今年の夏はひどく暑かった。外の出るのも動くのも、汗をかくので鬱陶しく、家事をするほかは部屋に篭っていた。
それがよくなかった。心身ともにシンと静まって、動きにくくなった。
珍しいものを見ても、本を読んでも面白くなくてついには映画も退屈し始めた。落ち着いたのはいいが、落ち着きすぎてトーンまで低くなった。
これでは人生の楽しみをフイにしてしまうのではないか、と心配になった。
私は生意気なので、HOW-TO物は読まない。
できれば生々しい手記からも遠ざかりたい。
ひとは微妙に違っていて、どれだけ親身になっても役に立つとは限らないと思っている。
話を聞けば自分なりに考えるが自分の話はあまりしない。
(ところが年とともに日記などは書くようになった^^;)
乏しい経験でどれだけ人の役に立つのか自信がないということもある。
余り考えると話の重みでつぶされそうになることがある。
それなら、できれば金言がちりばめられた名作を読もうと思っている。
ところが、息子が毎月もらってくる「PHP」を何気なく読んだ。
一階のトイレの本棚にバックナンバーを揃えておいてある。
私はほとんど二階に棲んでいるので一階のトイレは滅多に使わないから、この本を読む機会がすくない。
児玉さんの作家対談はできるだけ読んでいたが、なくなってしまったし。
ところが、天の導きか地の声か、大急ぎで入ったトイレでいいものを見つけた、グッドタイミング(笑)(・_・;?)
「心の立て直し方」という見出しが見えたので、喜んで読んでみた。
寂聴さんの「何を忘れ、何を忘れないか」も、そうだなぁと納得したが
黒丸尊治という心療内科やケア科専門の先生の「一歩を踏み出す3つのヒント」はとてもいい内容だった。
気持ちは変えるものではなく変るもの、焦らず、その時を待ちましょう。
という添え書きに力を得て、読んでみた
ヒント① 無理に変えようとしない
ヒント② きっかけを作ってみる
ヒント③ 自分に質問をする
人と話をしたり第三者の視線で自分を眺められる機会を作ったりする
這い上がってくるだけの力が人の心には備わって居るのだから、切っ
掛けが必要。それがいつ訪れるかは時期やタイミングだけの問題だ
から焦らないでいい。
反省はしすぎないほうがいい。
というのだが、私は、なんだ涼しくさえなればいいのだ、と思い、秋が近づくのに足並みを揃えて待つことにした。
仰るとおり、涼しくなり始めると元気が出て、また時間不足に悩まされるようになった。
本も映画も面白く、野山を歩くのも楽しみ。ごみ箱行きの下手な写真をどんどん撮っている(^^)
でもこれはやくにたったので、来年の夏用にメモしておくことにした。