Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(326)峰岸徹

2016-05-20 00:10:00 | コラム
43年7月17日生まれ・2008年10月11日死去、享年65歳。
東京出身。

トップ画像は、敢えて、ふざけた感じのにしてみました。
(創り手は、本気だったろうがね!!)

というのも、峰岸徹(みねぎし・とおる)さんを画像検索した場合、そのほとんどに「岡田有希子」の存在が「のしかかって」くるんです。

こんな風に。



「僕はアニキのつもりだったが、彼女にはそれ以上のプラスアルファがあったのかも知れない」


岡田有希子の自死は、たいへんなショックでした。
怖いもの見たさも手伝って、『フライデー』買いましたもん。

峰岸さんが原因―週刊誌はそんな風に報道したものだから、もし現代だったとしたら、バッシングはゲス川谷くんの比じゃなかったと想像出来ます。

当時は自分も「助平男が!」なんて思ったりしましたが、残されたものの痛みのほうが大きかったはず。

自死はいけない―と力強くいえない考えを持つ自分でも、「残されたもののことも、考えようよ」とは思うわけです。


その後も俳優業を粛々とつづけた峰岸さんですが、2008年に肺がんにより死去。

訃報にも「岡田有希子」の名前が散見され、つらかったろうなぁ、、、と。


俳優としては主に「クセのある」悪役を好演。

俳優陣が「みんな、こええ」こういう作品の憎々しいキャラクターで活躍し、名バイプレイヤーとして評価されました。




<経歴>

幼いころに裕次郎に憧れ、俳優を志すようになる。

俳優座養成所(第16期生=同期に太地喜和子など)で演技を学ぶ。

映画俳優デビュー作は、62年の『高校生と女教師・非情の青春』。
このころの芸名は、峰健二でした。

整い過ぎている―ともいえる顔立ちで、赤木圭一郎を彷彿とさせるところもあり、出演作が立て続けに制作されていく。

『ニッポン無責任時代』(62)、『六本木の夜 愛して愛して』(63)、『あの娘に幸福を』(63)、『喜劇駅前女将』(64)、『男嫌い』(64)などなど。

68年、大映と契約。
このときに芸名を峰岸隆之介にあらためる。(峰岸徹と名乗るのは、75年より)

『講道館破門状』(68)、『闇を裂く一発』(68)、『女賭博師十番勝負』(69)、
『忍びの衆』(70)、『皆殺しのスキャット』(70)、『タリラリラン高校生』(71)、『夜の診察室』(71)、『告白的女優論』(71)、『百万人の大合唱』(72)、
国定忠治を演じた『無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた』(72)と『無宿人御子神の丈吉 川風に過去は流れた』(72)、
『哀愁のサーキット』(72)、『混血児リカ ひとりゆくさすらい旅』(73)、『ザ・ゴキブリ』(73)、『鬼輪番』(74)、『学生やくざ』(74)、『金環蝕』(75)、『動脈列島』(75)、『人間の証明』(77)、『サード』(78)、『赤穂城断絶』(78)、『乱れからくり』(79)。

81年、『ねらわれた学園』で大林宣彦と初タッグを組む。
以来、ほとんどの大林作品に出演するようになり・・・ましたが、本作の「星の魔王子」役は「いろんな意味で」すごいです、とにかく観てください笑

『コールガール』(82)、『遠野物語』(82)、『小説吉田学校』(83)、『廃市』(83)、『天国にいちばん近い島』(84)、『さびしんぼう』(85)、『彼のオートバイ、彼女の島』(86)、『野ゆき山ゆき海べゆき』(86)、『帝都物語』(88)、『異人たちとの夏』(88)、『右曲がりのダンディー』(89)、『北京的西瓜』(89)、『螢』(89)。

89年―『ゴジラVSビオランテ』において、G対策センター一佐の権藤吾郎を熱演する。
このキャラクターを評価するゴジラファンは多く、自分も峰岸さんのキャリアで最高の作品だと思っています。

『彼女が結婚しない理由』(92)、『鬼平犯科帳』(95)、『あした』(95)、
『告別』(2001)、『首領への道』(2003)、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003)、『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』(2005)、『映画 クロサギ』(2008)、『丘を越えて』(2008)、
「死者」役として印象を残した『おくりびと』(2008)、『その日のまえに』(2008)。

2008年上半期、がん闘病が始まる。
しかし肺から腰にまで転移しており、切除することが出来ないと判明。
8月、公に姿を見せたものの、10月11日に死去。

享年65歳、遺作は成龍と共演した『新宿インシデント』(2009)。

最後の撮影が大林組の『その日のまえに』だったそうで、その点は、ひじょうに幸福だったでしょうね。


次回のにっぽん男優列伝は、三橋達也さんから。

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明日のコラムは・・・

『「よき」ゴースト』
コメント (3)
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