あなたの痛みがなくなりますように。
2011年10月24日に投稿した「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」 から一部を再掲します。
(少々コトバを足してます)
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系列販売店が業転を仕入れる行為は品確法違反です。
けれども、そんなことはどうでも良い。
法律なんて、どうでもいい。
<省略>
>確かにガソリン販売量の1割程度は系列以外から仕入れているが
1割?本当に?
1割が系列からで残りが系列外の間違いではないの?
だってそんな割合では他社買いのメリットなんて無いに等しいでしょう。
同じやるなら最低5割は取らないと。
系列販売店の他社買いは、割合に関係なく明らかに品確法違反です。
そして商標権侵害に該当する可能性は極めて高い。
でもその前に、元売はどうなの?
安定供給のためのバーター取引は仕方が無いとして、
軽減措置の認定取り消しをすれば(販売店が自己負担で品質分析をすれば)、
マークはそのまま掲げさせておくのでしょうか?
(掲げさせていますね)
それは消費者に対する背信行為ではないのですか?
(消費者は○○マークのSSで販売している燃料は全て○○石油の製品だと思っていますよ。)
またそれでは、同じマークを掲げている販売店なのに、
「ブランド料を支払っている販売店」と「支払っていない販売店」が存在することになりますが、
これはどう説明して頂けるのでしょうか?
・・・・・
少し横道に逸れます。
例えば、ENEOSの販売店でも出光等の他メーカーのオイルを売ることは何ら問題ないと思います。
それは、小分けされていてペール缶やドラム缶を見ればどこのメーカーの製品かが消費者にもハッキリ分かるからです。
タイヤにしてもそうです。
昔は一つのタイヤメーカーと契約を結び「○○タイヤ特約店」としていたSSが多かったと思いますが、例え「○○タイヤ特約店」であっても◇◇タイヤや□□タイヤを売っても、それはタイヤを見ればメーカーがハッキリ分かりますから消費者を騙すことにはなりません。
しかし、ガソリンなどは違います。
元売のローリー(系列玉)も、系列外のローリー(業転玉)も、販売店の地下タンクに荷降ろしします。
地下タンクの中で、ブランドが混ざっているとしても消費者には見えないし、分かりません。
浮気買いをされている販売店の方は「消費者はマークなんて気にしないのだから良いじゃないか」と言われます。
私も多くの消費者はそうだと思います。
しかし、これはそういう問題ではないのです。
品確法の問題でもない。
これはモラルの問題です。
誤解を恐れずに書きますが、
先日から当店も業転玉を手当てさせて頂くことにしました。
断っておきますが、地下タンクには降ろしません。
お客様にも「系列外」と説明してあります。
このお客様とは、先日記事にした他店から安値営業を受けた先です。
http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/d69d8b902e12b3fb4ee5d8ceef33ae62
新工場増設で5キロの地下タンクを埋設されました。
オーダーは4キロ毎となります。
うちのローリーは2キロタンクですので、系列ローリーでそこへ荷卸ししてほしいと特約店担当者に相談しました。
しかし、手続きが煩雑なことと単価の折り合いが付かず、ご破算。
特約店はPBも手がけている大手商社です。要するに業転玉も扱っているということです。
ですので、「その筋から、」と打診してみましたが、「数量が少ない」とのことで断られました。
大手商社にとっては、4キロは少ないという認識なのです。
1回は4キロでも、それが週に1回(繁忙期は2回)あるのです。
月にすれば大きな取引だと思うのですが・・・・
大企業になると感覚が違うようです。
系列では値段が高くてお話にならない。
特約店の業転ルートを頼っても、「数量が少ない」と断られる。。。
このままでは、長年の大切な得意先を失ってしまいます。
しかし、当店の取引先には全ての製品にMSDSや試験成績表を必要とされる企業や、化管法によりその都度証明書を元売に発行してもらわなければならない案件もあるので、
競合店の価格に合わせるために業転を仕入れる(地下タンクに入れる)ことは出来ません。
そこで知り合いのPB業者さんに配送をお願いした次第です。
