉を
解きほぐします(解塊)。
揉捻と解塊を繰り返し行います。
こうして1斤半(750g)が250gになります。
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軍手も外し、手と手をこすり合わせて
丸い形に整型していきます。
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しばらく丁寧に精揉(丁寧に揉むこと)をしていると、
不思議と白い新芽が際立ってきます。
最後に釜に紙を敷いて茶葉を置き
乾燥させて出来上がりです。
全部の行程は45分程です。
5月以降の茶葉は新芽が硬くて大きいので
1時間以上かかるそうです。
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次に我々も釜での製茶を行い、
自分で製茶した碧螺春をお持ち帰りさせて頂きました。
茶師の方のご指導のもと、
茶葉を焦がさないように
常に混ぜながら製茶をしていく作業は当然熱く、
上手く揉捻するのもとても難しかったです。
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精揉からは軍手も外して素手の感覚で
手と手をすり合わせて丸くなるよう揉んでいきます。
碧螺春は揉捻が長いので(重揉捻)、
龍井茶などに比べて色の濃い茶葉に仕上がります。
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みんながそれぞれ製茶した明前碧螺春。
乾茶は果物の香が華やかに広がり、
茶湯は柔らかい春の日差しを感じる
甘く優しいお味のお茶に仕上がりました。
ご一緒した生徒さんのお茶との飲み比べが楽しみです。
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今回の充実した旅行のご手配を頂きました留香茶芸の李自強宗師、
ご同行頂きました茶友の皆さま、
明前の繁盛期にご協力頂きました茶農家の皆さまに
心より感謝申し上げます。
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○3月29日
浙江省杭州市へ移動し、
西湖を車窓から眺めながら
獅峰龍井を生産している茶農家さんへ伺い、
製茶体験をさせて頂きました。
西湖周辺の龍井茶産地は、昼夜の温度差が大きく、
湿度が高い土地であるため
茶葉の品質が大変良いことで知られています。
龍井茶の中でも最高品質のものが「獅峰龍井」であり、
清明節(今年は4月4日)より前に摘まれるお茶は
日本でいう一番茶にあたり
「明前茶」と呼ばれて高値がつきます。
茶畑にはかわいらしい新芽をつけた茶樹がたくさん。
まさに一年で一番茶畑が活気づく季節です。
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茶農家さんが茶摘みをして
萎凋(水分を蒸発させる工程)を7~8時間しておいて下さった
龍井43号の茶葉。
一芯一葉~一芯二葉の萎凋後の茶葉の様子。
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萎凋後の茶葉をこの釜で殺青~整型~乾燥と一気に仕上げます。
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この白い粉は茶油で、
茶葉を釜に入れる前に釜に少し注いで炒青しやすくします。
茶葉の光沢を引き出したり、
茶葉の成分を封じ込める効果もあるそうです。
この茶油はこの地区の行政から無料で配布されるそうです。
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最初は200℃に熱した釜で
茶葉を混ぜ返したり、釜に茶葉を押し付けたりと
12種類もあるといわれる手の使い方を変えながら
茶葉を製茶していきます。
当然釜はとても熱く、
右手が熱くなりすぎて左手に変えたとたんに
私はやけどをしてしまいました。
ご指導いただいた茶師のおじさんの手の分厚いこと!
