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「炎蛹」 新宿鮫V 大沢在昌 光文社カッパノベルズ

2011-01-29 | 読書
やっとVまで読んだ。
IIからIVまでもメモしておかないと忘れそう。

* * *

造り酒屋の男が、娼婦を間違えて殺してしまった。彼は病気を移された金髪の南米から来た娼婦を狙っている。

一方、小さな爆破装置から出たと思える連続放火が続いている。発火元はどれも新宿のラブホテルだった。

鮫島は娼婦の部屋に盗難にあった電化製品があるのを見つける。これと大がかりな窃盗団とのつながりは、その先に南米あたりの密売グループがいるらしい。
盗品の倉庫に近づいたとき、そこを中国マフィアが襲い乱闘になる。

多くの事件にかかわり、迷っていた鮫島の前に、政府の植物防疫官の甲屋が現れる。南米から来た娼婦を探しているという。
まさに殺されたのはその娼婦だった。だがいわくのある彼女の同居人が持ち物を持って姿を隠してしまう。

その中にある藁作りの十字架には、稲を全滅させかねない害虫の蛹がついていて、気温が上がれば羽化してしまうという、危険な季節の変わりめだった。タイムリミットが近かった。

こうして錯綜した事件の中で、目的は異なるが、、南米女を追う鮫島と甲屋は一時的なチームになる。

それぞれの事件は鮫島の感知しない部分で背景が語られる。
それもそれなりにミステリアスであり混み入っていて面白い。

相棒になった初老の甲屋も、赤い色をした害虫の卵を羽化前になんとか見つけたいと逼迫した危機感で焦っている、捜査経験はないにしろ、頭が切れ人柄には味がある、鮫島と組んで、このところは面白いコンビになっている。

放火犯を追う消防庁、農水省防疫課、新宿署生活安全課、駆けつける機捜など 入り混じってめまぐるしい。

南米マフィアを束ねているらしい日系ブラジル人、ムラカミまたの名を仙田勝、と言うボスに肉薄した鮫島はあと一歩というところで国外に飛び立たれてしまった。彼は同棲していた女の身の保護を鮫島に依頼する。鮫島を殺せる機会を譲ったからだというのだ。
彼との関わりはその後のシリーズの中でも何度も顕われて面白い。

* * *


17. ★4.5



新宿鮫メモ

I. メモ済 ★4 

II・ 「毒猿」
   Iを読んで面白いとは思ったが、Ⅱがこれほどだとは期待してなかった。新宿御苑の死闘はシリーズの
   中でも一番記憶に残るシーンだろう、登場人物も、悪役の毒猿という殺し屋も生きている。
   Iよりも面白いようにおもう。★5  

III. 「屍蘭」題名にひるむ感じはあるが。最初に殺された浜島の侠気から始まるはなしだが、女が犯罪を
   生み出していくすごさに恐れをなした。産婦人科にまつわる闇の世界がホラーチックで面白かった。★4

IV. 「無限人形」
   アイスキャンディという覚せい剤を追う話。薬を薄め錠剤か化した簡単なものが若者の間で
   はやり出した、これも常用すれば中毒になる。晶のかってのバンド仲間の出身地にある、財閥の
   兄弟に迫る、鮫島、だが晶が誘拐されてしまう。★3かな
コメント
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