僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

心配な男…⑦ デザート

2009年09月09日 | ケータイ小説「パトスと…」
「オレにはコンビニで売ってるあずきバーがお似合いだって思ったのさ」
「赤城のか?」

「アレは赤城乳業じゃなくって井村屋だろ」
「そうだっけ、あれうまいよね、チョー堅てぇけど」

「そう思ったら無性に食いたくなっちゃてさ、オシャレなデザートよりずっと欲しくなっちゃったんだよ」
「いいんじゃない、それで」

「会計して、店を出た」
「んで?」

「何だか思ったより安かったな、って感じたんだ」
「いいじゃん」

「それが、良くないんだよ」
「ええ?なんで」


「あずきバー舐めながら思い出して計算してみたんだけどさ」
「あずきバーは食ったんだ」

「そう、堅かったけどうまいねぇ」


「あれって当たりとかあるんだっけ?」
「ないよ、それはホームランバーだろ?四角いバニラの」

「あっそうそう、当たりでもう1本貰ったらまた当たったりしてな」


「アイスはどうでもいいんだよ、それよかビール代払ってなかったんだよ」
「ん?」

「ビールのお代わり代が入ってないの」


「ああ、そっかぁ」
「ああ、そっかぁじゃねぇよ、どうする?」

「別にいいじゃん、間違いはよくあることさ」
「やだよ」

「いいよ、そんなの」

「680円だぜ」
「レジで間違えた本人も気付いちゃいないよ」

「不正行為だよ」
「そんなことわざわざ言ったらさ、レジの人に計算ミスだって恥かかせることになるぜ」

「え、えー?」
「偉そうに正義ぶってんじゃねぇってば」

「いやそうゆう意味じゃないんだけど」
「いいのいいの」


「いくなくない?嘘つきはドロボーだぜ」
「泥棒は嘘つきの始まりってか」













コメント
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