僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

宇宙(ひろし)の友達 星見(ほしみ)

2006年04月30日 | SF小説ハートマン
今日はちょっと熱があるみたいだ。きのう公園で暗くなるまでタネ取ってたからかな。いっぱい集めたけど、気がついたら暗くなってた。
ママにいうとすぐ怒るからやだ。いつまでも遊んでるからだとか、ちゃんとお勉強しないからだとか、いっつも言うことは同じだ。頭が痛いなんて言ったら最悪だ。幼稚園は休みなさい、塾の時間までねてなさいなんて言うに決まってる。黙ってる方がいいさ。幼稚園行って星見ちゃんに昨日の分を見せるんだ。

このとき未だ僕は自分の体に起きつつある変化に少しも気付いていなかった。

幼稚園ではいつものように杏子先生が、「よっ、宇宙君おっはよう。」って迎えてくれた。
「先生、この子ちょっと風邪ひいたみたいで、いつも遅くまで遊んでるから。ひょっとしたら熱あるんじゃないかと思うんですけど、帰った方がいいでしょうか」

なんだ、ママ熱があるのちゃんと知ってんじゃないの。そんならいつもみたいに、寝てなさいって言えばいいのに。ホントは午前中にショッピングセンターのバーゲンがあるから僕をお医者さんなんかに連れてけないんだ、きっと・・・

「あら、そうですか?まあ、でも大丈夫でしょう。元気そうですし。後でお熱測ってみますね。お預かりします。」
よかった。やっぱ杏子先生、僕の強ーい味方だ。帰りなさいって言われたらどうしようかと思っちゃった。
星見ちゃん来てるかな。ホールの方を探すと、あっ、もう来てた。箱積み木の上で一人あやとりしてる。あやとりは最近の星見ちゃんのマイブーム。僕はおたより帳に急いでシールを貼るとすぐに側に行った。
「星見ちゃん、ほらこれみて。」 つづく

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