空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

おきなぐさ 宮沢賢治、陣崎草子 出版社:三起商行株式会社

2023-05-20 | 読書
 
おきなぐさ
 
 
子供の頃、畑の畦や野原でこの優しい花をよく見かけました。初夏には長いひげをもつ種子ができていました。
転勤先の岩手に住んでいた頃、山に行くと懐かしいいろいろな花に出会えました。
枯れた野原でこの花を見つけた時その話をすると「おきなぐさ」は「うずのしゅげ」と呼ばれていると教えてもらいました。
「うず」は「おじいさん」。「しゅげ」は「ひげ」という意味だそうです。
たまたま車で通りかかった道なのですが、岩手のどこかの山ではまだこの花が咲いているかもしれません。今はどうなっているだろうと時々思い出していました。
子供の頃歩いた故郷の野山はすっかり変わってもう見ることはできません。

偶然通りかかった花屋さんで見つけたオキナグサは記憶の花と同じ形をしていますが、色が薄くたぶん園芸種なのだと思います。それでも買ってきて植えてみました、元気に育って咲きました。次は「髭」を見ようと楽しみにしています。

挿絵が美しい宮沢賢治の絵本を図書館で見つけました。
「宮沢賢治コレクション4 雁の童子」が底本になっています。


              ☆☆☆


 私は去年の丁度今ごろの風のすきとおったある日のひるまを思い出します。
 それは小岩井農場の南、
 あのゆるやかな七つ森のいちばん西のはずれの西がわでした。

 この花は黒繻子ででもこしらえた変わり型のコップのように見えますが
 蟻にたずねます
 うずのしゅげはすきかい
 大好きです
 あの花は真っ黒だよ
 いいえ黒く見えるときもそれはあります   
 けれどもまるで燃えあがって真赤な時もあります。
 いいえ、お日さまの光の降る時なら
 誰にだってまっ赤に見えるだろうと思います

 蟻はそして花の全身を覆っている柔らかい銀の糸のことも話します
 山男も、空高く舞うひばりも、この花が大好きでした。
 花が終わり長いひげが旅立つ時が来ました。

 綺麗なすきとおった風がやって参りました。
 まず向こうのポプラをひるがえし
 青の燕麦に波をたててそれから丘に登って来ました。
 うずのしゅげは光ってまるで踊るように
 ふらふらして叫びました
「さようなら、ひばりさん、さようなら、みなさん
 お日さん、ありがとうございました」
 そして丁度星が砕けて散るときのように体がばらばらになって
 一本ずつの銀毛はまっしろに光り、羽虫のように北の方へ飛んでいきました。 

           ☆☆☆ 



これは抜き書きですが
賢治のたくさんの話の風景の中に「おきなぐさ」も咲いていて、こんな美しい言葉になっているのが嬉しくて何度も読み返しました。
 
今年、庭で咲いたおきなぐさです。
 
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3月26日 「本か好き!」から転載
 
 
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蛍の光窓の雪(^^♪

2023-05-19 | 花だより

春に園芸店で「ホタルブクロの苗」を見つけて植えました。ワクワクして待っていると、とてもきれいな色の花が咲きました。

子供の頃、田畑のあちこちで草に交じって咲いていたのは、薄い白色の花で遠慮がちにうつむいて咲いていました。そろそろつぼみが膨らんで花が咲くころか思っていたのですが、濃淡の混じった紫の花と、少し遅れて薄いピンク色で花弁が二重になったおしゃれな花が咲きました。

花の中を覗いてみると、蛍ならこの花に入りたいだろうと思うような柔らかい光に包まれた部屋がありました。

今日は朝から雨だったのですが、そろそろ開きそうだなとは思っていたのですが、夕方になって出てみるとベルのように咲いていました。

野の花は優しげでもどこかうっすらと逞しさも感じられるのですが、庭の花は優しくほっとするような風情です。

ちょっと意外に思ったのですが、昔、花びらが食べられると聞いて(-_-;)噛んでみたら苦そうな薄い香りがして、一度でこりごりでした。

名前のように蛍を入れる花なのかなと思ったのですが、思い出すと蛍よりずっと早く咲いていたように思います。

今日行った園芸店で、「ことしはもう蛍が出ているそうよ、温暖化でもう飛び始めたそうよ」と話声が聞こえてビックリしました。

ここでも近くの川でたまに蛍が飛んでいて、一度だけ見に行ったことがあるのですが、6月の半ばだったように思います。

一か月も早いようで、5月なのに気温が30度超える日もあるくらいで、蛍だけでなくホタルブクロもびっくりでしょう。

最初に咲いたホタルブクロです

これは花びらが二重でおしゃれなスカートのような種類です。

子供の頃空を埋めるほど(ホント大げさでなく)蛍が川から湧いて出ました。竹ぼうきでつかまえて籠にいれましたが、試してみると本が読めるほど明るくはなかったです、ろうそくなどの明かりでもっと暗かった頃は、 それで書を読んだのかもしれませんが。

