規制緩和で製造元(元売)が小売に進出。
その“元”に倫理観がない場合、市場は荒廃する。
いくら「直売だから安い」としても、限度があるでしょう。
(元売が小売に進出する以前も、今も)
2者と3者(特約店と販売店)では当然仕切り格差はあります。
けれども大多数の特約店は“市況”を考慮して、特約店の直営店がその仕切り格差を利用して安売りをすることはなかった。
例外もあったけど、売値の価格差は今みたいに大きくはなかった。
※用語の説明はこちら、「SS用語辞典」
燃料油脂新聞より
スーパーの粗利益のわずか半分しかないSS業界 (ガソリン価格競争のツケ)
「あまりにも低い粗利益率を、どう改善していけばいいのだろうか」。
利益を出しているのはSS事業以外の収益事業を手がけているケースが圧倒的に多い。
「石油」や「燃料」などといった企業名がついているにもかかわらず、本業で儲けることができない状況が顕著になっている。
改善の気配がみられないガソリンの過当競争が低粗利益率を招いているのかー
・・・
ウチ、競争に参加した覚えは1回もないです。
規制緩和以前も以降も、「地域一番高」でやってきました(笑)
それでも安値店より流行っていたしね。(←過去形デスケド^^;)
規制緩和以降、他店が勝手に始めた異常な価格競争に引きずられるカタチで粗利益が悪くなったのです。
数ヶ月間で収まったけど、過去には近所のCAセルフとは実売で最高13円もの差がついたこともある。
でも、その時のウチのリッター当たりのマージンはたったの5円。
30リッター給油のお客さんから4,950円頂戴して、その中の150円が粗利。
粗利率、約3%。
(※スーパーは20-35%の粗利率を確保しているというのに!)
粗利益を確保したくても、それ以上の価格差は付けられません。
だって・・・
近所の店より20円も30円も高いガソリンを誰が買ってくれると言うのでしょう ┐(´ー`)┌
(13円が、ウチのお客さんに許してもらえるギリギリの金額だと思います)
・・・
インセンティブ?
そんなイイもんじゃないと思いますよ。
何かカラクリがあると思う。
例えインセンティブだとしてもやり過ぎでしょ。
それから、
お客さんは仕切りにこんなに大きな格差があるとは思っていないし、
「セルフは人件費が要らないから安い」って思っているでしょ。
「向こうの売値がウチの仕入値なのです」って言っても信じてもらえないでしょ。
「そうなの?」と、一応は聞く耳がある人でも、
『仕切り格差で高値をつけられるのは、販売量が少ないとか、販売店側に何らかの問題があるから じゃないの?』と思われる節がある。
まさか、【元売の看板を掲げて、元売の製品を、元売に代わって販売している店】を、その元売が抹殺しようとしているとは思わない。
「系列マークを掲げていたら、そのマークの元売に潰される」
そう思ってマークを下ろしてPBになった経営者も実際にいらっしゃいます。
だけど消費者からしたら、「ウッソだぁ~」って、思いますよね?
※「ウッソだぁ~」と思った人は、カテゴリー「作り話」の「請負人 越後屋」を読んでね(^-)
請負人 越後屋 №18
http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/4b02742cba101180eb258a438ffb7389
請負人 越後屋 №19
http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/47b6ac0a611c76b14ef6faf200ca997d
過疎地SSの苦境続く (需要減と値崩れ背景)
家族経営や雑貨屋などとの兼業でなんとか乗り切っているが、これ以上収益が悪化すれば廃業を選択しなければならないところも少なくない。
過疎地SSの大半が工事現場への軽油配達や農業用のA重油販売、冬場の灯油販売でなんとかもちこたえている。
最近は、採算販売価格を維持することも困難になっている。
「“治外法権”を住民も認めていた」と、以前は高値で販売できていたが、セルフの増加、競争の激化と歩調を合わせ、過疎地でも値崩れが起こり始めている。
販売店、店主は話す。
「私の使命は良く理解している。地域のエネルギー供給は誰かがしなければならない。しかし赤字では苦しい」
・・・
車が相手だもん。
安い店が隣町でも、車を走らせれば買いに行けるもん。
過疎地ですらそれだから・・・。
この過当競争で利益を傍受できるのは“車”の消費者だけ。
車を持たない、或いは高齢で運転免許を返納した消費者は“難民”となる。
こうして社会的弱者は取り残される。
でも、仕方無いのかも知れないね。
今までだって、沖縄の基地問題や、原発にしたってそう。
自分に関係ないことは、放置してきた世間なんだから。
(自分も含めて)
でも、これだけは知ってほしい。
競争とか儲けとか、そういうのをあまり意識せずに、ただ生業として、又地域のエネルギー供給拠点としての使命感を持ってやってきた地場の3者店が、
弱肉強食だとか、利益だとか、量だ、とか、そんな[ヤツラ]のせいで敗退していく。
公平な土俵の上で敗れていくのなら納得もできるけど、
圧倒的な仕切り格差、スタート地点でのハンデで、敗退させられる。
そしてそのハンデを、消費者は知らない。
「儲けようと思って、そんなぼったくりの値段で売るから、客に逃げられるんや」、なんて言われる。
この16年間で元売の系列販売店の数は半分に減りました。
“淘汰”されたその殆どが、個人経営のお店です。
その地域で生活している人のお店でした。
・・・・・肩身の狭い思いもされているのではないでしょうか?
規制緩和以降、自店の仕切りから考えて「???」と思えるような看板価格が現れだして・・・
セルフが出来て・・・
「どうして他所のお店はあんな値段で売れるんだろう?」
「どうして他所のお店はあんなに従業員の数を揃えられるんだろう?」
何も知らなかった私は不思議に思っていました。
そして他所のお店が羨ましかった。
商圏に広域業者が進出して値崩れが起きたとき、得意先企業から契約単価値下げを要求されました。
進出してきたお店の見積りを提示されましたが、当店の仕切りから考えても呑めるものではなくお断りしました。
それから数日後・・・
そこにお勤めされている方で、個人的にも現金会員として当店を利用してくれていたご近所のAさんが
「どうしたんや?ウチの会社と何かあったんか?」と聞くのです。
会社の事務所に
「□□(当店の店名)で給油しないこと!!」
大きな赤い字で張り紙がしてあったそうです。
「値段が合わなくて・・・・」と答えるしかありません。
その後、徐々にAさんも来店されなくなりました。
お客さんから、「お前のとこ、高いな!」とか「そんなに儲けようとしなくてもええやろ!」とか言われることも増えました。
個人の現金会員のお客さんも、どんどん減っていきました。
(近所でも、うちの店は“ぼったくり”と陰口を言われたりしてるんだろうか・・・)
灯油の巡回業者が来る曜日には犬の散歩で住宅街を歩くのも気が引けるような・・・・
そんな肩身の狭い思いをしていました。
苦節15年。
(笑)
・・・
「業転」「仕切り格差」「差別対価」「元売カードの問題」
これらを知ったからには、汚名返上のために書くしかありません。
幸い、まだしぶとく生き残っています(笑)
経営が好転する事はもうないと分かっているけど、
地下タンクの消防法規制対応工事をして、
あと何年かは分からないけど、店をやっていきます。
PS
以前からこのブログを読んで下さっている方には“耳タコ”で申し訳ありません。
アクセスIPが増えましたので、新しく訪問して下さる方の為に繰り返しております。
・・でもこのエピソードは初披露ですからネ~
ヾ(;´▽`A``アセアセ