Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん女優列伝(295)宮沢りえ

2021-11-10 00:10:00 | コラム
73年4月6日生まれ・48歳。
東京出身。

「すったもんだ」のあった宮沢りえ(みやざわ・りえ)さんに、「過去を消せる消しゴム、ないかしら」という台詞を用意したのは『北の国から'95 秘密』(95、フジテレビ)でした。
過去にAV出演したことを疑われる小沼シュウ役をりえさんに演じさせた倉本聰先生、さすがっす。


と同時に、CMでもドラマでも「すったもんだ」をネタに出来るりえさん本人も、さすが。

生きていればみんな、大なり小なり、すったもんだがあるわけじゃないですか。

「ふんどしカレンダー」や『Santa Fe』に歓喜した同世代としては、婚約解消や拒食症、ママ問題などなどなどなど、すべてを肯定して生きるりえさんは格好いいと思います。



※代表作、でしょうね!


<経歴>

日本とオランダ(父親)のハーフ。
『三井のリハウス』初代リハウスガール。

夫は元V6で俳優の森田剛。



11歳でモデルとして芸能界入りを果たす。

映画俳優デビュー作は、88年の『ぼくらの七日間戦争』。

「みんなに一泡吹かせてやろうよ!」



『どっちにするの。』(89)、『豪姫』(92)、
内田裕也やビートたけしと共演、やりたいことは分かるが壮大にスベッた感もあった『エロティックな関係』(92)。

このころに歌手デビューしていますが、初披露は『ミュージックステーション』(テレビ朝日)でしたか、父親も注目していて家族で観ていたんです、しかし出だしの歌唱で父親は頭を抱えて風呂に入ってしまいました(^^;)

まぁ、すべてうまくいく、、、なんてことは稀ですから。

『螢の光』(94)、『四十七人の刺客』(94)、『天守物語』(95)、
台湾映画『運転手の恋 The Cabbie』(2000)、香港映画『華の愛~遊園驚夢~』(2000)、『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』(2001)、『うつつ』(2002)。

映画俳優としての可能性を感じさせてくれたのは、10代ではなく、じつはこのあたりから。
それまではどうしても、「話題先行型」でしたからね…。

『たそがれ清兵衛』(2002)、『父と暮せば』(2004)、二役をこなした『トニー滝谷』(2005)、『阿修羅城の瞳』(2005)、『花よりもなほ』(2006)、『オリヲン座からの招待状』(2007)、『夢のまにまに』(2008)、『ゼラチンシルバーLOVE』(2009)。

…うん、10代のころのキャリアとは差異のあり過ぎる作品選びといったらいいのでしょうか、選んだというよりは、ぜひともりえさんで撮ってみたい!と監督のほうから選んでくれたというか、急激に作品に恵まれ始めたのです。

『謎解きはディナーのあとで』(2013)、実写化は結果的に悪くなかったと思う『魔女の宅急便』(2014)、
そして「すったもんだ」が最高に活きた傑作『紙の月』(2014)、
『トイレのピエタ』(2015)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)、『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)。

近作に『日本独立』(2020)の白洲正子、来年公開の『決戦は日曜日』(2022)。


超然とさえしている最近のりえさん、この10年でさらなる代表作が生まれそうです。


次回のにっぽん女優列伝は、宮下順子さんから。

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明日のコラムは・・・

『Trainspotting』
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にっぽん女優列伝(294)宮崎萬純

2021-11-09 01:54:35 | コラム
68年1月26日生まれ・53歳。
名古屋出身。

現在は…まぁ納得はしているものの、80年代当時に「解せないなぁ!」と思っていたこと。

映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズ(86~88)は原作や中心人物を演じる4人の俳優人気も手伝ってどれもスマッシュヒットを記録、
しかし演技も歌も巧いはずの清水宏次朗ではなく、仲村トオルのほうが売れちゃいました。
そして、どっちもどっちでは?みたいな声も聞かれますが(^^;)、どちらかというと演技も歌も巧かったであろう宮崎萬純(みやざき・ますみ…当時は宮崎ますみ表記)さんではなくミポリンのほうが売れちゃいました。