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釜で仕上げた茶葉を
篩分という工程で、ざるを揺らして
細かくていらない茶葉をより分けます。
これも簡単そうに見えて難しい作業です。
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茶葉の量は四分の一の重さになり、明前獅峰龍井茶の完成です。
実際は陶器の壺に保存して
水分をとばしたり茶葉の色を固定させるなど
茶葉を落ち着かせるために一週間置いてから
飲めるようになるとのこと。
春の成分が凝縮された甘みとほのかな苦味が相まって、
風格のある味わいのするお茶です。
味の詳細は緑茶のクラスでご紹介したいと思います。

龍井村の茶畑の様子。
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朝から茶摘みをして帰ってきた方達をたくさん見かけました。
籠の中をのぞいてみると、
籠の四分の一にも満たないほどの量。
新芽だけを摘む茶摘みの大変さが伺えます。
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通りすがりの道に
陸羽の茶経の始まりの一節が刻まれていました。
「茶者。南方の嘉木也。」(茶は南方の嘉木である)
(嘉木とは最も優良な樹木または最も珍貴な樹木をも超越するという意)

十八棵御茶を訪れました。
清朝の乾隆皇帝が龍井村を訪れた時に、
もてなされた龍井茶を大そう気に入り、
そのお茶が採れた茶園の18本の茶樹が皇帝専用の御茶となり、
龍井茶の名声が高まったそうです。
今でもこの18本の茶樹から少量ですが
茶摘みはされているそうです。
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18棵御茶のそばにある龍井泉。
泉の水を木の枝などでなぞると
その跡が龍のように残るといわれています。
確かに写真には龍が映っているようにも見えます。
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次に訪れたのは中国茶葉博物館。
庭園に陸羽像。
今回の旅でもたくさんの陸羽像を見ましたが、
こんなに楽しそうな陸羽さんは初めてです。
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この博物館では中国茶はもちろん、
世界の茶の歴史や茶道具をはじめ、
茶にまつわる文化、種類や製法などについての
詳細な展示がありました。
美しい清代の茶筒。
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四カ所で同時に揉捻ができる四桶茶葉揉捻機。
実際に動かすことができました。
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様々な形の黒茶の展示。
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この日最後に訪れたのは浙江樹人大学。
茶学部の教室の様子を見学した後は、
留香茶芸と浙江樹人大学から2人ずつお点前をし、
それぞれの美しい点前と美味しいお茶を堪能いたしました。
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次は旅の最終回、江蘇省太湖洞庭の碧螺春につづく・・・
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浙江省杭州市へ移動し、
西湖を車窓から眺めながら
獅峰龍井を生産している茶農家さんへ伺い、
製茶体験をさせて頂きました。
西湖周辺の龍井茶産地は、昼夜の温度差が大きく、
湿度が高い土地であるため
茶葉の品質が大変良いことで知られています。
龍井茶の中でも最高品質のものが「獅峰龍井」であり、
清明節(今年は4月4日)より前に摘まれるお茶は
日本でいう一番茶にあたり
「明前茶」と呼ばれて高値がつきます。
茶畑にはかわいらしい新芽をつけた茶樹がたくさん。
まさに一年で一番茶畑が活気づく季節です。
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茶農家さんが茶摘みをして
萎凋(水分を蒸発させる工程)を7~8時間しておいて下さった
龍井43号の茶葉。
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一芯一葉~一芯二葉の萎凋後の茶葉の様子。
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萎凋後の茶葉をこの釜で殺青~整型~乾燥と一気に仕上げます。
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この白い粉は茶油で、
茶葉を釜に入れる前に釜に少し注いで炒青しやすくします。
茶葉の光沢を引き出したり、
茶葉の成分を封じ込める効果もあるそうです。
この茶油はこの地区の行政から無料で配布されるそうです。
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最初は200℃に熱した釜で
茶葉を混ぜ返したり、釜に茶葉を押し付けたりと
12種類もあるといわれる手の使い方を変えながら
茶葉を製茶していきます。
当然釜はとても熱く、
右手が熱くなりすぎて左手に変えたとたんに
私はやけどをしてしまいました。
ご指導いただいた茶師のおじさんの手の分厚いこと!
