僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

心配な男…④ 田むら

2009年09月03日 | ケータイ小説「パトスと…」
「「だからオレはいつも言ってるんだ、常在菌のことをさ」

「ジョウザイキン?」
「皮膚にも腸の中にもいるんだよそうゆうのが」

「何だそれ、ばい菌か?」
「だから言ってるだろ、ばい菌じゃなくてイイ細菌!」

「細菌がいつもくっついてるってことだっけ」
「そ、この前も言ったろ?」

「聞いたような気もするけど、イイばい菌と悪いばい菌がいるって」
「だからさ、ばい菌じゃなくて、細菌だって」

「よくさ、善玉菌とか悪玉菌とかヨーグルトで言ってる奴だっけ」
「そうそう、それが皮膚にもいっぱいいるわけさ」


「そんな気持ち悪い話を女の子にしちゃうわけ」
「だってホントのことなんだから」


「あーあ」

慎一は不満げに口をとがらし、ゲソをしゃぶった。


「お前の話を面白いと思って聞くの、オレぐらいだと思うよ」

「いいよもう、辰雄は何飲んでるの?」
「『田むら』だよ」

「なんだそれ?」
「最近オレの中でこれが一番、ちょっと飲んでみ」

辰雄は備前の湯飲みで出された冷酒を慎一に差しだした。

「んー、えー?すごいなこれ」
「だろ!?」













コメント
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