芸能界は、分からんなぁ! と。

そんな自分は、もちろん宮崎さん派でしたねぇ。



<経歴>

堀越高等学校卒業。

映画俳優デビュー作は富田靖子主演の『アイコ十六歳』(83)で、宮崎さんは名もなき端役でした。

自分が「お!」と思ったのはクラリオンガールに選出された85年あたりで、

※これはもう少し経ってからのショットかな


ここで注目したひとは多く、それが『ビー・バップ・ハイスクール』の三原山順子役につながったのでしょう。

映画は85年の第一弾、86年の「高校与太郎哀歌」、87年の「高校与太郎行進曲」「高校与太郎狂騒曲」、88年の「高校与太郎音頭」「高校与太郎完結篇」に連続出演を果たしています。


『冬物語』(89)、『ザジ ZAZIE』(89)、『ふうせん』(90)、『遺産相続』(90)、

鈴木清順が竹久夢二を描く『夢二』(91)、


『国会へ行こう!』(93)、『新極道の妻たち 惚れたら地獄』(94)、『屋根裏の散歩者』(94)、『写楽』(95)。

またこの時代には色っぽさを武器に様々なVシネマに主演、


内容は完全に忘れていますが、自分も市の中心地ではなく、「外れ」のほうまでチャリを走らせレンタルビデオ店の会員になって借りた記憶が残っていますよ(^^;)


現在、俳優業はほぼ休業状態。
ヒプノセラピストとして活動しているそうです。

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『にっぽん女優列伝(295)宮沢りえ』
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にっぽん女優列伝(293)宮崎あおい

2021-11-08 00:10:00 | コラム
85年11月30日生まれ、満島ひかりと同年同月同日生まれの35歳。
東京出身。

公式サイト


21世紀の映画であることを堂々と宣言した歴史的傑作、『EUREKA ユリイカ』(2001)の日本最速試写に潜入したことがあります。



主演の宮﨑あおい(みやざき・あおい)さん、そして実兄で元俳優の宮﨑将が登壇し「好きな食べ物は(ともに)唐揚げ」なんて可愛らしい発言をしてましたが、きっとこの子は伸びる、それどころじゃない、日本を代表する俳優さんになるだろうと確信していました。


基本なんでも出来るひとですが、これで真性の悪女とか演じられるようになれば完璧なのではないでしょうか。

<経歴>

夫は元V6で俳優の岡田准一。


子役タレントとして数々のCMに出演、
実質的な映画俳優デビュー作は、99年の『あの、夏の日/とんでろ じいちゃん』。

『淀川長治物語・神戸篇 サイナラ』(2000)を経た2001年、前述した『EUREKA ユリイカ』で物語の求心力となる梢を好演し話題を集める。

翌年、インパクトあるタイトルが目を引く『害虫』(2002)で壊れた中学生を熱演し、ナント三大陸映画祭で主演賞を受賞。
多くの鬼才があおいさんに注目し、オファーが絶えない状況になったのだとか。

『パコダテ人』(2002)、『富江 最終章 ~禁断の果実~』(2002)、『ラヴァーズ・キス』(2003)、『ラブドガン』(2004)、『青い車』(2004)、『理由』(2004)、『amoretto アマレット』(2004)、
人気漫画を映画化、中島美嘉と共演し若者を中心にスマッシュヒットを記録した『NANA』(2005)、
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(2006)、『好きだ、』(2006)、『初恋』(2006)、『ただ、君を愛してる』(2006)、『海でのはなし。』(2006)。

2006年にはNHKの連続テレビ小説『純情きらり』に主演、自分もあおいさん目当てで久しぶりに連続テレビ小説を観ましたよ。
なんといっても、タイトルがよいですよね♪

『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007)、『初雪の恋 ヴァージン・スノー』(2007)、『サッド ヴァケイション』(2007)、

劇団ひとりが自作小説を映画化した『陰日向に咲く』(2008)では二役に挑戦、


この2008年には大河ドラマ『篤姫』でタイトルロールを演じました。
ついでといってはアレですが、テレビドラマに限定すると、ダントツで『ゴーイング マイ ホーム』(2012、フジテレビ)ですね。
是枝裕和が演出、あおいさんの台詞に「後悔って、愛があるってことだから」というのがあり、なぜ是枝さんがこのドラマを撮ったのかピンときましたね。(もちろん、あの名作に対する21世紀からの返答です)