PB業者さんのローリーで蔵取りした燃料をそのまま得意先の工場へ運んで地下タンクに荷卸ししていただく形です。
このことは先様にも「ENEOSではない、他元売の系列外の燃料です」と説明しました。
※系列と系列外の仕切値の違う理由は理解できないご様子でした。当然だと思います。
PB業者さんへの支払いはCODでも、得意先からの支払いはこれまでと同様、末〆の翌月末払いです。
なので競合店より数円高い単価になりましたがご了承頂き、取引を継続させていただくことが出来ました。
・・・・・
元売はブランド料と称して系列販売店(ひいては消費者)に4円も負担させています。
私たちのような弱小販売店は元売に殺生権を握られているので従うしかありませんが、
消費者が事実を知ったらどうでしょう。
理解が得られるとは到底思えません。
元売系列とPBの価格差はせいぜい2円がいいところでしょうか。
ましてその理由に“ブランド料”なんて言えば、消費者の大多数からソッポを向かれること確実かと思われます。
値段だけではないという有難いお客様も確かに居られます。
その方たちを相手にして、(それで)やっていければそれで良いじゃないかという意見もあります。
しかし、それではその方たちに高額の負担を強いることになります。
公平な仕切りなら、消費者も公平な消費が出来るのに。
或いは、車を持たない家庭での灯油購入。
本当は安値で買いたいが徒歩や自転車では遠方の安値店に出向くのが困難なので近くの高値店で購入せざるを得ない、という人も居るかも知れません。 (当店のお客様で現にいらっしゃいます)
元売や政府はそういった社会的弱者のことを考えているのでしょうか。
燃料は嗜好品でもないし、単なる消耗品でもないのです。
私がもしその立場なら石油組合や政府に文句を言いますよ。
「近所の店で買うしかないが、その店は高い。
ホームセンターやセルフでは安いのに何故だ?!
高値の店をちゃんと指導しろ!」
そうしたら、何て答えて下さるのでしょうね。
「値段はその店主が自由に決めているので・・・」とか?
冗談じゃない!!
セルフやホームセンターの灯油の売値は、うちの仕切り以下です!!
ガソリンだってそうですよ。。。
・・・・・
第3次補正予算で石油販売向けに151億円が計上されたようですが、
本当に必要なことは、
仕切り格差のない健全な業界になることです。
でなければ、せっかく補助金を投入して地下タンク規制をクリアしても、
不透明で不公平な、弱肉強食の世界が続く限り、理不尽な淘汰の危険性は無くなりません。
という事は、補助金として使われた税金が無駄になるかも知れないということです。
補助金が生きるか死ぬかは今後の業界の姿勢に掛かっています。
系列販売店が系列外の業転を仕入れなければ生き残れない
こんな可笑しなハナシがあるでしょうか。
業転は、系列販売店の元売への不満の矛先を逸らす為の撒き餌です。
軽減措置認定を取り消す動きなど、元売のポーズでしょう。
実際にあったとしても元売の贔屓により選別された結果によるものでしょう。
この問題は業界全体で一度に取り組まなければ絶対に是正は不可能です。
話しを最初に戻します。
法律なんていうモノのために、
悪事が無罪になり、悪事では無いのに有罪になる滑稽さ。
本来の社会生活には法律なんて必要なかった。
モラルがあれば、して良い事と、してはいけない事の区別はつくはずです。
先日予告した「週途中の仕切り改訂について」です。
先ず、(赤字の部分だけでもいいので)10月22日「ぜんせき」の論説を読んでください。
***「中途改訂で透けてみえる現実」***
多くのSS所長がそうであるように、元売も相対的に売上数量が芳しくないと、営業・販売担当は厳しい事態に直面する。
営業基盤が全国にまたがるから、地域における同業者との比較とともに、社内の他地域との営業成績の評定にもさらされる。
その営業成績を左右するのは、残念ながら単価だ。
長年築き上げた信用も、誠意も大切な要素ではあろうが、お得意様の多くは一定の範囲を超える値差を許容しない。
現状は、営業マン個人の裁量がほとんど考慮されない価格フォーミュラとなっているから、比較劣位に陥らないよう、そのフォーミュアを仕切る上司、経営幹部へと要請を行う。
そうして、価格フォーミュラは徐々に弾力性を高める道を歩むが、その度が過ぎると組織全体、さらには業界全体を危機へと向わせることになる。
石油元売全社が20世紀終盤にたどった道である。
先週も有力な卸価格指標の1つが期間中の中途に改訂された。
