刃物は当然ながら、研がねば使えない。永久に切れる刃物は無い。研ぐためには砥(と)石が必要になる。砥石には粗砥、中砥、仕上砥があり順番に当てていく。天然砥石は高価なので、我々素人は人造砥石を使うこととなる。余裕があればセラミック、ダイアモンド砥石(平面が狂いにくいという)もいいだろう。人造砥石は研ぐ前に、泡がでなくなるまで水に浸す(20分くらい)。刃こぼれがない場合は中砥から。砥石は平面が全てだから常に平面を確保してから研がねばならない。どうやって平面を確保するか。中砥を2本使う。砥石同士をすり合わせるのだ。次にスチール製の物指し(30cmくらい)を立てて当て、左右に振る。高い所を支点に振れるから、高いところを削るようにタテヨコに砥石を擦り合わす。砥石を回転して擦り合わせる。
平面が出来たらいよいよ研ぎだ。まず刃の裏を研ぎ(裏押し、金盤でも可)平滑にする。ストロークは長く取らない。角度の保持が難しくなるからだ。砥石の面を上下に分けて研ぐ。20回くらい研いだら砥石をすり合わせ平面を確保する。この連続で表刃(鎬=斜めになった方)を研ぎ、均一に刃返り(刃物の鋼のめくれ)が出るまで研ぐ。次は仕上砥石。角度を保持し刃返りを取り、表裏数回研ぐ。神経を刃先に集中するが、あまり力は入れない。カンナ、ノミ、片刃庖丁。切れる刃物になれば快感も高まる。修行僧のごとく正しい姿勢で入魂する。これが出来れば自分も研げるようになると信じている。研げるようになるまで高価な刃物は買えない。
写真は研ぎに関するものを並べてみた。角度を保持する治具(手前)も販売されているが、慣れが必要。写真1は普段使っている砥石。黒い棒状のものは金盤で裏押しするための刃物保持具。左端上は砥石直し。写真2はおなじみ回転砥石。ホームセンターで売ってる安いやつ。常に平面を確保する必要がある。写真3はグラインダーと砥石がセットになっている。グラインダーはカンナ刃の耳を落としたり、刃こぼれを研ぐ。回転は遅く焼けない。灰色の棒状のものはダイヤブリック、グラインダーを研ぐ砥石。金属かすなどが付着していると焼き付けを起こす。曼荼羅屋http://www2.odn.ne.jp/mandaraya/で購入。研ぎと言えばもう一つ写真4リョービのドリルシャープナー DBS-13、切れなくなったドリルを研ぐ研磨機だ。ドリルは切れなくなってもなかなか捨てられないので、ヤフオクで購入したが今のところ出番は無い。けっこう難しそう、金工用。