映画に話を戻し…
『ハブと拳骨』(2008)、『闇の子供たち』(2008)、『少年メリケンサック』(2009)、『劒岳 点の記』(2009)、
『ソラニン』(2010)、『オカンの嫁入り』(2010)、『神様のカルテ』(2011)、『ツレがうつになりまして。』(2011)、『わが母の記』(2012)、『天地明察』(2012)、『北のカナリアたち』(2012)、『きいろいゾウ』(2013)、『舟を編む』(2013)、『ペタル ダンス』(2013)、『はじまりのみち』(2013)、『神様のカルテ2』(2014)、『バンクーバーの朝日』(2014)、『世界から猫が消えたなら』(2016)、

『EUREKA ユリイカ』につぐ代表作となった『怒り』(2016)、


『バースデーカード』(2016)、『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』(2017)と現在も引く手あまた。


すでにママですからね、一時期に比べれば抑え気味ですが、まだまだ活躍をつづけてくれることでしょう。

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映画2倍速

2021-11-07 00:10:00 | コラム
「早送り」「巻き戻し」ではなく、映像再生機器のリモコンに「倍速」ボタンがついたのはいつごろだったか。

たぶん90年代の頭には登場していたはず、
この機能の特徴は「早送り」とちがって、音声が消えないことだった。

映像と同様、音声も2倍速つまり早口のように聞こえてくると。

テレビCMでは「忙しい毎日を送るひとに、、、」みたいな売り出しかた。

使ったこと?

ほぼないねぇ、どんなものだろうと試したことはあるが、これじゃあ観ているうちに入らないだろうと。自分には不要な機能だろうと。


この発展した形が、少し前に話題になった「ファスト映画」というものだろう。


映画を10分ほどに「雑に」編集、それをネットにあげて収益をあげる「犯罪」。

もちろん最大の被害者は、オリジナルの創り手たち。

商売するひとはなんでも商売のネタにするので驚くことはないが、けっこうな利用者が多かったほうに驚いた。

様々な話題に乗っかるため「知っていること」を増やす行為であるとするならば、
まぁ真似はしないが、分からないではない。

これ観て沢山の映画に触れたつもりになっている「自称映画ファン」が居るとするならば、それはちょっと糾弾すべきだが。

多くの映画ファンがアリコンこと有村昆に不快感を抱くのは、べつに彼が不倫していたからではなく、3本の同時視聴を「得意げに」語っていたから、、、だったりする。

ファスト映画も罪なら、そんな鑑賞法で映画を捉えたと公言しちゃうことも罪だと思うんだよね。


ほとんどなにも起きない、長~~~~~~~~~~~~~~いワンショットにも意味がある。
ファスト映画ではこれを「まるごと」カットしてしまうのだろうが、
なぜ監督はこんなことをするのか、深く考えてみることが映画鑑賞の醍醐味なんじゃない?


これに関わったひとたち、全員と仲良く出来ないだろうなぁ!!




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隣人は静かに笑う。

2021-11-06 04:04:19 | コラム
先日―。

隣人さんが引っ越していった。
本人からのあいさつはなく、なぜかご両親のほうから丁寧なあいさつが。

ま、それはよいんだけど。
7年くらい暮らしていたのではないかしら、その前が未亡人風のひとで5年。
先日記したように自分は17年だから、隣人さんふたりのほうが東京の団地で独り暮らししているヒトっぽいというかね、やっぱりこの場は「つなぎ」であり、終の棲家というわけではないのだな…とかなんとか思ったり思わなかったり。

同じ棟にも沢山の階段があって、各階に二部屋ずつ―これが一般的な団地の構造ゆえ、隣人は左右に居るわけではなく(厳密にいうとちがうけど)いっぽうにしか居ない。
だから、いまは隣人なし状態。

気楽といえばそうだけど、寂しいっちゃあ寂しい。
居たとしたって、べつに深い交流があるわけでもなし。

そんなことは分からんか、すごく気の合う隣人の可能性だってあるからね。


「引っ越し」「隣人」で真っ先に想起する映画は、『隣人は静かに笑う』(99)。
ほんとうによく出来たスリラーで、「観終えたあとに鬱確定映画」の上位にランクインされている。


映画としては最高だけど、イヤだねぇ苦笑

『花様年華』(2000)のほうだよね、憧れたりするのは。
切ない映画ではあるけれども。。。


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『映画2倍速』
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