空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

落日

2007-02-27 | 山野草



時間は総ての上に流れていき
日は昇り日が落ちる

白鳥は
棲家に帰り

カメラマンはレンズを下ろして
一日の安寧の前で
頭を垂れる



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冬の浄瑠璃寺

2007-02-26 | 山野草




浄瑠璃寺の小さな山門をくぐる
静かな午後
本堂は静まり
風もない

此岸から彼岸へ
宝ヶ池をゆっくり巡る

阿弥陀仏は格子戸の中にあり
吉祥天が空を見て立ち続ける
冬の日



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繰り返し

2007-02-23 | 山野草




春に芽が出て花が咲き
夏には若葉が輝き
秋が来れば紅葉して葉が落ちて
冬になれば木は眠る

そして また
春が来て
木は目覚めて
芽が出て 
花が咲くだろう

いつまでも
あの木の花は咲き続けるだろう
繰り返し繰り返し
変わりなく咲いていることだろう



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はなびら

2007-02-08 | 山野草

山茶花は 咲き終わったら  ハラハラと散る また咲くために 美しい間に 地面を染められる間に 散っていかないと 冷たい冬のなごりが葉陰に残っている間に 銀色の霜柱が輝いている間に 散らないと

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猫のモビール

2007-02-07 | 山野草

人は
生まれた時から捜し続けているという半身
望んでも満たされないものを
欠けているものを探り続けているという

僕は
モビールになったときから分かっていた
あの色とりどりの丸い玉
手が届きそうで届かない仲間たち
見えるのに永遠に手に入らないもののあることが

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物語

2007-02-06 | 山野草

こぼれてくる日差しを浴びていると
少しずつ積もっていった塵を払って
新しいページを開きたくなる

捨てられずにいた物語は
そのときひとつ完結する

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