蛍の光で文字がよく読めないのは数が少ないからかもと思って、両手に入るほど集めましたがそんなに明るくはなりませんでした。水を吹き付けたり、籠の底に草を活けてとまらせたり、いろいろ試してみましたが長くても3日くらいで死んでしまいました。

石鎚山を源にする澄んだ水に恵まれたところで、ホタルは水辺の柳の木の根元が光って見えるほど湧いて出て、子供たちが集まって、ホタルを追いかけて田んぼの畦や川岸を走り回って遊びましたが、大人になってお盆休みに行ってみると、チカチカボタルと呼んでいた、小さいヘイケボタルが一二匹飛んでいました。

長く光る大型のゲンジボタルはお盆の頃はもう見られませんでした。従妹たちに「まだ蛍飛ぶ?」

と聞いてみたら「減ったね。護岸工事でニナ(カワニナ)が居なくなったし」と言っていました。

科学雑誌でホタルの特集を読みました、南国では河辺の木に蛍が止まって、樹形が確かめられるくらい光っているそうで、点滅の間隔が違う蛍が合流して同じ木にとまると、同調して同じ間隔で点滅を始めるそうで、木の形をした光の塊が同じように点滅している風景はとても幻想的だろうと思いました。その光が川面に写っている風景を見てみたいと思ったのですが、オーロラも木の形に光っているホタルの群れも見る機会があるとは思えません。

それから、関東と関西では同じ種類の蛍でも光りかたが違うそうです。

 

現実にかえって、今日植えたチェリーセージです。

もう花は増やさない、というかあまり植える隙間もないのですが、チェリーセージだけは別で、色数も多いので植えてない色の花を見つけると、つい手が出ます。これは名前のように薄いオレンジとレモンイエローがとても美しく大きく育てたいと思っています。

チェリーセージは夏も冬も枯れないで強いし、その上花も小さくて地味な感じですがどこか好きで、4.5年育てているブルーの花はもうあふれるように咲き始めました。

色数だけは揃ってきましたがまだ昨年買ったものは小さくて、冬越しの後切り戻しをしたら株が少し大きくなってきました。まだつぼみも見えませんが楽しみです。

 

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カランコエ・プミラ 白銀の舞

2023-05-14 | 花だより

廊下に植木鉢をぎゅうぎゅう詰めに入れて、みんな一緒に冬越ししているうちに無事に春が来ました。

この鉢は白い柔らかそうな葉が美しいのでちょっと日が射しこむカーテン脇に置いていたら、春には新しい芽が覗いていました。やったね!

でも又名前がわからないし、四月に外に出して空いたハンギングバスケットの中に入れておいたまま忘れていました。

ところがパトロール中に、隅の方にピンクの色が見えたので近づいてみると可愛い花が咲いていました。

 

可愛いけど何て名前?また複雑な名前の迷い道を手探りで探しました。

やっと見つけて育て方も読んでみました。

なんとカランコエの仲間でビックリ。

白っぽい産毛が、柔らかそうで,きれいな葉はバラのようにくるっと巻いています。

小花が集まって垂れ下がるように伸びて、思わず嬉しくなって見るたびにニコニコしてしまいました。

花が終わったら大きい鉢に植え替えてあふれるように咲いてほしいと思っています。

 

おまけのスイートピーです。

 

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Googleレンズ で

2023-05-11 | 花だより

この花、今ならわかります、初めて咲いた花ですが「セリンセ・マヨール」という名前です。

 

でも咲くまで見たことがなかったのです。

小さい紫色が見えた時もつぼみだと思って覗いてみたら雄蕊も雌蕊も揃ってしっかり花の形で咲いていました。タグもプレートも無くしたので名前が分からずgoogleフォトで検索してpcで確認しました。

名前がわかるとたくさん写真が上がっていて、あちこちの庭で咲いているようでした。

 

驚きました。こんな花だったなんて。それも倒れそうに背が高くて支えてもまだ止まらないで伸びて、紫のカップ型の花がガク(苞かも)にぶら下がっている。可愛くて愛でたくなるような風情ではないけれど、それなりに印象的。

 

そこで気がつきました。ソウダこの花の苗を見た時、違った花が咲くだろうと思って植えたのだった。

ほかの花、この花と違うどんな花が咲くと植えて待っていたのだろう。

でもそのつもりだった花が何だったのか…忘れた。頑張っても思い出せない。野の花だったか庭の花だったのか。

「セリンセ・マヨール」の意外感はもういいとして、今度はつもりで植えた花の名前が気になって仕方がない。

少し白っぽい色を載せた柔らかい緑の葉っぱで、細長く背もこのセリンセくらいは伸びるそんな花。

あの花はなんだったのだろう。結構煩悶(-_-;) 気になる気になる。

 

