見上げると
光が
蒼い雫になって落ちてくる
シロツメグサの花言葉は「約束」という
少女の頃に覚えたわずかな花言葉の中から
「約束」という文字がまた咲く季節になった
シロツメグサが咲くと
聞き流した約束
挨拶代わりのちょっとした約束が
いつ果たされるのかと待っているようで
花と花とをつないで
忘れていた人の手に掛けてあげなければ
すぐに花の季節が終わって忘れてしまうに違いないのに
待っている人がいるかも知れないのに
海の果てで光が生まれて
波を渡って届く朝がある
やがて光は夢のように消え
海は深い青に包まれ
終わりのない思いのように
繰り返し波頭が寄せている
星が煌く頃
行き着くところのない海の道は
どこまでも時を渡っていく