期中改訂の意図は、多くの場合、同業者に対する比較劣位を未然に防ぐことにある。
多くの場合は、期中値下げとなる実態から、数量を落とさないよう、いち早く値下げ対応するものだ。
それが適用されるお得意様の範疇には、系列取引に縛られない大口が多く含まれているだろうことは、想像に難くない。
先週までの今年の42週中、ガソリン全国小売平均価格の動向は、値上がりは16週、値下がりは22週、そして横ばいは4週だった。
主な指標では、JX先行は値下げ22回、値上げ18回、横ばいは4週だった。
うち2回は期中改訂で、いずれも今月に実施された値下げだ。
EMG外販(系列外)は値下げ21回、値上げ18回、横ばい13回で、うち期中改訂が10回を数え、全値下げと確認できる。
一方、確認できるEMG系列は、値下げ17回、値上げ16回、横ばい10回で、うち1回のみが期中改訂値下げである。
当然のことながら、小売価格と卸指標との連動性が強く見受けられるが、1つ大いに気になる点がみつかるだろう。
それは元売にとって、最長かつ最大の上得意先であるはずの、系列への期中対応が少ないという事実だ。
最も大切にされるべき系列一般特約店、販売店、代理店、SSの置かれている悲しく、かつ冷徹な現況が透けて見えてくる。
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元売のサイトに、「当社の卸価格は毎週金曜日までの市況動向を総合的に勘案のうえ土曜日に改定 」と書いてあるように、
今の卸価格は“市況”を元に決まっています。
その市況は、PBやセルフの価格競争で、どうしても安値に引っぱられます。
系列外ルートに流れる玉(業転玉)の方が元々最初から安いのに、期中改訂で更に安くなる。
しかし系列には同じようには適応されない。
つまり、系列玉と業転玉の価格差が又もや広がるということです。
高級バッグとか有名パテシエのケーキとか、そういうものなら「ブランド」とか「ネームバリュー」が通用するでしょう。
加工する商品なら付加価値も付けられるでしょう。
けれども燃料なんていうのは、東日本大震災でも認識された大切なエネルギーではあっても、所詮は消耗品でしかない。
「値段」でしかない。
そんな商品の仕切り値に5-10円もの価格差が付いている。
しかもその価格差の理由も消費者に対してハッキリと公表されていない。
だから
「系列販売店が系列100%仕入れをしていたら潰れる」
そんな業界の状況が変わりそうも無いので、系列であっても業転玉を仕入れる販売店が増えてくる。
けれども、
それで済ませていて良いのでしょうか!?
追記
元売自身が、本当は自社のブランド価値なんて認めていないのでしょう?
だから、期中値下げなんて行うんですよね?
世間に向かってきちんと公表しないのも、消費者にも認めてもらえないコトが最初から分かっているからでしょう?
元売がエラソーに「ブランド料」って言える相手は、契約(マーク)に縛りつけられている系列販売店だけ。
契約(マーク)で縛りつけられている系列販売店には傲然として居られる。
だけどそんな縛りがない商社様等にお買い上げ頂くためには、系列販売店を相手にするような傲慢な態度では居られないから、「値下げ」するしかないんですよね?
「納得できないならほかへどうぞ」といった系列解除を示唆するような言葉を受ければ「納得できなくても、価格を呑まざるを得ない」との声は少なくない。
業界紙に載っていた、この文言。
個人消費者にはピンと来ないかも知れないけど、品質保証(試験成績表や分析表やMSDS)などが必要で、尚且つ、配達や掛け取引も必要な企業(特に製造業)は、今はピンと来ないかも知れないけど、このまま更にガソリンスタンドの淘汰が進み、廃業やPB化が増えると、“他人事”ではなくなりますよ。
脅すわけではないけど、対応してくれる販売店が市内に1店舗しかないような状態になったら、
「納得できないならほかへどうぞ」と言われても「納得できなくても、呑まざるを得ない」といった、今の我々のような立場になりますよ。
その1店舗もセルフに敗れて敗退となれば、勝ち残ったセルフが配達なども引き受けるようになるかも知れないけど、それこそ販売店側の出す条件を全て呑まざるを得なくなるのではないでしょうか。
広域大手業者にそんなけったクソ悪いコトさせたくない、っていう思いもあるから、全国の地場の3者店の多くは頑張っているんですけどね。
分かってもらえないままで。