そこでハッと思いついたのです。

あのGoogle先生で「セリンセ・マヨール」を写して検索を間違えてもらおう。名前が分かった花を写しても違った名前を教えてくれることがあるし。

早速スマホを構えて部屋を飛び出して写しました。

写した一枚目は検索してみると「セリンセ・マヨール」。全部「セリンセ・マヨール」

先生偉いではないですが、これ合ってます、ではない。間違えてみて。

そこで「見た目で一致」を追加してみる。

出ました「セリンセ・マヨール」さんと見た目が似ている花、ベンケイソウ(いや多肉ではない)キンセンカ(明らかに葉っぱは固いし)青梗菜(この野菜の子供時代は知らない)オステオスペルマム(葉が細かいので違う)ストック(まさか) ルッコラ(ではない)

そしてついに出ました思い出しました、トルコキキョウ!!  

それです、そうですトルコキキョウが咲くと思って育ててきました。葉っぱが似ていると思ったのに、なのに「セリンセ・マヨール」が咲いたんです。

それも支えがないと爆発しそうな姿勢で、ポチポチと紫の花がこぼれるように、俯き加減で申し訳なさそうに、咲いています。

 

私はしみじみ姿を見て見て許すことにしました。初めて見た花だし目立たないけれど色で言えば咲いていても悪くはないシックな色だし。

というので、咲くつもりで育てていた花はトルコギキョウだと判ってさっぱりしました。

次の機会にはちゃんと名前を確かめて買うことにしました。

 

今朝はスッキリ解決した、悶々話でした。

 


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野菜市場で

2023-05-03 | 日日是好日

ゴールデンウイークが始まって、毎年恒例の家でゆったりモードです。

 

でも野菜が少なくなっていたので買出しに行きました。

入り口に、箱入りトマトが。安くて赤くておいしそうだったけれど1箱24個入り。うちはとまとが大好きで冷やして齧るほどだけど、う~~ん、デモひと箱は多いな。

そこで手を伸ばしている明るそうな(これ肝心)知らない奥さんに「おいしそうですね。半分こしません?」と言ってみた。

「それいいですね、半分こしましょう、しましょう、ありがとうございます」とお礼まで言われ喜んで乗ってくれた。

1箱が880円安い!! レジで割り勘にして、オット消費税も。 12個で、440円と44円(^▽^)/

で別れ際にちょっとのつもりが、あいさつ代わりの話が盛り上がりました。

明るい人で、長くカナダにいたそうでその上そこで息子さんばかり5人産んだ(まぁびっくり)

「引っ越し大丈夫ですね、心強い」(つい転勤族だった時を思い出す私)

全員現地で就職結婚。次々に出張で来ては寄っていくそうで、カナダは美しくていいところだけれどやっぱり故郷ですね。

へぇ、子供も家庭を持つと親は気楽な故郷の暮らしに還るのかな(心の声)

話しているとスポーツ好きで、園芸も手芸も好きだそうな。気が合うと喜んでくれたけれど、帰ったらトマトピューレを作るそうで、カットしてドレッシングぶっかけの我が家とは少し違うようですが。

失礼ですがお名前は?と訊かれて、まぁ個人情報も時と場合によるか。教えてくれたのはなんかあまりないとても福々しい名字で最近物忘れが多いけれど一発で覚えました。車でさっそうと帰られたのが、我が家と同じ方面でしたが少し遠いかな。

いやートマトも今回は一味違う(o^―^o)ニコ

記念撮影

 

後に写っているペチュニア・カプチーノは昨日買ってきて花は切って植えました。vivaシリーズで渋い色が素敵です。

今年はペチュニアは育てないつもりで冬越し苗だけにしようと思っていたのですがvivaシリーズは色が綺麗。

 

それを先日常滑で買ったちいさい器に活けました。

常滑焼を見に行って気に入って買ったのですが、なんと伊万里焼だそうで(*_*;

750円の値札がついていたのに200円にしてくれました。ので小皿もかってきました。これも伊万里焼だそうでナニソレと思いつつ笑いながら使っています。

 

そうそう先日また人違いされました「おかださん?」と言われて振り向くと知らない人でした。

私はパッとマスクを取って「違うみたいですね」というと「ほんとですね」ホントというのはしっかり分かったということで。

旦那さんにツンツンされ恥ずかしそうでした。ナンカ私も。

 

少し前「農協で事務されてます?」と聞かれたことがあります。「農協?事務?」「違いますけど」

やっぱここは山間僻地、モトイ自然に恵まれたゆったりしたところなので、シティーガール、ではなかった、おばさん、でなくて古びたOLに見えるのかな。

あの方は農協のお得意さんなのかも。

よく道を訊かれるし、なんだかな。

 

久しぶりでパソコンに向かうと長くなって、、、久しぶりの花だよりはページを改めます(*_ _)ペコリ

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