エドガー賞、アンソニー賞、マカヴィティ賞などの新人賞受賞
でも、読みにくい面白くない乗れない、長い話だった。
最初のページなど改行がわずかで、べったりと活字で埋まっている、処女作だからか、やたら修辞や比喩に凝っている。
その上、一人称で話す主人公が、全くやりきれないほど煮え切らない、魅力がない。
と、こき下ろしては見たけど。
半分くらい我慢すると、なれて少しは面白くなってくる。そして解決近い部分になるとスピードも上がって、まぁ有名な売れている作家のアレコレよりはましかなと思う(笑)
* * *
アイルランド、ダブリン近くの新興住宅地、後に森があって子供の遊び場になっていた。そこに三人の仲良しが入ったまま帰ってこなかった。やっと帰った男の子「アダム」は記憶がなかった。
20年後、アダムはミドルネームを使ってロバート(ロブ)と名前を変え、家も引越し、殺人課の刑事になっていた。
ところがかって彼が住んでいた、寂れた町の上に高速道路が通ることになる。そこは歴史のあるアイルランド、工事中の場所に遺跡が埋まっていることがわかる。
その発掘中に、ケイティという女の子が殺される。それも昔、行方不明になった子供たちと同じ12歳。
ロブは昔の事件が蒸し返されるのを恐れている。記憶がないというものの、再び話題になって身元が明らかになり、捜査からはずされたくない、その上なにがあったのか思い出せない不安にも苦しめられている。
事件の捜査するうちに、フラッシュバックのように子供の頃の情景が蘇ることがあるが、それも直接二人の子供の行方につながるものではない。
彼自身もあの二人は生きているのだろうかという疑問に悩まされている。
そして、捜査を進めるうちにケイティ事件は犯人の手がかりもみつかり、意外な真実がわかる。
* * *
さえないロブに比べて相棒のキャシーが魅力的、仲間に加わったサムもいい。
この二人が出ると少し面白くなるが、ロブの、過去に悩まされるという、うじうじとした話は退屈で、本筋にかすりもしないで、結局昔の二人の行方は知れないまま。解決もされない。
残り少なくなったところで、ケイティ事件は、意外な展開を見せて解決する。
このあたりは作者のある程度の実力は感じられるが、何しろ忍耐の要る本だった。
★★★ 少しおまけ