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釜で仕上げた茶葉を
篩分という工程で、ざるを揺らして
細かくていらない茶葉をより分けます。
これも簡単そうに見えて難しい作業です。
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茶葉の量は四分の一の重さになり、明前獅峰龍井茶の完成です。
実際は陶器の壺に保存して
水分をとばしたり茶葉の色を固定させるなど
茶葉を落ち着かせるために一週間置いてから
飲めるようになるとのこと。
春の成分が凝縮された甘みとほのかな苦味が相まって、
風格のある味わいのするお茶です。
味の詳細は緑茶のクラスでご紹介したいと思います。
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龍井村の茶畑の様子。
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朝から茶摘みをして帰ってきた方達をたくさん見かけました。
籠の中をのぞいてみると、
籠の四分の一にも満たないほどの量。
新芽だけを摘む茶摘みの大変さが伺えます。
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通りすがりの道に
陸羽の茶経の始まりの一節が刻まれていました。
「茶者。南方の嘉木也。」(茶は南方の嘉木である)
(嘉木とは最も優良な樹木または最も珍貴な樹木をも超越するという意)
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十八棵御茶を訪れました。
清朝の乾隆皇帝が龍井村を訪れた時に、
もてなされた龍井茶を大そう気に入り、
そのお茶が採れた茶園の18本の茶樹が皇帝専用の御茶となり、
龍井茶の名声が高まったそうです。
今でもこの18本の茶樹から少量ですが
茶摘みはされているそうです。
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18棵御茶のそばにある龍井泉。
泉の水を木の枝などでなぞると
その跡が龍のように残るといわれています。
確かに写真には龍が映っているようにも見えます。
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次に訪れたのは中国茶葉博物館。
庭園に陸羽像。
今回の旅でもたくさんの陸羽像を見ましたが、
こんなに楽しそうな陸羽さんは初めてです。
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この博物館では中国茶はもちろん、
世界の茶の歴史や茶道具をはじめ、
茶にまつわる文化、種類や製法などについての
詳細な展示がありました。
美しい清代の茶筒。
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四カ所で同時に揉捻ができる四桶茶葉揉捻機。
実際に動かすことができました。
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様々な形の黒茶の展示。
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この日最後に訪れたのは浙江樹人大学。
茶学部の教室の様子を見学した後は、
留香茶芸と浙江樹人大学から2人ずつお点前をし、
それぞれの美しい点前と美味しいお茶を堪能いたしました。
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次は旅の最終回、江蘇省太湖洞庭の碧螺春につづく・・・
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○3月27日
宜興より浙江省湖州市長興縣水口郷顧渚山へ移動し、
顧渚紫筍茶の製茶を見学。
顧渚紫筍茶は、陸羽の茶経にも登場する有名なお茶で、
唐代には献上茶として国を代表するお茶でした。
顧渚紫筍茶の新芽はうっすらと紫がかった色をし、
筍のようにぷっくりとした形をしていることから、
紫筍茶といわれています。
新芽は一芯一葉~一芯二葉で、
一斤(500g)のお茶を作るのに、6万から8万の新芽を摘むそうです。
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お茶の製造は機械化が進む中、
伝統の釜で作る製茶法も見せていただきました。
このお茶は烘青と炒青を両方行う製茶工程を経て
作られるお茶です。
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明前の新芽で作られた顧渚紫筍茶は、
採れたての筍のような息吹を感じ、
まるで春の香に包まれたかのような、
甘くて柔らかい味わいのお茶です。
○3月28日
唐代の皇帝は献上茶とされていた顧渚紫筍茶を
製造、監督するために国営の製茶工場「貢茶院」を設立しました。
雄大な敷地に復元されたその「貢茶院」を訪問しました。
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立派な陸羽閣や広い貢茶院の様子。
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当時のお茶を製造する様子も再現してありました。
洗茶(Wash tea)→蒸茶(Steam tea) →搗茶(Mash tea)
→拍茶(Press tea)→晾茶(Air tea) →串茶(Punch tea)
→焙茶(Bake tea) →封茶(Pack tea)
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当時の献上茶は真ん中に穴を開けた、
丸い形をした小さな餅茶でした。
次に向かったのは陸羽のお墓。
陸羽の晩年はこの浙江省湖州市で過ごし、
茶経を完成させたとされています。
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我々は陸羽の墓石前で無我茶会をし、
