時間は総ての上に流れていき
日は昇り日が落ちる
白鳥は
棲家に帰り
カメラマンはレンズを下ろして
一日の安寧の前で
頭を垂れる
春に芽が出て花が咲き
夏には若葉が輝き
秋が来れば紅葉して葉が落ちて
冬になれば木は眠る
そして また
春が来て
木は目覚めて
芽が出て
花が咲くだろう
いつまでも
あの木の花は咲き続けるだろう
繰り返し繰り返し
変わりなく咲いていることだろう
山茶花は 咲き終わったら ハラハラと散る また咲くために 美しい間に 地面を染められる間に 散っていかないと 冷たい冬のなごりが葉陰に残っている間に 銀色の霜柱が輝いている間に 散らないと
人は
生まれた時から捜し続けているという半身
望んでも満たされないものを
欠けているものを探り続けているという
僕は
モビールになったときから分かっていた
あの色とりどりの丸い玉
手が届きそうで届かない仲間たち
見えるのに永遠に手に入らないもののあることが