月の沙漠を はるばると
旅の駱駝がゆきました
金と銀との鞍置いて
二つならんでゆきました
金の鞍には銀の甕
銀の鞍には金の甕
二つの甕は それぞれに
紐で結んでありました
さきの鞍には王子様
あとの鞍にはお姫様
乗った二人は おそろいの
白い上着を着てました
曠い沙漠をひとすじに
二人はどこへゆくのでしょう
朧にけぶる月の夜を
対の駱駝はとぼとぼと
砂丘を越えて行きました
黙って越えて行きました
加藤まさを 作詞
佐々木すぐる 作曲
この歌を口ずさむと今でも不思議に思うことが多い。子供の頃から変だなぁと感じていたことがある。
「二人はどこへいくのでしょう」
どこへ行くのでしょう、子供の私は困ってしまった。いったいどこへ行くのにこんな所を歩いているのか、
朧な月に照らされてとぼとぼといつまでも歩き続けて、なぜだろう。、
きらびやかに飾りたてて白い上着を着て物悲しいメロディーに乗って、このままで生きていけるのだろうか
こんなことを思うとこの歌はなにか不可解な歌詞で、子供ながらそれで?という消化不良の気分が残った
最近は思う。
コレは幻想的な絵画なんだ。キャンバスがあろうとなかろうと。朧な月の出た砂漠があって、
そこをらくだに乗って歩いていく。それが王子と王女ならいいな。
砂の上には二筋の長い足跡がついている。ああ二人はどこへ行くのだろうな、画家は行く先がどこだろうと構わなかったのだ。
そんなことよりも、浮かんできた風景を描いてみたら異郷のメルヘンチックな絵になった。
そしてそれを見ていたらこんな歌詞が浮かんだ、それなら多少つじつまが合わなくても伝わるものはある。
そして哀しいメロディーがつくと素晴らしい作品が出来上がった。
そして 巷では
西方浄土道行説 (おさん茂平か?)
ロミオとジュリエット説 (シェークスピアもビックリ)
新婚旅行説 (初の海外旅行者 「夫は冒険家なの」新婦談)
部族紛争逃走説 (アラビアのロレンスは人道主義を貫いた!! ワシントンポスト)
アラビアン・ペイシェント説 (生き残った王子を看護婦が助ける)
余談
コレは千葉の御宿海岸で砂浜を見て作ったんだって でも名作。