陸羽に一杯のお茶を献茶いたしました。
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ここから山頂の三癸亭まで階段を上っていきます。
顧渚紫筍の茶樹も眺めつつ、
途中、皎然霊塔もありました。
皎然は禅僧の達人であり、詩の師匠のみならず、
唐の時代の茶の師匠でもあり、
陸羽が茶経を著述したのは、
皎然との友情に負うところが大きいそうです。
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更に進むと、李自強宗師の寄贈された石碑が置かれています。
「新加坡和中国的茶人友誼常青」
~シンガポールと中国の茶人の友情は永遠である~

私も改めてこの旅で茶友の大切さを学びました。
李宗師の寄贈石碑を眺めつつ更に登っていくと、
見晴らしの良い頂上に三癸亭があります。
三癸亭は陸羽の詩の友、有名な書道家でもあり、
湖州の行政長官でもあった顔真卿が
陸羽のために造った亭とされています。
陸羽もこの地で美しい風景を愛でながら、
詩を詠んだりお茶を楽しんでいたのかと思いを馳せると、
とても感慨深く、しみじみといたしました。

陸羽の墓を後にし次に向かったのは、
浙江省杭州市余杭区径山にある仏教禅寺径山寺です。
径山寺は日本とのゆかりが深く、
禅の修行のため日本から何人もの修行僧が
ここで学んだと言われています。
禅僧たちはいろんなものを持ち帰り、
日本茶道に影響を及ぼしたとされ、、
径山寺味噌(金山寺味噌)や醤油も径山寺が由来とされています。
径山寺からのすばらしい景色。
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今回の旅で唯一心残りなのは径山茶が手に入らなかったこと。
今年の茶摘みは1週間後からとのことでした。
この日の夜はまだまだ続きます。
中国人の茶友の紹介で得光清茶館へ。
川べりにたたずむ素敵な茶芸館でした。
優雅な雰囲気の茶館で、茶友の淹れたお茶や点心を楽しみました。
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この後更に腹ごなしをしに夜の屋台へ繰り出した私達。
ホテルに着いた頃には日をまたいでいて(笑)、
とても長い一日でした。
浙江省杭州市の獅峰龍井茶につづく・・・
宜興より浙江省湖州市長興縣水口郷顧渚山へ移動し、
顧渚紫筍茶の製茶を見学。
顧渚紫筍茶は、陸羽の茶経にも登場する有名なお茶で、
唐代には献上茶として国を代表するお茶でした。
顧渚紫筍茶の新芽はうっすらと紫がかった色をし、
筍のようにぷっくりとした形をしていることから、
紫筍茶といわれています。
新芽は一芯一葉~一芯二葉で、
一斤(500g)のお茶を作るのに、6万から8万の新芽を摘むそうです。
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お茶の製造は機械化が進む中、
伝統の釜で作る製茶法も見せていただきました。
このお茶は烘青と炒青を両方行う製茶工程を経て
作られるお茶です。
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明前の新芽で作られた顧渚紫筍茶は、
採れたての筍のような息吹を感じ、
まるで春の香に包まれたかのような、
甘くて柔らかい味わいのお茶です。
○3月28日
唐代の皇帝は献上茶とされていた顧渚紫筍茶を
製造、監督するために国営の製茶工場「貢茶院」を設立しました。
雄大な敷地に復元されたその「貢茶院」を訪問しました。
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立派な陸羽閣や広い貢茶院の様子。
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当時のお茶を製造する様子も再現してありました。
洗茶(Wash tea)→蒸茶(Steam tea) →搗茶(Mash tea)
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→拍茶(Press tea)→晾茶(Air tea) →串茶(Punch tea)
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→焙茶(Bake tea) →封茶(Pack tea)
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当時の献上茶は真ん中に穴を開けた、
丸い形をした小さな餅茶でした。
次に向かったのは陸羽のお墓。
陸羽の晩年はこの浙江省湖州市で過ごし、
茶経を完成させたとされています。
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我々は陸羽の墓石前で無我茶会をし、
陸羽に一杯のお茶を献茶いたしました。
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ここから山頂の三癸亭まで階段を上っていきます。
顧渚紫筍の茶樹も眺めつつ、
途中、皎然霊塔もありました。
皎然は禅僧の達人であり、詩の師匠のみならず、
唐の時代の茶の師匠でもあり、
陸羽が茶経を著述したのは、
皎然との友情に負うところが大きいそうです。
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更に進むと、李自強宗師の寄贈された石碑が置かれています。
「新加坡和中国的茶人友誼常青」
~シンガポールと中国の茶人の友情は永遠である~
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私も改めてこの旅で茶友の大切さを学びました。
李宗師の寄贈石碑を眺めつつ更に登っていくと、
見晴らしの良い頂上に三癸亭があります。
三癸亭は陸羽の詩の友、有名な書道家でもあり、
湖州の行政長官でもあった顔真卿が
陸羽のために造った亭とされています。
陸羽もこの地で美しい風景を愛でながら、
詩を詠んだりお茶を楽しんでいたのかと思いを馳せると、
とても感慨深く、しみじみといたしました。

陸羽の墓を後にし次に向かったのは、
浙江省杭州市余杭区径山にある仏教禅寺径山寺です。
径山寺は日本とのゆかりが深く、
禅の修行のため日本から何人もの修行僧が
ここで学んだと言われています。
禅僧たちはいろんなものを持ち帰り、
日本茶道に影響を及ぼしたとされ、、
径山寺味噌(金山寺味噌)や醤油も径山寺が由来とされています。
径山寺からのすばらしい景色。
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今回の旅で唯一心残りなのは径山茶が手に入らなかったこと。
今年の茶摘みは1週間後からとのことでした。
この日の夜はまだまだ続きます。
中国人の茶友の紹介で得光清茶館へ。
川べりにたたずむ素敵な茶芸館でした。
優雅な雰囲気の茶館で、茶友の淹れたお茶や点心を楽しみました。
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この後更に腹ごなしをしに夜の屋台へ繰り出した私達。
ホテルに着いた頃には日をまたいでいて(笑)、
とても長い一日でした。
浙江省杭州市の獅峰龍井茶につづく・・・
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留香茶芸の李自供宗師と共に行く、
中国太湖の周りを巡るお茶の旅のレポートです。
シンガポール、日本、中国、香港から総勢23名の茶友と共に、
まさにお茶尽くしのお茶の旅、4回に分けてレポートします。
○3月26日
我々香港からは空路で寧波に入り懐かしい面々と合流、
ここから急須の都、宜興へバスで移動します。
江蘇省太湖の西に位置する宜興は、
世界的に有名な紫砂急須を産出する中国の陶都です。
さすが宜興のホテルのロビーには、
有名な東坡壺の形をした巨大な急須が飾られていました。
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○3月27日
宜興の急須の工房で、
「打身筒」という全て手作りの急須制作方法の実演を見学。
紫砂泥という土を叩いてのばし成型する、
ろくろを使わない宜興急須の特徴的な方法です。
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急須のボディ作りまでを見せて頂き、
あとは蓋と取っ手と注ぎ口をつけて完成です。
この実演後、実際に紫砂泥を使って急須づくりを体験。
目で見るのと違い、
固い紫砂泥を均等に伸ばし形作るのは大変難しく、
長年の経験と勘が必要だということを実感しました。
急須制作を体験した後は、
宜興の紫砂泥を長年採掘したため、
池になってしまった紫砂の採掘地を見学。
紫砂泥は年々減少していて産出は少なくなっており、
採掘も制限されていて、
宜興の急須は益々貴重なものとなっています。
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斜面に龍が這うように造られた「龍釜」も見学。
清代から続く釜とのこと。
今でも月に一度使用されているそうです。
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次に訪れたのが中国宜興陶瓷博物館。
本で見ていた宜興の有名作家、
顧景舟、蒋蓉、何道洪などの作品が間近に見られて感動でした。
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浙江省湖州市長興縣の顧渚紫筍茶につづく・・・
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中国太湖の周りを巡るお茶の旅のレポートです。
シンガポール、日本、中国、香港から総勢23名の茶友と共に、
まさにお茶尽くしのお茶の旅、4回に分けてレポートします。
○3月26日
我々香港からは空路で寧波に入り懐かしい面々と合流、
ここから急須の都、宜興へバスで移動します。
江蘇省太湖の西に位置する宜興は、
世界的に有名な紫砂急須を産出する中国の陶都です。
さすが宜興のホテルのロビーには、
有名な東坡壺の形をした巨大な急須が飾られていました。
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○3月27日
宜興の急須の工房で、
「打身筒」という全て手作りの急須制作方法の実演を見学。
紫砂泥という土を叩いてのばし成型する、
ろくろを使わない宜興急須の特徴的な方法です。
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急須のボディ作りまでを見せて頂き、
あとは蓋と取っ手と注ぎ口をつけて完成です。
この実演後、実際に紫砂泥を使って急須づくりを体験。
目で見るのと違い、
固い紫砂泥を均等に伸ばし形作るのは大変難しく、
長年の経験と勘が必要だということを実感しました。
急須制作を体験した後は、
宜興の紫砂泥を長年採掘したため、
池になってしまった紫砂の採掘地を見学。
紫砂泥は年々減少していて産出は少なくなっており、
採掘も制限されていて、
宜興の急須は益々貴重なものとなっています。
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斜面に龍が這うように造られた「龍釜」も見学。
清代から続く釜とのこと。
今でも月に一度使用されているそうです。
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次に訪れたのが中国宜興陶瓷博物館。
本で見ていた宜興の有名作家、
顧景舟、蒋蓉、何道洪などの作品が間近に見られて感動でした。
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浙江省湖州市長興縣の顧渚紫筍茶につづく・・・
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